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人材紹介業において、求職者との面談率(面談設定率や面談実施率)は、成約率に直結する重要指標です。
しかし多くの人材紹介会社が、面談設定率や面談実施率の低迷に頭を悩ませています。
「せっかく登録があったのに日程調整ができない」
「日程調整はできても面談実施に至らない」
といったことはよく起こりがちで、貴重な登録者を取りこぼす原因になります。
本記事では、架電担当と面談担当(CA)が分かれている体制を想定し、面談設置率や面談実施率の理想値や、改善策までを一貫して解説します。
具体例と実践的なノウハウを交えてご紹介しますので、貴社の業務改善にぜひお役立てください。
▽こんな方にオススメ
・面談設置率の改善をしたい方
・面談実施率の改善をしたい方
・改善ツールの導入を検討している方
目次
1.2つの面談率の違い(面談設定率と面談実施率)
人材紹介ビジネスでは、「求職者と企業をどれだけ的確にマッチさせられるか」に加え、「求職者を確実に面談まで進められるかどうか」も、注視するべき指標となります。
特に、新規登録者(リード)から面談(商談)へ移行する過程は重要です。
この過程を可視化するために使われるのが、「面談設定率」と「面談実施率」という2つの指標です。
面談設定率
定義:求職者に対して面談日程を確定できた割合(日程調整完了)
計算式:面談設定件数 ÷ 有効登録者数 × 100
面談実施率
定義:実際に面談が行われた割合(面談完了)
計算式:面談実施済み件数 ÷ 面談設定件数 × 100
たとえば、100人の応募者のうち50人と日程調整できた場合、面談設定率は50%。
その50人のうち40人が実際に面談に来た場合、面談実施率は80%です。
これらの2つの指標の低下は、そのまま求人紹介の減少につながるため、成約数や売上の低下を引き起こします。
似ているようで全く異なるこれらの数値は、改善対象や打つべき施策も明確に分かれます。
2.面談設定率と面談実施率の理想値
前章でご紹介したとおり、面談設定率と面談実施率は、人材紹介の成果に直結する重要な指標です。
求職者と企業のマッチングを実現するための第一歩であり、ここでつまずくと、その先の推薦や内定にもつながりません。
では、実際にはどれくらいの数値を目指すべきなのでしょうか。
ナウビレッジでは、人材紹介会社での実務経験やクライアント支援の実績から、次のような基準を理想値として推奨しています。
なお、以下の数値は業界や職種によってばらつきがあるため、あくまで一般的な目安としてご参照ください。
面談設定率
50%以上
(アプローチした求職者のうち、2人に1人が日程確定)
面談実施率
70%以上
(設定した面談のうち、10件中7件以上が実施される)
これらの数値に届いていない場合、たとえば「面談設定率が50%を下回る」「面談実施率が70%を切っている」といったケースでは、初期対応やフォローの仕方に課題がある可能性が高いと考えられます。
3.面談実施率を上げるためにはまず面談設定率を上げるべき
面談設定率も面談実施率も、どちらも一気に向上させたいところですが、まず最初に優先して対応すべきは「面談設置率」の改善です。
日程が確定しなければ(面談が設置されなければ)面談は行えず、面談がなければ企業への推薦や内定にもつながらないからです。
つまり、「面談実施率」を高めたいならば、改善の優先順位としてはまず「面談設定率」を高めるのが先ということです。
面談設定率を改善し、まずは母数を増やすことを優先しましょう。
また、面談設定の段階では、求職者の温度感が高く、連絡に対する反応も得やすいタイミングです。この機会を逃さずスムーズに面談までつなげられれば、その後の離脱も防ぎやすくなります。
逆に、面談設定率が低い状態では、面談実施率をどれだけ改善しても全体の面談数は大きく増やせません。
4.面談設定率が低下する原因と対策
では、面談設定率が低下する原因にはどのようなものがあるのでしょうか。
ここではよくある主な原因と、それに対する具体的な対策について解説します。
4.1 メールや電話対応の初速が遅い
面談設定率を左右する最大のポイントは、「求職者が登録した後、どれだけ早くアプローチできるか」です。
求職者の意欲が最も高いのは、登録直後です。このタイミングで架電できれば、面談設定につながる確率が大きく上がります。
しかし、対応が数時間遅れたり、翌日になってしまうと、すでに他社からの連絡でスケジュールが埋まっていたり、他のことをし始めて気持ちが切り替わってしまったり、意欲が下がっていたりすることも多く、貴重なチャンスを逃す原因となります。
ナウビレッジでは、次のような対応を推奨しています。
対策例(一部紹介)
・登録後30秒〜5分以内の即時架電する
登録直後は、求職者が画面を見ている可能性が高く、通話の接続率も高まります。
・繋がらなければSMSでフォローする
電話が不在だった場合は「◯◯会社の◯◯です。先ほどお電話しました」とSMSでフォローを入れ、折り返しを促しましょう。
・追いかけ架電をする
日中に繋がらなかった場合は、再度架電しましょう。追いかけのベストタイミングは、12時~13時のお昼休憩中または18時以降の就業後です。
・SlackやChatworkなどで登録があったことを社内通知する設定を行う
・即架電が可能なツール(CTIなど)を導入する
・対応時間の担当者ローテーションやシフト制を導入する
4.2 メール文面が長く読みにくい
求職者の多くは、就業中の社会人(中途)や就活中の学生(新卒)です。
そのため、業務や学業の合間に活動をしたり、人材紹介会社とのやりとりをするなどが考えられます。
そのような求職者に対して送付しているメール文は、長文になっていませんか?
長文メールは途中で読むのをやめられてしまったり、煩わしさを感じられて日程調整まで進まない可能性が高まります。
メールでは、最低限伝えるべき情報に絞り、ひと目で内容が伝わる構成にしましょう。
対策例
求職者に送るメールは、以下の3点を明確に記載する
・面談の目的(例:キャリアのご希望を詳しく伺いたいため)
・所要時間と方法(例:30分、オンライン)
・候補日時(複数案)
文面と同様に、件名も簡潔かつ要点を押さえるようにしましょう。
そうすることで、返信率が大きく改善します。
4.3 利用している電話番号が非通知や携帯番号になっている
非通知や知らない携帯番号からの電話は、受け取る側にとって不信感を与えやすく、無視される可能性が高まります。
特に若年層の求職者では、知らない番号には一切出ないという傾向も見られています。
できるだけ、会社名が表示される固定番号から発信するようにしましょう。
また、電話の前にSMSやLINEで「〇〇会社の〇〇です。お電話させていただきます」と一言送っておくだけでも、応答率は大きく変わります。
対策例
・電話は固定番号から発信する(例:03/0120から始まる番号)
・電話の前にSMSなどで電話をすることを伝えておく
細かいかもしれませんが、こういった小さな配慮が、面談設定の成否を左右します。
4.4 メール+電話+LINEなど複数チャネルを活用する
求職者に電話が繋がらなかった場合、「反応がなかったから終了」としてしまっていませんか?私たちも普段人材紹介会社さまのサポートをする中で、次のアプローチを打っていないといったケースも多く見受けられます。
特に、20~30代の求職者は電話に出ない傾向が強くなってきており、電話一本での接触に頼ると危険です。
そのため、電話以外のチャネル(メール・SMS・LINE)を使って追いかけアプローチを行うようにしましょう。そうすることで、返信率が向上する可能性が高まります。
特にスマホ世代の求職者は、テキストベースのやり取りに慣れており、LINEやSMSの方が心理的ハードルが低くなることがあるため、LINEコミュニケーションを導入するなどもおすすめです。
対策例
・電話に1本化せず、ユーザー意向に合わせて利用チャネルを増やす(例:LINEやSMS)
・「電話→LINE→電話とメール」など状況に応じてチャネルを選択する
(例)
1回目の電話が不在だった場合:
すぐにSMSで「先ほどお電話しました。◯◯エージェントの△△です。ご都合の良い時間帯をお知らせください。」と送信。
その後30分〜1時間後にLINEで再送:
「お忙しい中失礼します。求人登録いただいた件でご連絡いたしました。ご都合がよろしければ、5分ほどお話できればと思います。」など、丁寧かつ要点を絞った文面で送付。
翌日、再架電と合わせて再度メールでもリマインド:
件名:「〇〇様/面談日程のご相談」
本文:「改めてのご連絡失礼します。ご希望条件をお伺いしたく、15分ほどお時間を頂戴できればと存じます。以下の候補日時の中でご都合のよいタイミングはございますでしょうか?」
このように、複数チャネルを段階的に使い分けることで、反応率が安定し、面談設定率の底上げにもつながります。
HubSpotと連携可能な外部サービス
・LINE連携:LITTLE HELP CONNECT
・SMS連携:アクリート
・コミュニケーションプラットフォーム:ソクコム
5.面談実施率を上げるための対策方法
面談日程を設定できても、当日に実施されなければ意味がありません。
「日程は決めたのに来なかった」「連絡がつかなくなった」という事態を防ぐためには、「実施率の向上」=「当日しっかり面談が行われる状態を作る工夫」が必要です。
ここでは、面談実施率を上げるための対策方法を4つに分けてご紹介します。
5.1 面談前日のリマインドをする
面談日程を設定しても、前日に確認連絡を入れていないことで「忘れていた」「うっかりスルーした」という無断キャンセルが発生するケースが多く見られます。
特にスマホ世代の求職者は通知が埋もれやすく、前日〜当日の接点不足がドタキャンの大きな原因になります。
そこで、前日にリマインド連絡を必ず入れる仕組みを設けましょう。
メールだけでなく、LINEやSMSなど複数にリマインドをすることで、開封率と確実性が高まります。
対策例
・前日午後〜夜にLINEやSMSで送信する
「〇〇様、明日〇時よりオンライン面談です。Zoomリンクはこちらです。お待ちしております!」
・Googleカレンダーで招待を送付する
求職者側にも通知が届くよう、日程調整時にそのままGoogleカレンダーで予定を登録し、リマインドを自動化。
・当日朝にも簡単な一言連絡する
「本日〇時より、予定通り面談実施させていただきます。よろしくお願いいたします!」など、事前準備の心理的後押しにもなります。
5.2 面談方法がわかりにくい・不安がある
ZoomやGoogle Meetなどのオンライン面談に不慣れな求職者にとって、「どう接続すればいいのか」「何を準備すればいいのか」が不明確だと、当日のトラブルや心理的負担によるキャンセルの原因となります。
そのため、「いつ」「どこで」「どうやって」面談を行うのかを、事前にシンプルに・わかりやすく伝えましょう。
対策例
・事前案内を送る
「当日はZoomを使用します。以下リンクより、5分前を目安にご参加ください。服装は自由で構いません。」
※テンプレートを作っておくと便利です
・通信テスト用のURLを送る
「初めてZoomをご利用される方は、こちらで事前に接続確認ができます」と通信テスト用のリンクをメールに入れておくと良いです。
・よくある質問(FAQ)を記載する
「顔出し必須ですか?」「スマホからでも参加できますか?」など、想定される不安へのQ&Aも添えておくと親切です。
5.3 面談の必要性が伝わっていない
「とりあえず面談しませんか?」という曖昧な誘い方では、求職者は時間を割く理由を見い出せません。特に中途層では、面談=営業トークと警戒されがちで、回避される傾向があります。
そのため、「面談の目的」と「求職者が得られるメリット」を明確に伝えることで、「参加する価値」を感じてもらうことができます。
対策例
・目的とメリットをセットで記載する
「今後の転職活動における優先条件を整理するお手伝いができればと考えております」
「現在の市場で、どんな選択肢があるかをご案内します」など、相手に“自分ごと”として伝える。
・所要時間も具体的に明記する
「15分程度で完結します」「30分ほどのお時間を頂ければ大丈夫です」など、拘束時間を明確にすることで心理的ハードルを下げる。
5.4 面談候補日が直近すぎる・遠すぎる
設定した面談日が早すぎる(明日や当日)と、心の準備ができずキャンセルされることがあります。一方で、遠すぎる(1週間以上先)と忘れられてしまったり、予定が変わるリスクが高まります。
面談日程は2〜5日以内を目安に調整してみましょう。
対策例
・候補日は「翌日・2日後・週明け(月曜など)」の3パターンで提示し、選択肢を持たせる。
・調整が難しい場合は、「仮日程として一旦押さえて、前日に最終確認」という形も柔軟に対応する。
6.求職者情報の一元管理で、面談実施率をさらに向上
ここまで、「面談設定率」と「面談実施率」を高めるための具体的な方法をご紹介してきましたが、それらを効率的かつ効果的に運用するための基盤となるのが「求職者情報の一元管理」です。
情報が分散している状態では、先述したことをどんなに取り組んでも効果を発揮しません。
とくに、メールやLINEやSMSなど複数のチャネルを併用する場合、各チャネルでのやりとりを1人の求職者に紐づけて管理するといったことも難しくなります。
すると、面談予定者へのリマインド送信を忘れてしまったり、重複して送ってしまったり、複数チャネルでコミュニケーションをとっている同一人物を別人として管理してしまうなども起こりかねません。
こうしたミスは求職者の不信感につながり、結果として「当日来ない」「返信がない」といった状況を引き起こします。
求職者情報を一元管理するためには、CRM(顧客管理)ツールの活用が有効です。
CRMを導入すれば、次のような面談業務の効率化と実施率向上が期待できます。
・リマインド状況を可視化し、対応漏れを防止
求職者ごとに「リマインド未送信/送信済」などのステータスを管理でき、対応の抜け漏れを防げます。
・面談直前の自動リマインドで無断キャンセルを防ぐ
面談前日や当日に、自動でメール・LINEによるリマインドを送信。キャンセル率の低下につながります。
・案内文のパーソナライズで返信率アップ
過去のやりとりや登録情報をもとに、求職者の状況に合った文面を出し分けることで、違和感のない自然なコミュニケーションが可能になります。
・担当者間の引き継ぎもスムーズに
メモや通話履歴、ステータス情報を共有できるため、急な担当変更があってもスムーズにフォローが可能です。
7.求職者情報の一元管理ができる「HubSpot」
面談設定率・実施率の両方を安定的に向上させるためには、求職者情報の一元管理が不可欠です。
誰が、いつ、どのチャネルで、どのようなやりとりをしたのかなどの情報をすべて把握し、抜け漏れなく対応できる体制が求められます。
そこで有効なのが、CRMとマーケティングオートメーション(MA)の機能をあわせ持つHubSpotの活用です。
HubSpotを導入することで、これまでご紹介してきた対策方法を仕組化し、再現性をもって行うことが可能になります。
特に以下の機能が面談設定率・実施率の向上をサポートしてくれます。
HubSpotの機能
HubSpot機能 | 概要 | 使い方 |
---|---|---|
通知 | フォーム送信や返信時に自動で通知し、初速対応を可能にする | ・フォーム送信時にSlackへ通知 ・返信時に担当へメール通知 |
求職者と複数チャネルの紐づけ | メール・電話・LINE・SMSのやりとりを1人の求職者に統合し履歴管理できる | ・LINE連携ツールと同期 ・SMS連携ツールと同期 ・架電メモやチャット履歴を一画面で把握 |
リマインドの自動化 | 面談前日に自動でリマインドを送り、ドタキャンを防止 | ・「面談予定日」の1日前にメールやLINEを自動送信 ・氏名・日時を自動挿入 |
HubSpotと連携可能な外部サービス
・LINE連携:LITTLE HELP CONNECT
・SMS連携:アクリート
・コミュニケーションプラットフォーム:ソクコム
8.HubSpotの導入相談はナウビレッジまで
いかがでしたか?
「面談設定率を改善したい」
「面談実施率を改善したい」
「何から始めればいいか分からない」
という方は、今回ご紹介した対策方法をまずは試してみてください。
今回ご紹介した対策方法は一部です。
「もっと具体的に知りたい」
「自社の業務フローに即した改善方法を知りたい」
「ツール導入に不安がある」
という方は、ぜひ一度ナウビレッジ株式会社へご相談ください。
ナウビレッジは、HubSpotを使った業務改善支援に多数の実績を持ち、人材業界特化のノウハウにも長けています。
貴社の課題を丁寧にヒアリングし、最適な導入・活用方法をご提案いたします。
面談率の改善にお困りですか?
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面談予約率が低い
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求職者が面談に来ない
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求職者管理方法が煩雑
ナウビレッジは120社以上の人材紹介事業のマーケティング支援実績を有するプロフェッショナル集団です。
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