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【リノベーションマーケティング大全】リノベーション会社のマーケティングを徹底解説

  • 更新日 : 2025-06-26

  • 公開日 : 2025-06-26

住宅や不動産の価値を高め、暮らしの質を向上させる手段として注目を集めている「リノベーション」。

新築に比べてコストを抑えつつ、自分らしい空間を実現できることから、若年層からファミリー層、さらには投資家層まで幅広い支持を集めています。

そして、リノベーション市場の成長とともに、各社の競争も年々激化しています。
魅力的な施工事例やデザイン力だけでは差別化が難しい今、継続的な問い合わせ獲得と収益向上を実現するには、戦略的なマーケティングの導入が不可欠です。

しかし、「何にどれだけ投資すべきか」「どの手法が自社に合うのか」「成果が出るまでどれくらいかかるのか」といった疑問を抱える企業は少なくありません。

本記事では、リノベーション会社がマーケティングに取り組む上で知っておくべき収益構造や重要指標(CAC、LTV)、そして具体的なオンライン・オフライン施策まで、網羅的に解説します。
さらに、規模別の戦略も交えながら、マーケティングがいかに事業成長に寄与するかをひも解いていきます。
マーケティングの設計に悩むすべてのリノベーション事業者にとって、実務に直結する内容となっていますので、ぜひ最後までご覧ください。

1.リフォームとリノベーションの定義

類似の言葉として使用されるため、違いを記載します。

リフォームとは

既存の建物や住空間を部分的に改修・修繕し、機能やデザインを向上させることを指します。主に老朽化した設備の交換、内装や外装の変更、使い勝手の改善を目的とし、建物の構造自体を大きく変更しない範囲で行われます。一般的な例として、キッチンや浴室のリニューアル、壁紙や床の張替え、耐震補強などが挙げられます。

リノベーションとは

既存の建物に大規模な改修を施し、新たな価値や機能を加えることを指します。単なる修繕や設備交換にとどまらず、間取りの変更やデザインの一新、耐震・断熱性能の向上などを含み、建物全体のグレードアップを目的とします。例えば、古いマンションをスケルトン状態にし、最新のライフスタイルに合わせた住空間に作り変えるといったケースが代表的です。

”リフォームおよびリノベーション” の支出ランキングは一般的に下記となります。

1. 水回り
2. 内装
3. 外装

水回り(キッチン・浴室・トイレなど)は、生活の利便性や衛生面に直結するため、特に優先度が高くなります。
内装・外装も経年劣化が目立ちやすく、居住性や外観の印象を左右することから支出上位に位置しています。
リフォーム市場では、これらの需要に応える提案が重要です。

1.1 水回りとは

水回りとは、キッチン・浴室(風呂)・トイレ・洗面所の4つの設備を指し、日常生活で水を多く使用する場所を意味します。

これらは使用頻度が高く、湿気や劣化の影響を受けやすいため、15~20年ほどで交換や改修の必要が出てくることが一般的です。特に築10年を過ぎると、老朽化や使い勝手の見直しによるニーズが高まります。

中でもキッチンや浴室は工事規模が大きく、単価が高くなりやすい上、給湯器は約10年で交換時期を迎えることから、水回りのリフォームは需要も収益性も高い領域とされています。

1.2 内装とは

内装とは、住宅の内部空間の見た目や機能性を向上させるための仕上げ部分を指し、主に以下の4つが該当します。

・壁紙の張り替え
・床材の張り替え(フローリングやクッションフロアなど)
・間仕切りの設置(空間の有効活用やプライバシー確保のため)
・収納の設置(クローゼットや造作棚など)

内装リフォームは、比較的低コストで住まいの印象や使い勝手を大きく変えられるため、リフレッシュ目的の需要が高く、居住年数やライフスタイルの変化に応じて定期的に行われる傾向があります。

1.3 外装とは

外装とは、建物の外側部分にあたる構造や仕上げ材のことで、住宅の耐久性・防水性・外観デザインに深く関わる重要な要素です。
主に以下の5つが該当します。

・部分補修(ひび割れ補修・コーキング打ち替え・サイディング部品交換など)
・外壁塗装(防水性・美観の維持を目的とする)
・サイディング張り替え(外壁材の劣化や剥がれへの対応)
・屋根の葺き替え(瓦・スレートなどの交換)
・屋根塗装(耐久性の延命・断熱効果の向上)

外装は建物を雨風や紫外線から守る“外的バリア”として機能するため、劣化が進むと住宅全体の寿命に影響を及ぼします。特に築10年を超えたあたりから点検・メンテナンスのニーズが高まりやすく、計画的な改修が求められる分野です。

2.リノベーション会社の収益構造

リノベーションはリフォームに比べて施工範囲が広く、設計・設備変更・構造補強などを伴うことが多いため、1件あたりの受注単価は一般的に「リノベーション > リフォーム」となります。

たとえば、キッチンのリノベーションにおいて

①キッチン設備の購入
②床材・壁材の変更
③給排水工事の実施

といったフルセットの施工を行えば、総額1,000万円近い受注になることも決して珍しくありません。

この売上に対し、原価は

・設備費(システムキッチンや機器)
・関連資材費(床材・壁材・配管材など)
・外注作業費(大工・設備・内装職人等)

といった要素から構成され、平均で約70%に達します。

▼キッチンリノベーションにおける利益構造(例)
区分:金額
売上:1,000万円
原価:700万円
粗利益:300万円

多くのリノベーション会社では工事の大半を外部の施工業者(いわゆる「土建屋」)に外注しているため、粗利益=実質的な売上と考えるのが実態に近いでしょう。

この300万円の中から、人件費・販管費・利益を捻出する必要があり、マーケティングに充てられるコストは粗利益の15~30%程度(=45~90万円)が目安となります。

したがって、1件あたり1,000万円の売上がある場合でも、マーケティング費用は全体の4.5%~9%以内に抑えることが望ましく、それを超えると採算が取りづらくなります。

この収益構造を踏まえた上で、許容できる広告費(CPA)やKPIの目安が下記となります。

3.マーケティング施策フローマップ

リノベーション・マーケティングに関連する施策と関連性についてのフローマップが下記となります。

リノベーション会社にとって、安定的なリード獲得を実現する上で、オレンジ色にハイライトした[不動産広告媒体]と[紹介]の2つのチャネルが、リノベーション特有の流入チャネルとなります。

前者は、住まいや物件に強い関心を持つユーザーが日常的に訪れる場であり、自社のリノベーション事例や相談導線を設けることで高い確度の見込み顧客を獲得できます。
一方後者は、住宅購入・引越し・設備交換・ローン相談など、住環境の変化が生じるタイミングで顧客と接点を持つ業種が多数存在し、紹介や協業を通じてリードが生まれます。

3.1 不動産広告媒体

下記が2025年6月執筆時の情報となります。

サービス名運営会社サービスサイト送客方法
SUUMOリフォーム株式会社リクルートhttps://suumo.jp/remodel/来店/オンライン相談(住まいのアドバイザーが要望をヒアリングし、厳選企業を紹介)
LIFULL HOME’S 住まいの窓口株式会社LIFULLhttps://counter.homes.co.jp/来店/オンライン相談(経験豊富なハウジングアドバイザーが中立支援し、適切な施工会社を紹介)
ホームプロ株式会社ホームプロ(リクルート100%子会社)https://www.homepro.jpオンラインマッチング(匿名でリフォーム内容を入力すると、最大8社まで見積り提案を受け比較検討可能。現地調査まで匿名でやり取り)
リショップナビ株式会社じげん (ZIGExN)https://rehome-navi.com/オンライン一括見積もり(専門コンシェルジュが電話で希望をヒアリングし、条件に合う優良会社を最大5社まで選定・紹介)
ハピすむ株式会社エス・エム・エスhttps://hapisumu.jp/オンライン一括見積もり(リフォームコンシェルジュが希望を聞き取り、条件に合う会社を最大3社まで紹介)
タウンライフリフォームタウンライフ株式会社https://www.town-life.jp/reform/オンライン一括見積もり(Webフォームで希望内容を入力すると、対応可能な3〜5社から一括でプラン提案・見積もりを取得)
リフォームガイドあなぶきデジタルサービス株式会社https://www.reform-guide.jp/専門コンシェルジュによる紹介(ユーザーは匿名で相談可能。希望内容に応じてコンシェルジュが優良企業を厳選し複数社を紹介)
家仲間コム株式会社マッチングジャパンhttps://www.ienakama.com/オンラインマッチング掲示板(ユーザーが匿名で工事内容を投稿すると、地域の登録業者からサイト上で概算見積りや提案が届き、直接やり取りして契約)

上記のように多様なリノベーションマッチングサービスが存在しており、自社の規模や戦略に応じて適切なサービスを選ぶことが重要です。

◆全国展開・大規模受注が可能なリフォーム会社には、集客力が高く案件数の多いサービスが適しています。
例えば、加盟会社数が多く大量の見込み客を抱える「ホームプロ」や「リショップナビ」は、幅広い地域で安定的に案件獲得が見込めます。
ただし競合他社も多いため、価格競争になりがちです。

その点、SUUMOリフォームやLIFULL HOME’Sのように運営会社の信用力が高く、コンシェルジュが事前にユーザー要望を精査して紹介してくれるサービスでは、比較的成約率の高い質の良い案件に絞ってアプローチできます。

大手企業ほど成約課金型(成功報酬型)のモデルでも対応余力がありますが、ホームプロのように手数料率が高め(6%程度)だと利益圧迫要因にもなるため、利益率を確保したい場合はリショップナビ(成約手数料ゼロ)や固定課金型の媒体を併用するのも有効です。

◆地域密着の中小リフォーム会社特定分野に強みを持つ専門業者にとっては、厳選された顧客紹介を受けられるサービスが向いています。
例えば「リフォームガイド」や「ハピすむ」は紹介社数を絞り込んでおり、コンシェルジュがユーザーと丁寧に調整した上でマッチングするため、無駄な相見積もり対応が比較的少なく、施工提案に専念できます。
これらは成約ベースの手数料モデルですが、紹介1件あたりの成約期待値が高いため、中小でも効率良く営業できるでしょう。

また小規模案件中心の会社は、「家仲間コム」のように軽微な修繕依頼が数多く寄せられるプラットフォームで実績を重ね、口コミ評価を高める戦略も有効です。
家仲間コムは成約手数料無料のため低予算案件でも利益を確保しやすく、地域の小さな仕事を着実に拾いたい業者に適しています。

3.2 ステークホルダーからの紹介

リノベーションの案件は、Web広告や自社集客だけでなく、他業種のステークホルダーからの紹介によって発生するケースが非常に多くなっています。
例えば、家を建てたハウスメーカー、住宅設備を購入した家電量販店、引っ越しを担当した業者、さらには不動産会社や金融機関まで——顧客の「住まい」や「事業空間」に関わる多くのプレイヤーが、実はリノベーションの入り口に立っているのです。

下請けとして案件を受ける場合でも、安定的な送客が得られることから、各企業とのアライアンス構築は大きな成長機会となり得ます。

以下に、代表的な紹介元をジャンルごとにまとめましたので、自社の戦略に合った提携先を探す参考にしてみてください。

紹介元ジャンル企業例タッチポイント
(顧客との接点)
リノベ案件の
発注フロー
ハウスメーカー・積水ハウス
・旭化成ホームズ(ヘーベルハウス)
・ミサワホーム
・新築住宅引渡し後の定期点検時
・OB顧客からの増改築相談時
グループ内のリフォーム部門や協力工務店に下請発注する
家電・設備量販店
(リフォーム窓口)
・ヤマダデンキ(ヤマダリフォーム)
・エディオン(エディオンリフォーム)
・ケーズデンキ(ケーズリフォーム)
・水回り設備や家電購入時
・リフォーム相談カウンター利用時
一定規模以上の工事は提携施工会社に下請発注する
ディベロッパー・三井不動産
・住友不動産
・三菱地所
・新築マンションや中古住宅の販売時
・テナント入居時
買取再販やスケルトン状態での販売に合わせ、提携リフォーム会社を紹介する
設備機器メーカー・LIXIL
・TOTO
・ダイキン工業
・キッチン/浴室/トイレ等の設備更新検討時
・ショールーム訪問時
連携する施工会社を紹介する
不動産仲介会社・三井のリハウス(リアルティ)
・住友不動産販売
・東急リバブル
・中古物件購入や店舗物件の賃貸・購入時リフォーム会社と提携した「物件+改修」パッケージで提案し、提携先に発注する
金融機関
(住宅ローン)
・三菱UFJ銀行
・みずほ銀行
・三井住友銀行
・中古住宅ローン、リフォームローン申請時ローン窓口で提携施工会社や、ワンストップリノベ事業者を紹介する
引越し業者・アート引越センター
・サカイ引越センター
・日本通運
・引越し時
・仮住まい手配時
提携しているリフォーム会社を紹介する
家具・インテリア販売店・ニトリ
・IKEA
・コクヨ(オフィス家具)
・家具購入時
・模様替え時
・インテリア相談時
提携している施工会社を紹介する
設計・デザイン事務所・ブルースタジオ
・エイトデザイン
・乃村工藝社
・空間づくり相談時提携している施工会社を紹介する
不動産管理会社・東急コミュニティー
・野村不動産パートナーズ
・大和ライフネクスト
・管理物件の住民やオーナーからのリフォーム相談時(定期メンテナンスや空室対策のタイミング)提携している施工会社を紹介する

4.効果的なマーケティングを行う初期設定

不動産広告媒体・ステークホルダー紹介を除いた自社マーケティングにおいては、下記2点を初期設定しましょう。

①ターゲット選定
②USP設定
③CVポイントの構築

それぞれについて解説していきます。

4.1 ①ターゲット選定

ターゲットを決定する上では、写真付きで年齢・年収帯・現状/課題・リノベーションポイントなどを整理します。今回は2名のサンプルを記載します。

▼1人目:30代夫婦・子育て世帯向け

ペルソナ
共働き30代夫婦・子育て世帯向けリノベーション

基本情報
名前:田中 翔太(たなか しょうた)
年齢:35歳
職業:IT企業勤務(プロジェクトマネージャー)
年収:750万円
居住地:東京都世田谷区
家族構成:妻(33歳・広告代理店勤務)、子ども1人(2歳)

現状と課題
・中古マンション(築20年・3LDK)を購入予定だが、間取りや内装が古いためリノベーションを検討
・共働きで仕事と育児の両立が大変なので、家の中の動線を最適化したい
・収納スペースが足りず、モノがあふれている
・子どもが安全に過ごせる環境(角のない家具、滑りにくい床、調湿・消臭性能のある壁材など)を求めている
・予算は1,000万円以内に収めたい

求めるリノベーションのポイント
・家事ラク動線の最適化(キッチンから洗濯・収納スペースへのアクセスを良くする)
・子どもが遊べるリビングスペースの確保(キッズスペース+ワークスペースの両立)
・収納力UP(造作収納やウォークインクローゼット)
・ナチュラルモダンなデザイン(木目とホワイトを基調とした温かみのある内装)
・高性能素材の使用(消臭・調湿効果のある壁材、傷つきにくい床材)

リノベーション業者選定のポイント
・子育て世帯向けの施工実績があるか
・オンラインで相談・シミュレーションができるか(共働きのため)

USP設定
このペルソナをターゲットにするなら、
✔「子育て世帯向けの家事ラク&収納リノベ」
✔「ワンストップで完結・忙しい共働き世帯のためのスムーズなリノベーション」
✔「施工事例を豊富に紹介&オンライン無料相談」
といったUSPを設定します。

▼2人目:50代夫婦・定年後検討層向け

ペルソナ
寒冷地×セカンドライフ×介護ニーズを考慮した50代夫婦向けリノベーション
※このペルソナは、寒冷地ならではの「断熱・省エネ対策」×「高齢者・介護を考慮したバリアフリー設計」を求める層です

基本情報
名前:佐々木 和夫(ささき かずお)
年齢:55歳
職業:地方銀行の支店長(数年後に早期退職予定)
年収:850万円
居住地:北海道旭川市(実家をリノベーション)
家族構成:妻(53歳・専業主婦)、母(80歳・要介護1)、子ども2人(都市部在住)

現状と課題
・親から相続した築40年の戸建て(木造)をリノベーションし、定年後も快適に暮らせる家にしたい
・要介護1の母親と同居しており、将来的に介護しやすい家にしたい
・冬の寒さが厳しく、暖房費が高額になるため、省エネ性能を向上させたい
・高齢者が暮らしやすいバリアフリー設計にしたい(トイレ・浴室・玄関などの動線を改善)
・湿気・結露・カビの発生が気になり、換気性能を強化したい
・雪かきの負担を減らす外構リノベーションを考えている(ロードヒーティング・カーポート設置)

求めるリノベーションのポイント
・高断熱・高気密リノベーション(外断熱+内断熱、二重窓、床暖房)
・省エネ暖房設備の導入(蓄熱暖房、パネルヒーター、ヒートポンプ式給湯器)
・24時間換気システムで結露・カビ防止
・バリアフリー設計(段差解消・手すり設置・車椅子対応の広めの廊下とドア)
・介護を見据えた寝室の配置(リビング近く、介護ベッドが設置できる広さ)
・夫婦それぞれの趣味空間を確保(書斎・アイランドキッチン・ガーデニングスペース)
・冬でも安全な外構リノベーション(玄関ポーチの風除室、ロードヒーティング、除雪のしやすい設計)

リノベーション業者選定のポイント
・寒冷地リノベーションの豊富な実績があるか
・バリアフリー&介護リノベの専門知識があるか
・将来的な介護負担を軽減する間取り変更に対応できるか
・施工後のアフターサポートが充実しているか(寒冷地特有の不具合対応)

USP設定
このペルソナをターゲットにするなら、
✔ 「寒冷地×バリアフリー×介護対応!冬でも快適な住まい」
✔ 「親との同居・介護を見据えたあたたかい住まいづくり」
✔ 「寒さ・光熱費・介護の不安をゼロに!安心のリノベーションプラン」
といったUSPを設定します。

上記のように設定することで、自社が獲得したいターゲットの組織内目線合わせも完成します。

次に、自社の強み(USP)を整理します。

4.2 ②USP選定

USPとは、自社独自の強み(Unique Selling Proposition)の略称となります。

下記の主に1~3が訴求点としてあげられます。
4~6は、サブポイントとなります。

1. デザイン・コンセプト特化
・デザイナー監修の高級リノベーション(高級志向の顧客向け)
・ミニマル&スタイリッシュなモダンデザイン特化
・和モダン・古民家再生や西海岸などのスタイル特化

2. 価格・コストパフォーマンス
・低価格×高品質リノベーション(コストパフォーマンスを重視)
・定額制リノベーションプラン(「1,000万円でここまでできる」など明確な料金設定)

3. ターゲット特化
・子育て世帯向け安心リノベーション(安全な素材、間取り最適化)
・シニア向けバリアフリーリノベーション(将来の介護を考慮した設計)

4. 工期・スピード
・最短○日で完成!短納期リノベーション
・住みながらリノベ可能な柔軟対応

5. エコ・サステナビリティ
・断熱・省エネリノベーション
・自然素材・無垢材を使った健康リノベ

6. アフターサポート・保証
・10年保証付きの安心リノベ
・リノベ後の無料定期点検付き
・住み始めてからのカスタマイズ相談可能

5.③CVポイントの構築

大きな問合せの流れは、上図のように

資料請求 → Web面談 or ショールーム来店 → 現地調査 → 見積り →成約 → 施工

となります。
ここでは “資料請求” と “Web面談 or ショールーム来店”について記載します。

5.1 資料請求

資料に盛り込むべき内容は、以下のとおりです。

・会社概要
・サービス概要(対応業務の範囲)
・施工実績
・施工の流れ

この資料を受け取った見込み顧客に期待する行動の変化は、次の3ステップです。

1. 自分が改修したいキッチンの施工実績が豊富だ
2. 機能およびデザインの提案もしてくれそうだ
3. 上手くいくイメージが湧いたので、一度Web面談をしてみよう

なお、資料はPDF形式と冊子形式の両方でご用意ください

5.2 Web面談 or ショールーム来店

顧客と直接接触する商談の際は、①基本情報 ②希望情報の2つをヒアリングし、類似実績を見せられるようにしましょう。
具体的にヒアリングすべき基本情報・希望状況は以下のとおりです。

▼ヒアリング項目例

1. 基本情報(ターゲット分析・エリアマーケティングに活用)
☐氏名
☐生年月日(例:30代・40代・50代など)
☐性別
☐住所
☐職業・業種(例:会社員・自営業・医療関係など)
☐世帯年収

2. 家族構成(ターゲットのペルソナ設定に活用)
☐世帯人数
☐同居家族の属性(子ども/親/単身など)
☐ペットの有無(ペット向けリノベーションニーズ)

3. 住居に関する情報(提供サービスの最適化に活用)
☐現在の住居タイプ(戸建て/マンション/賃貸/持ち家)
☐築年数
☐リノベーションの希望理由(複数選択可)
☐設備の老朽化
☐収納スペースを増やしたい
☐断熱・省エネ対策
☐間取りを変えたい
☐子どもの成長に伴うリフォーム
☐高齢者向けバリアフリー化
☐介護のためのリフォーム
☐デザインを一新したい
☐その他(自由記述)

4. リノベーションの計画(ニーズ分析・提案内容の最適化に活用)
☐検討中のリノベーション内容(複数選択可)
☐キッチン
☐浴室・トイレ
☐リビング・ダイニング
☐収納スペース
☐断熱・寒冷地対策
☐バリアフリー対応
☐外装・外構(カーポート・庭・玄関)
☐全体リノベーション(スケルトン改修)
☐その他(自由記述)
☐リノベーションの検討期間(1年以内/3年以内/5年以上先)
☐リノベーションの予算感(例:500万円未満/500-1000万円/1000-1500万円/1500万円以上)
☐資金調達方法(自己資金/リフォームローン/住宅ローン借換え/補助金活用)
☐補助金・助成金の利用意向(はい/いいえ/よくわからない)

5. 施工業者選びのポイント(競争力強化・プロモーション最適化に活用)
☐リノベーション業者を選ぶ際に重視する点(複数選択可)
☐価格
☐デザイン提案力
☐施工実績・事例の豊富さ
☐口コミ・評判
☐施工スピード
☐保証・アフターサービス
☐補助金活用の知識
☐地元企業であること
☐その他(自由記述)
☐これまでに他のリノベーション会社と比較検討したことがあるか?(はい/いいえ)

6. 情報収集・マーケティング活用(広告施策の最適化に活用)
☐リノベーションを検討するにあたり情報を得た経路(複数選択可)
☐インターネット検索
☐SNS(Instagram/Facebook/YouTube など)
☐チラシ・ポスティング
☐テレビ・新聞・雑誌
☐知人・家族からの紹介
☐過去に別のリフォームを依頼した業者からの案内
☐その他(自由記述)
☐SNSでリノベーション事例を見たことがあるか?(はい/いいえ)
☐希望する情報提供方法(メール/LINE/郵送/訪問相談/不要)
☐今後のリノベーション情報を受け取りたいか?(はい/いいえ)

7. その他(自由記述)
☐具体的なリノベーションの悩み・希望があればご記入ください。
☐施工事例を見たい、または相談したい場合の希望日時。
☐その他ご質問・ご要望など。

上記を取得する理由としては、下記のようにマーケティングに活用するためです。

▼マーケティング活用例

・地域・年代別のニーズ分析 → 広告やSNSのターゲティングを最適化
・最も関心のあるリノベーション箇所 → 商品・サービスの重点強化
・予算・資金計画 → 補助金活用の訴求ポイントを強化
・競合との比較情報 → 自社の強みを明確化
・情報収集経路の分析 → 効果的な広告・販促戦略に活用

6.新規顧客獲得に使えるオンライン手法

デジタルマーケティングで注力できる箇所は下記となります。

①HP
②SEO
③MEO
④SNS
⑤Google広告(リスティング広告・ディスプレイ広告・P-MAX)
⑥SNS広告

それぞれについて解説していきます。

6.1 ①HP

ホームページ(HP)が初回接点となる可能性は高くありません。多くの場合、他のチャネル(SNSや広告など)で自社を知ったお客様が、より詳しい情報を求めてホームページを訪れる傾向があります。
そのため、ホームページにもとめられる役割は、「信頼性を伝えること」です。
リノベーション業者として信頼性を示すためには、大きく以下の2つのポイントを重視する必要があります。

1. トップページ(メインビジュアル/施工事例/フォーム/SNSリンク)
2. 施工事例ページ(事例一覧ページ/個別の事例詳細ページ)

1. トップページ
トップページで抑えるべきポイントは、以下の4点です。

・メインビジュアルによるデザイン訴求
・施工事例への導線設計と検索性
・フォームへの導線(資料請求/無料相談会/お問合せなど)
・SNS(Instagram・Pinterest・YouTube)へのリンク ※ページ下部に配置

【1】メインビジュアル
メインビジュアルのデザインでは、上図のようにラグジュアリー感を演出できるデザインを採用し、第一印象でブランドイメージを強く伝えましょう。

【2】施工事例への導線・検索性
施工事例ページへの導線と、施工事例の検索性の高さを意識することもポイントです。
サイト訪問者は「自分の希望に近い施工事例(間取り・費用など)を探したい」というニーズが強いため、施工事例ページへの導線を明確に設け、多様な検索軸でアクセスできるようにしましょう。
また上図のように、「施工事例」「事例別にみる」「部位別にみる」とユーザーの目的に応じて複数の入り口を設けましょう。

【3】フォーム(資料請求/無料相談会/お問合せなど)
申込フォームは、①資料請求 ②相談会 ③お問合わせ の3つの選択肢儲けましょう。
サイト訪問者に選ばせることによって、心理的ハードルが下がり、コンバージョ率の向上が期待できます。
また、問合せ手段として、フォーム以外にも、メール ・ 電話・LINEなどを設置し、受け付け窓口を複数設置するのも有効です。

【4】SNSへのリンク
SNSへのリンク設置も重要です。リノベーションという商材である以上、写真・動画を用いた視覚的な訴求も効果的であるため、運用している場合はアイコンを設置しましょう。

2. 施工事例ページ
施工事例ページは、「事例一覧ページ」と「個別の事例詳細ページ」の2つを用意します。

【1】事例一覧ページ
事例一覧ページには、事例検索機能を追加しましょう。

事例一覧ページ

検索軸のイメージとしては、”間取り” “費用” “部位(キッチン、バスルームなど)” “建物種別” “”となりますが、サイト訪問者によって”築年” や “エリア” など独自の検索ニーズがあるため、なるべく満たす必要があります。
個別の施工事例に多くのタグを設置して、検索軸を豊富に持たせましょう。

【2】個別の事例詳細ページ
事例詳細ページの推奨構成は、下記です。

・写真
・物件データ
・拘りポイント

写真
リノベーションという商材の性質上、写真が一番伝わります。
写真選定のポイントとして以下のように「画質が良い」というのが前提です。

また、以下のように「人が写っている写真」や「奥行きが広い写真」の2点により、生活感が伝わり、豊かなライフスタイルをイメージできます。

物件データ
下記のような物件データの記載をしましょう。

所在地:東京都 品川区
家族構成:夫婦+子ども
築年数:14年
リフォーム面積:95㎡
工期:3ヶ月
費用:4000万円

注意点としては、お客様からすると、金額表記がNGとなるケースも少なくありません。
関係性が良い顧客のみ掲載許可を依頼しましょう

拘りポイント
写真掲載の際は拘りのポイントのみを注釈することで、他の方が何を拘ったかの参考情報を得ることができます。
https://pixta.jp/photo/66748787

ホームページには、ここまで述べた「トップページ」と「施工事例ページ」と合わせて、

・モデルルームのご案内ページ
・コラムページ ※SEO対策のため
・お客様の声紹介ページ

の3つのページ掲載も推奨します。

6.2 ②SEO

リノベーション会社がWeb集客においてSEOを強化する際、戦略は大きく2つの要素に分かれます。

1つ目は、「どの検索キーワードを狙うか」という“キーワード設定”です。
2つ目は、「そのキーワードで上位表示を獲得するための記事構成と内容」という“コンテンツ設計”です。

1. キーワード設定
以下のような、検索ニーズが明確な複合キーワードを中心に狙うのが効果的です。

「エリア名 × リノベーション × 改修工事箇所(キッチン/トイレ/水回り)」
(例)「世田谷区 リノベーション キッチン」/「福岡市 リノベ トイレ」など

また、「リフォーム 贈与税」「リフォーム 仮住まい」など、検討時の悩み・不安に直結するワードも重要です
その他、住宅の築年数・住宅種別・家族構成・ライフイベントなどにひもづく具体的なキーワードもあわせて設計しましょう

2. コンテンツ設計
ポイントは下記です。

文字数
目安として8,000文字以上を推奨
(しっかりとした情報量が求められる)

写真素材
事例写真や施工プロセスなど
(ビジュアル要素が重要になるため、撮影や素材準備が肝心)

読者の課題解決
施工リスクや費用感、よくある失敗談(ヒヤリハット)など
(読むことで疑問や不安が解消される記事設計を意識)

CTA設置
ページ下部・記事中などに「問い合わせ」や「相談予約」などの行動導線を必ず設置

監修者ページ
信頼性を高めるために、施工責任者や建築士などの監修者プロフィールを明記

6.3 ③MEO

MEO(Map Engine Optimization)とは、Googleマップ上で自社の店舗や事務所が見つかりやすくなるよう最適化する集客施策のことを指します。
いわゆる「Googleマップ対策」として知られており、リノベーション会社にとっても地域ユーザーへのアプローチ手段として非常に有効です。

■ MEOが提供する主な機能価値

① 経路案内・移動サポート
Googleマップでは、車・徒歩・自転車・公共交通機関などから最適なルートを自動表示し、所要時間の目安も提示されます。
リノベーションの打合せやモデルルーム訪問時に、迷わず現地へ到着できる点は来店率向上に寄与します。

② 基本情報の即時取得
営業時間・定休日・電話番号・所在地などがひと目で確認でき、電話予約や相談アクションへつながりやすい設計となっています。

③ 口コミ・評価の閲覧
利用者の声や写真、星評価などが表示され、信頼性や安心感の醸成に直結します。実際の施工対応や接客の評判を見て問い合わせるユーザーも少なくありません。

口コミ・評価の閲覧

6.4 ④SNS

お客様は日常的にInstagramやPinterestで理想の暮らしやデザインを探し、YouTubeでは施工の様子やビフォーアフターの実例を視聴しています。
つまり、リノベーションを考え始めたタイミングから、すでにSNS上で情報収集が始まっているのです。

YouTube

YouTubeはPinterestやInstagramと異なり、「検討中ユーザーがじっくり情報を深掘りする場」としての性質が強く、リノベーション業者にとっては信頼獲得と検討フェーズの後押しに非常に有効です。
※YouTubeは「問合せ直前の“最後の一押し”」になるチャネルです。

SNSやSEOで獲得したリードを、YouTube動画で一気に温める使い方が効果的です。

以下に、リノベーション会社がYouTubeを運用する際に意識すべきポイントと、優良事例である「リノベる。」の活用法を踏まえて整理しました。

▼リノベーション業者がYouTube運用で意識すべき3つのポイント

① 視聴者の「不安を解消」する構成にする
検討中のユーザーは、「費用ってどれくらい?」「間取り変更って大丈夫?」「失敗しないために何を見ておくべき?」という不安を抱えています。
そのため、ルームツアーや施工事例紹介だけでなく、Q&A形式やプロの解説コンテンツを挟むことで、視聴者との心理的距離を縮めることができます。

② タイトルとサムネイルは“悩み”や“理想”に寄り添う言葉で設計
たとえば、「築30年マンションをカフェのような空間にリノベ」や「リノベの成功と失敗、両方見せます」など、検索されやすい+共感されやすいタイトルとサムネがカギです。
派手な演出よりも、“リアルな変化”や“プロの視点”が伝わる構成が評価されます。

③ シリーズ化+再生リストの整備で回遊率を上げる
単発動画よりも、テーマ別にシリーズ化(例:「50㎡のリノベ」「水回り集中解説」「お客様の声シリーズ」など)し、再生リストで整理すると滞在時間が長くなり、ファン化しやすくなります。

参考になるアカウントとしては、”ルームツアー”を中心に素晴らしいコンテンツを制作しているリノベる様のYouTubeアカウントです。
リノベる。様:リノベる。/ Renoveru – YouTube

Instagram

Instagramでは、施工事例の「After写真」を中心に構成することが基本です。

投稿文では、単なる写真の説明ではなく、施工のこだわりポイントや素材の選定理由、施主の悩みをどう解決したかなど、プロ目線での解説を加えると信頼感を得られます。難しすぎず、専門性を感じさせるトーンが効果的です。

ハッシュタグは、「#リノベーション事例」「#マンションリノベ」「#無垢材のある暮らし」など、施工箇所(例:キッチン、洗面)×素材(例:タイル、無垢材)×スタイル(例:北欧風、インダストリアル)の組み合わせを意識すると、回遊検索で見つけられやすくなります。

品番やサイズは可能であれば記載してください。ユーザーは「この照明どこの?」「この家具のサイズ感は?」といった具体的な情報を求めており、商品選定や導線づくりに直結します。

タグ付け(ピンのカテゴリやリンク先URLなど)は正確にしましょう。誤った設定をすると、検索にも引っかからず、せっかくの投稿が埋もれてしまいます。

静止画だけでなく、動画(簡単なルームツアーや施工説明)も活用すると、保存率・滞在時間ともに向上します。特に素材の質感や空間の広がりは動画の方が伝わりやすいため、写真との併用をおすすめします。

参考になるアカウントとしては、以下の2社が特に優れています。

DAIKO electric様:DAIKO|大光電機株式会社|照明メーカー 《公式》
照明ごとの使用イメージ、品番記載が丁寧で検索性が高いです。

積水ハウス様:積水ハウス株式会社
空間全体の提案力が高く、スタイル別のまとめ方が参考になります。

Pinterest

Pinterestでは、ユーザーが保存・再利用しやすい情報設計が非常に重要です。

① 「生活感」は極力排除し、世界観を統一する
Pinterestユーザーは「憧れの暮らし」「理想の空間」を探しているため、生活感のある写真(洗濯物や日用品など)は避けましょう。
光の取り方・アングル・色味を統一し、雑誌やカタログのような「保存したくなる美しさ」を意識してください。

② タイトル・説明文に検索されやすいキーワードを入れる
Pinterestは検索エンジンとしての機能も強いため、「北欧風 リビング」「玄関 タイル グレー」など、ユーザーが検索しそうな言葉をビジュアルと一緒に記載しましょう。投稿が見つかりやすくなり、保存率が上がります。

③ リンク先(Webページ)で“詳細情報”にすぐアクセスできるようにする
Pinterestは“興味を持ったらWebへ”という流れが自然なので、ピンに設定するリンク先のページは、素材名・品番・施工内容などがすぐわかる設計にしておくことが重要です。詳細ページが雑だったり、情報が少ないと離脱につながります。

6.5 ⑤Google広告(リスティング広告)

リスティング広告(Google広告など)は、リノベーションを検討しているユーザーに直接アプローチできる手段ですが、予算の限られる中小事業者にとっては「戦う土俵の選び方」が非常に重要です。

特に「リノベーション」「リフォーム」といったビッグワードは、大手不動産広告媒体が高額で入札しているため、クリック単価が高騰しており、コストパフォーマンスが合いづらいのが実情です。

そのため、安易に広いキーワードで出稿するのではなく、“エリア×ニーズ”に特化したニッチワードに絞るのが基本方針となります。

▼推奨されるキーワード例
「世田谷区 2LDK リノベーション」
「中古マンション フルリノベ 大阪」
「平屋 リフォーム 熊本」
など、地名+物件タイプ+ニーズで構成された具体的な検索ワードがよいです。

むしろ、それでも高騰することがあり、必ず押さえておくべきなのが「指名キーワード」です。

自社の社名やサービス名(例:「○○リノベーション」「株式会社△△」)を検索したユーザーへの出稿は、クリック単価が安く、コンバージョン率も高いため、最も効率的な広告運用のひとつです。

競合が自社名を狙って広告出稿している場合もあるため、ブランドを守る意味でも指名キーワードの広告配信は有効です。

関連記事:
リスティング広告とは?費用や運用方法を解説
リスティング広告に必要な費用はいくら?4つの決め方と費用の抑え方を解説
リスティング広告の運用改善マニュアル(基礎編)

6.6 ⑥Google広告(ディスプレイ広告・P-MAX)

ディスプレイ広告やP-MAX(Googleの自動配信型キャンペーン)は、視覚的な訴求ができる点が強みですが、運用にはポイントがあります。

まず前提として、中小規模の予算や地域特化のリノベーション事業であれば、無理に導入する必要はありません。一定の広告ボリュームやターゲット拡張が前提となるため、大規模な集客戦略を取らない限り、優先順位は高くないというのが実情です。

ただし、[Meta広告(InstagramやFacebook)で成果が出たクリエイティブ(バナーや動画)]がある場合、それを横展開する形で、[GoogleのP-MAX・ディスプレイ広告・Yahoo!ディスプレイ広告(YDA)]を活用するのは効果的です。

特にリスティング広告では伝えきれないビジュアルの力で「空間の雰囲気」「施工後の魅力」を伝えられるため、イメージ訴求型のリノベーション業種とは相性が良いと言えます。

関連記事:
ディスプレイ広告とは?リスティング広告との違いや広告効果を最大化するポイントを解説
【5分でわかる】P-MAXとは?配信面や入稿規定、効果を徹底解説

6.7 ⑦SNS広告

SNS広告の中でも、リノベーション業界において特に成果が出やすいのはMeta広告(Instagram・Facebook)です。
弊社ナウビレッジでも、Pinterest広告も試験的に実施しましたが、リーチは得られるものの商談や問い合わせといったコンバージョンには結びつきにくく、優先度は低いと判断しています。

Meta広告では、「ユーザーが保存したくなるような“テイスト重視”のビジュアル訴求」が鍵となります。下記のように、バナーの種類を明確に分けて複数パターンでテスト配信することが重要です。

バナー構成アイデア(3パターン)
Meta広告では、下記のような①~③事例ベースの3つのバナーパターンを使い分けながら配信を行うことで、クリック率や問い合わせ数の最大化が図れます。

① 【金額付き事例バナー(単発)】※最も効果的
→ 「築30年マンションを1,280万円でフルリノベ」など、費用・築年数・物件種別が一目でわかる訴求が強いバナー。
実際の配信では、クリック率・問い合わせ率ともに最も高く、成果につながりやすい形式です。
ユーザーが「自分にも同じくらいの金額でできるかも」と想像しやすく、アクションにつながります。

② 【Before → Afterバナー】
→ 空間がどう変わったかをダイレクトに見せる形式。特に変化が大きいフルリノベ案件などで高いインパクトを持ちます。

③ 【サービス訴求型バナー】
→ 「横浜で戸建てリノベーションなら○○へ」など、エリア訴求+自社サービスの強みを簡潔に伝える形式。指名検索や認知に有効です。
このように、数字(価格)と条件(築年数・物件種別)の明示は、反応率を大きく引き上げる重要な要素となっています。

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Facebook広告の運用改善マニュアル(基礎編)

7.新規顧客獲得に使えるオフライン手法

オンライン施策が主流となった今でも、リノベーション業界ではオフラインでの新規顧客獲得手法も根強い効果を発揮します。

特に地域密着型の事業者にとって、チラシ配布や電話フォロー、相談会開催、知人紹介、フリーペーパー掲載といった施策は、信頼感と接触頻度を高める重要な接点です。
ここではアナログ施策の具体的な活用方法と、成果を上げるポイントをご紹介します。

7.1 チラシ

リノベーション業界において、チラシは依然として有効な集客手段のひとつです。特に地方エリアでは、いまだにポスティングによるチラシ配布が主流であり、新聞折込よりもエリアや属性を絞った配布が可能な点が強みです。

また、Web広告やSNSに触れない層――たとえば年齢層が高めの持ち家世帯や、ご夫婦世帯などにとっては、チラシが唯一の情報接点となるケースも珍しくありません。

重要なのは、QRコードを掲載し、WebページやLINEなどに遷移させて効果を可視化できる設計にすること。紙媒体だからこそ、“次の行動へ誘導する導線設計”が成果に直結します。
なお、都心部では配布効率が下がるため、タワーマンション限定でポスティングを行う、もしくはエリアを絞って展開するなど、ピンポイントな戦略が求められます。エリアの特性に応じた運用が、紙施策でも重要です。

7.2 電話

リノベーション業界において電話は、新規問い合わせ・資料請求・既存顧客フォローなど、関係構築のための有効なコミュニケーション手段です。特に、資料請求を受けた直後のタイミングでの電話連絡は、信頼感の醸成や不明点の解消につながる重要なタッチポイントとなります。

ただし、「電話しないと資料を送らない」といった強引なスタンスは、かえって印象を損ねることもあるため避けたほうがよいでしょう。あくまで相手のペースに配慮しながら、興味関心を丁寧に拾い上げる姿勢が大切です。

また、リノベーション業界ではいわゆる“アウトバウンド営業”としての電話アプローチ(飛び込みコール)は一般的ではありません。電話はあくまで反応があったユーザーとの関係を深めるための補完的な手段として位置づけるのが効果的です。

7.3 展示会

注文住宅業界では「住宅展示場」が集客チャネルとして広く浸透していますが、リノベーション業界においては“合同展示場”のような常設型の集客施設は存在していません。また、展示会や見本市の多くも住宅会社向けの業界展示会(EXPO形式)が中心であり、一般消費者向けにリノベーション業者が多数出展するような“合同イベント”は非常に稀です。

そのため、「展示会」というチャネルに過度な期待を持つのは現実的ではありません。

一方で、自社の施工事例や提案力を見せる場としては、ショールームの開設・運用が唯一かつ有効な手段です。実際に素材や間取りを体感できる空間があることで、来場者の検討フェーズを一段階押し上げる効果があります。

リノベーション業者にとっては、「展示会=不特定多数への一括訴求」というよりも、“見せる場の自社内設計”が求められるフェーズにあるといえるでしょう。

7.4 相談会

「リノベーション相談会」とは、SUUMOやリノベりすなどが提供する一見カジュアルなイベント形式の商談機会です。

実際には“相談”という柔らかい表現で入口を設けつつ、その場で具体的なリノベーションニーズをヒアリングし、商談へとつなげる場となっています。

たとえば、リノベりすの相談会ページのように、専門家との無料相談ができるという入口を設計し、ユーザーの心理的ハードルを下げる工夫がされています。

自社でこのような相談会を定期的に開催する場合は、以下のような流入チャネルを設けることが重要です。

・自社ホームページ・Instagram・LINEなどの自社媒体による集客
・SUUMO、LIFULL、リノベりすなどの有料メディアへの掲載

相談会という形式をとることで、「いきなり営業は避けたい」という層にも自然にアプローチでき、“売り込み感のない集客”が可能になります。

参加者が少人数でも、濃い見込み客が多く含まれるため、コンバージョン率が高い施策として注目すべきチャネルです。

7.5 紹介

リノベーション業界における「知人紹介(リファラル)」は、既存顧客からの信頼をベースに広がる、最も質の高い集客手段の一つです。

紹介元となる既存顧客のご友人・知人は、似たようなライフスタイルや所得層、家族構成であることが多く、自社との相性が良い見込み客である可能性が高いのが特徴です。

このため、リファラルを促進する鍵は、既存顧客への丁寧なアフターフォローにあります。

たとえば、施工完了後のお客様の誕生日や1年点検のタイミングでギフトをお送りし、その中に“友人紹介特典付きの小冊子”を同梱することで、自然な流れで紹介を促すことが可能です。

紹介キャンペーンをただ案内するのではなく、「ありがとう」の気持ちを込めた贈り物に添えることで、お客様にとって紹介が“自発的にしたくなる行動”に変わります。

7.6 フリーペーパー

もし自社が特定のエリアに深く根ざした事業展開をしているのであれば、地域密着型のメディアであるフリーペーパーの活用も選択肢のひとつとして検討すべきです。

特に、寒冷地(例:北海道)やリゾート地(例:那須高原・軽井沢)など、エリア特有の気候や施工条件が存在する地域では、その土地ならではの施工ノウハウや実績をアピールすることで、信頼感や専門性を強く訴求できます。

例えば、「冬でも結露しにくい断熱仕様」や「別荘地での水道・電気工事の注意点」など、“地域特有の課題を理解している会社”という印象を持ってもらうことが可能です。

全国型メディアでは伝わりにくいこうしたニッチな情報も、地域に根差したフリーペーパーであれば、ターゲットに届きやすく、共感を得やすいというメリットがあります。

8.ナーチャリングに使える手法

チラシ配布や相談会などのオフライン施策により新規顧客と出会えたとしても、その場で契約に直結するケースは多くありません。
実際には、リノベーションという高額かつ長期的な検討を要する商材であるがゆえに、顧客は情報収集や比較検討を重ねながら、数週間から数か月かけて意思決定に至るのが一般的です。

だからこそ、一度接点を持った顧客を継続的にフォローし、検討を後押しする「ナーチャリング(見込み顧客の育成)」の仕組みが不可欠です。ここでは、ナーチャリングを効果的に進めるための実践ポイントについて解説します。

8.1 MA・CRMツール

リノベーション業界におけるナーチャリング(見込み顧客の育成)では、MA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理)ツールを活用した「個別最適な情報配信」が有効です。

LINEやメルマガで顧客にメッセージを送る際は、以下の4つの属性でリストを分類するのが基本方針です

・エリア(例:渋谷区/横浜市 など)
・価格帯(例:1000万円前後/2000万円以上)
・好みのテイスト(例:ホテルライク/北欧ヴィンテージなど)
・物件タイプ(例:戸建て or マンション)

ただし、リストを細かく分けるほど、それにマッチした事例コンテンツが必要になります。

つまり、リストを分けるだけでは意味がなく、「その条件に合った事例をきちんと持っているか」がナーチャリング成功の鍵です。

このため、事例は自社のHP・Instagram・YouTubeなど複数チャネルで蓄積・整理しておくことが、MAの効果を最大化させるポイントです。

一方で、リソースの限られた小規模事業者の場合は、無理に自動化に頼らず、1to1型の手動メルマガやLINE配信で十分対応可能です。

高価格帯の顧客ほど、一人ひとりに対する丁寧なフォローが求められるため、「この人のことを覚えていてくれた」と感じさせる配信が最も響きます。

不動産業界特化のCRM
リノベーション会社が不動産仲介や中古住宅の紹介も行う場合、不動産業界に特化したCRM(顧客管理)ツールの導入が有効です。物件管理や問い合わせ対応、顧客情報の一元管理がしやすくなり、営業活動の効率が大きく向上します。
以下は、不動産業界でよく利用されている代表的なCRMツールです。

Canary Cloud(カナリークラウド)
特徴:ポータル連携、LINE対応、追客機能が充実しており、賃貸・売買の営業支援に強みがあります。スマートフォンでも使いやすく、現場対応にも適しています。

ielove-cloud(イエラブクラウド)
特徴:問い合わせ管理、物件提案、自動追客、LINE連携など、業界に特化した機能をオールインワンで提供。特に「追客の自動化」や「反響対応のスピード改善」を重視する事業者におすすめです。

不動産業界特化ではないが、MAツールとの組合せで効果を最大化させるツール
不動産業界専用ではないものの、マーケティングオートメーション(MA)との連携によって高い成果を上げられるCRMツールとして注目されているのが、「HubSpot(ハブスポット)」です。

HubSpot(ハブスポット)
特徴:HubSpotは元々BtoBマーケティング向けに設計されたCRMですが、現在は不動産業界向けの活用事例も多く、フォームからの問い合わせ、LINE連携、ステップメール配信、営業のステータス管理までをワンストップで実現可能。

特に重要なのが、問い合わせから3時間以内の初回接触です。これは、HubSpotなどのMA×CRM連携によって「問い合わせが来たら即アラート → 営業担当が即対応」という流れを自動化し、反応率を最大化できるという意味でも非常に重要な指標です。

スピード感と情報の一元管理、そして自動化のバランスを重視したい企業にとって、HubSpotは強力な選択肢となります。小規模事業者向けの無料プランもあるため、まずは一部の問い合わせ対応から運用を始めることも可能です。

8.2 LINE

リノベーション業界においては、LINEを情報発信ツールというより、“顧客との個別連絡手段”として活用するのが最も効果的です。

リフォームやリノベーションは、住宅の広さ、築年数、好みのテイスト、家族構成など、一人ひとりの条件や希望が大きく異なるため、一斉配信型のメッセージは刺さりにくい傾向にあります。

そのため、LINE公式アカウントを運用する際も、汎用的なキャンペーンや事例紹介を無理に全体配信するよりも、個別対応に絞った方が成果が出やすくなります。

たとえば、資料請求やモデルルーム見学後のフォロー、日程調整、ちょっとした質問対応など、“メールよりも速くて親しみやすい連絡手段”としてのLINE活用が最適です。

8.3 メルマガ

メルマガは、リノベーション業界においても有効な情報提供ツールですが、LINEと同様に“一斉配信型”ではなく、“顧客の関心に応じた個別対応型”で運用することが成果につながります

リノベーションは顧客ごとに条件やニーズが大きく異なるため、「全員に同じ情報を送る」のではなく、問い合わせ履歴・希望エリア・施工予算・デザインテイストなどに基づいて、最適な事例やコラムを届けるスタイルが効果的です。
たとえば、「都内で戸建てリノベを検討している方」には、同様の施工事例+費用感の紹介を。「中古マンション×北欧スタイル」のキーワードで資料請求した方には、近い実例を紹介するといった形で、パーソナライズされた内容を届けることで信頼感が高まります。

9.規模別マーケティング手法

リノベーション業界では、会社の規模(特に社員数やリソース量)によって、取るべきマーケティング手法が大きく変わってきます。むやみに最新のツールを導入するより、自社のフェーズに合った施策を選ぶことが成果への近道です。

社員規模主なフェーズ推奨マーケティング手法
~5名立ち上げ・実績整理・事例を掲載する自社サイトの整備・紹介・既存顧客対応に集中・広告やSNS運用は不要
5~50名集客強化・ブランド構築・Instagram/Facebook運用(Meta広告含む)・事例のSNS展開・Web広告の部分活用
50名以上顧客育成・効率化・拡張フェーズ・YouTubeによるルームツアー・施工解説・MAツールによるナーチャリング・CRMの高度運用

10.まとめ

リノベーション業界において、「マーケティング」は単なる集客手段ではなく、“自社の価値を正しく伝え、理想の顧客から選ばれる仕組み”を作るための力です。

Web・SNS・オフラインを組み合わせた戦略的な取り組みができれば、問い合わせ数の増加だけでなく、単価や契約率の改善、ひいては収益向上に直結します。

特に、下記のようなお悩みをお持ちの方には、今こそマーケティングの強化が求められます。

・「SUUMO頼みから脱却したいけど、やめる勇気がない」
・「自社で集客できるようになりたい」

実際に当社が支援したリノベーション企業では、3年間の伴走支援でSUUMOへの依存率を半分以下に削減することに成功しています。

受け身の集客から、自ら発信し、選ばれる立場へ。

マーケティングを通じて、“持続的に成長できるリノベーション会社”を一緒に目指していきましょう。

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