BLOG
ブログ
みなさんはGoogle広告のP-MAXキャンペーンを活用していますか?
弊社では徐々に導入しており、業界・業種に関係なく非常に良い成果を出しています。
<こんな方におすすめ>
・とりあえず知っておきたい方
・P-MAXに取り組みたい方
・P-MAXの成果を改善したい方
気になるパートだけご覧いただけますと幸いです。
目次
1.P-MAXとは?
P-MAXは「Performance Max(パフォーマンスを最大化)」の略称で、
Google広告が2021年11月から提供を始めた、新しいタイプの広告メニューです。
特徴は下記となります。
・1つのキャンペーンで検索広告やディスプレイ広告、YouTube広告など多様な面に配信できる
・機械学習の活用により運用工数を減らせる
・クリエイティブなどの準備物は画像や動画、見出し、説明文など
・ターゲティングは、ディスプレイ広告と同様に様々な条件を組み合わせることができる
・配信結果の詳細な分析はできない
1.1 P-MAXのメリット
■幅広いユーザーにアプローチできる
P-MAXキャンペーンは幅広い配信面とGoogle AIを活用した配信により、これまでリーチできなかったユーザーにアプローチすることができる可能性が高まります。
ユーザーの意図と設定に関する Google のリアルタイムの情報と、オーディエンス シグナルを使用して入力された情報を組み合わせる P-MAX では、予想外の新規顧客セグメントが見つかることがあります。
https://support.google.com/google-ads/answer/10724817?hl=ja
■広告管理の工数を削減できる
これまでの広告配信手法はキャンペーンタイプに応じてキーワードや広告文、クリエイティブを設定しなければなりませんでした。
P-MAXキャンペーンでは1つのアセットで全てのGoogle広告配信面に配信できるようになります。
■成果につながりやすい
P-MAX を使用すると、指定したコンバージョン目標に基づいてパフォーマンスの向上を促すことができ、スマート自動入札を使用してチャネル全体のパフォーマンスをリアルタイムで最適化し、コンバージョン数とコンバージョン値を引き上げることができます。
https://support.google.com/google-ads/answer/10724817?hl=ja
私もP-MAXを活用している中で、最低でもCPA30%カットと非常に良い成績を残しています。
Google公式ブログでも、P-MAXキャンペーンを導入した広告主は同じ単価を維持したまま平均で18%以上※のコンバージョン増を達成したと述べています。
https://blog.google/products/ads-commerce/performance-max-new-features/
1.2 P-MAXのデメリット
■詳細な設定・調整が難しい
Googleにすべてを任せるというメリットに反して、人力で管理できる部分が少ないことも大きな特徴です。
P-MAXキャンペーンでコントロールできるのは「予算」と「広告」のみとなり、配信面や特定の形式のクリエイティブのみ配信したいということはできません。
P-MAXキャンペーンの仕様について十分理解したうえで活用しないと、CPA(コンバージョン単価)の高騰を招くケースがあります。
よく「P-MAXは当たらない」という声を聞きますが、多くは上記の理由によるものでしょう。
■配信結果の説明が難しい
P-MAXキャンペーンは、全てGoogle AIの機械学習がコントロールするため、「なぜそのような配信結果になったのか」という要因が把握しにくい仕様となっています。
また、レポートで確認できる項目も限られており、クリエイティブごとの良し悪しも把握することはできません。※
※開発を入れた場合は、クリエイティブごとの成果を把握することができます。
■特定のリストへの配信ができない
P-MAXキャンペーンでは特定のリストを活用した広告配信ができません。例として「自社サイトを訪れたユーザー」などのリストは使用できません。
オーディエンスシグナルという項目でリストを指定することはできますが、このオーディエンスシグナルはターゲティングとして機能するものではありません。
「オーディエンスの候補として参考にする」という意味合いで「このリストにしか配信されない」という訳ではないので、注意が必要です。
■単発・短期間での成果が見込みづらい
P-MAXキャンペーンは単体での配信や短期間だけの活用には向きません。
単体での配信が推奨されないという部分については後述の「運用のポイント」で解説します。
機械学習で成果を出すには、一定の期間が必要になるため、短期間配信には向いておりません。
配信期間は少なくても4~6週間をデータを蓄積するための期間として考慮する必要があります。
https://support.google.com/google-ads/answer/13311048?hl=ja&sjid=9488081530232625763-AP
スポットで利用して、成果が悪いのでもう利用しないということはできるだけ避けてください。
2.P-MAXの配信面
P-MAXで配信される面はこちらです。
引用: https://blog.google/products/ads-commerce/performance-max/
- ・検索
- ・ショッピング
- ・ディスプレイ
- ・YouTube
- ・Discover
- ・Gmail
- ・Googleマップ
※配信面はコントロールできません。
3.P-MAXの準備物
ここではP-MAXキャンペーンの配信に必要な準備物を解説します。
準備物一覧は下記です。
検索広告やディスプレイ広告、YouTube広告に配信されるため、見出しや説明文、画像や動画の用意が必要となります。
広告表示オプション(アセット)については別の記事でもお伝えしてますが、追加することで広告効果が上がりやすくなります。アセットは出来るだけ設定することをお勧めします。
- ・サイトリンク表示オプション
- ・プロモーション表示オプション
- ・価格表示オプション
- ・電話番号表示オプション(コンバージョン目標に電話を含めている場合は必須)
- ・構造化スニペット
- ・リードフォーム表示オプション
- ・コールアウト表示オプション
4.P-MAXの設定方法
既にGoogle広告を運用したことがある方向けの説明の粒度となっております。
①キャンペーン作成の「+」ボタンをクリックし、キャンペーンタイプでP-MAXを選択。
そしてキャンペーンの目標をセッティングします。
②キャンペーン設定で各項目を入力
③アセットグループで広告を作成する。
④予算を設定
予算を設定後、保存をクリックして完了です。
オーディエンスシグナルは、P-MAXキャンペーンのアセットグループまたは、オーディエンスリストから作成することができます。
5.P-MAXの運用のポイント
ここではP-MAXキャンペーンを運用する際のポイントを解説します。
5.1 既存の検索キャンペーンと併用する
引用: https://support.google.com/google-ads/answer/13311048?hl=ja
P-MAXキャンペーンの単体利用は推奨されておらず、既存の検索キャンペーンとの併用が推奨されています。
Google 広告でよりよい結果が得られるよう、AI ベースの検索キャンペーンと P-MAX を併用することをおすすめします。この方法は広告効果の促進に相乗効果があり、Google 全体でコンバージョン数を最大化できます。
Google広告公式ヘルプでは、P-MAXキャンペーンを「既存の検索キャンペーンを補完するもの」と位置付け、
検索キャンペーンとP-MAXキャンペーンの相乗効果によってコンバージョン増加を期待できると記述されています。
5.2 正確な機械学習を促進する
設定するオーディエンスシグナルには、下記の2つを推奨します。
・カスタマーマッチリスト
・ファーストパーティーデータ
また、併用しているキャンペーンから得られた顧客の属性や趣味趣向・インサイトを利用することで、Googleの機械学習を強化させることができます。
5.3 出来る限りのアセットを用意する
画像やロゴ、動画など手間のかかるクリエイティブもありますが、決して中途半端な状態で配信を開始しないでください。
既存キャンペーンと組み合わせた相乗効果による成果の最大化を狙うのであれば、しっかり準備して配信を開始してください。
最近は、canvaなどで画像や動画を簡単に作成できるようになりました。
コストを抑えてテスト配信するという意味でも使わない手はありませんね。ぜひトライしてみてください。
5.4 除外設定をする
P-MAXキャンペーンにおいても除外設定はできます。
意外とできないと認識している方が多いみたいです。理由は検索キャンペーンで利用している除外リストやキャンペーン単位での除外は利用できないためです。
P-MAXキャンペーンの除外は、アカウント単位で行う必要があります。
アカウント設定から除外キーワードを追加して対策を行いましょう。
6.P-MAXの分析方法
P-MAXは「自動なので何もできない」「分析できない」という方が多いです。
確かに詳細な情報を取得することは難しい状況ですが、様々な面から分析を行い、対策を練ることはできます。
一部ですが、キーワードの分析について触れさせていただきます。
キャンペーン > 分析情報 > 分析情報ページの下部に「消費者スポットライト」という部分に「検索語句に関する分析情報」という箇所があります。
確認したいキーワード郡をクリックすると、より詳細な情報を確認することができます。
得られた情報の中でCVに寄与しているキーワードを発見することができれば、
リスティング広告のキャンペーンを作成し、P-MAXキャンペーンの自動運用ではなくリスティングキャンペーンで制御して運用していくということも可能です。
また、開発を行うことで、設定した広告見出しや画像などのそれぞれの結果も把握することができます。
7.P-MAXの成果・事例
7.1 1st Party Dataを活用し、配信効率を最適化
既存のキャンペーン構造が複数のターゲットに合わせて整理されていたため、P-MAXキャンペーンにおいてもアセット単位ではなくキャンペーン単位でターゲットに合わせて作成しました。
オーディエンスシグナルにリマーケティングで活用する「自社のウェブサイトに訪れたユーザー」「カスタマーマッチリスト」などを活用しています。
予算が限られている中で、P-MAXキャンペーン導入時期は既存のディスプレイ広告などと並行して少額で運用し、2ヶ月間の学習とオーディエンスシグナルの微調整を実施。
成果が見こめる状態となり、ディスプレイ系キャンペーンとの予算比率を逆転させ、リード数の増加を実現しました。
最終的にはP-MAX運用開始後、安定してCPA40%カットに成功した事例となります。
7.2 クリエイティブのPDCAにより成果を最大化
前述の通り、P-MAXキャンペーンは基本的にクリエイティブの成績を把握することができません。
ナウビレッジではGoogle広告アカウントとGoogleスプレッドシート、Looker Studioを活用してP-MAXキャンペーンで設定しているクリエイティブを含むアセットの成果を確認できるように実装しました。
結果、クリエイティブのPDCAを運用できるようになり、以前と比較してCPAを30%程度カットすることができました。