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HubSpot Operations Hubは、データを部門別で管理することによる効率性の低下や生産性の低下を解消し成長を促すための製品です。
アプリ連携や顧客データ整理、ビジネスプロセスの自動化などの機能を有しており、データの連携や整合性をサポートする機能を有します。
これによりマーケティング、セールス、カスタマーサクセスなどの異なる部門とリアルタイムに正しい情報を共有することができるため、企業全体の生産性の向上とスムーズな顧客体験の提供を実現します。
この記事では、Operations Hubの主要機能や導入効果について詳しく解説します。
▼こんな方におすすめ
・複数のツールやシステムのデータを一元化したい企業
・部門間のデータ連携を強化し、マーケティングや営業活動を最適化したい企業
・日々の定型業務を自動化して、戦略的な業務に集中したい企業
関連記事:HubSpot(ハブスポット)とは?特徴や機能、料金、注意点を解説
目次
1.HubSpotとは
出典:HubSpot
HubSpotは、
・マーケティング
・営業
・カスタマーサポート
を軸としたクラウド型のCRMプラットフォームです。
アメリカに本社を構えるHubSpot社(2006年設立)が提供しており、135か国以上、216,000社以上の顧客に利用されています。(2024年7月時点)
無料で利用を開始できるため、CRMの導入・移管を検討している方はお試しください。
関連記事:【2024年最新版】HubSpot無料版でできること、有料版との違い
2.Operations Hubとは
Operations HubはHubSpotが提供する製品の一つで、データやアプリの連携、業務プロセスの自動化に特化したツールです。
企業内のデータを統合し同期させることで、企業全体で一貫性のある情報をもとに業務を進めることを可能にします。
また、業務の自動化機能により、繰り返し発生するタスクを自動化し、従業員がより重要な業務に集中できる環境を生み出します。
組織全体でデータの整合性を保っていくことができるようになるため、迅速な意思決定に繋がり、摩擦のないスムーズな顧客体験を提供することができるようになります。
3.Operations Hubの主な機能
以下では、Operations Hubの4つの主要機能について解説していきます。
3.1 顧客データの同期と整理
Operations Hubのデータ同期機能は、異なるシステム間でのリアルタイムなデータ連携を可能にし、顧客データを一元化するのに役立ちます。
また、データの整理機能を活用して、データの重複や不正確な情報を自動的に修正し、効率的なデータ管理を実現します。
主な機能:
・リアルタイムなデータ同期
異なる複数のアプリケーション間でのデータの同期・自動更新を行い、常にデータを最新かつ正確な情報として管理します。
・重複データのマージ・除去
人工知能を使用して、コンタクトや会社のデータの重複を自動的に検出し、マージします。データの整理をすることで、データの正確性と信頼性を高めます。
3.2 業務プロセスの自動化
反復的な業務やタスクを自動化するための機能が充実しています。
日常的に繰り返される業務による従業員の負担を軽減し、業務効率を向上させます。
例えば、営業が顧客データを手動で入力している場合、自動化機能を活用することでその必要がなくなり、営業時のデータがCRMに自動的に反映されるようにすることができます。
主な機能:
・ワークフローの自動化
条件に基づいた業務プロセスの自動実行が可能で、フォローアップやデータ入力の手間を大幅に削減します。
・マルチステップ自動化
複数のステップに渡るプロセスを自動化することで、複雑な業務の流れもスムーズに処理できます。
・プログラマブルオートメーション
ワークフローにJavaScriptとPythonやボットアクションを実装することができ、内部プロセスを自社や顧客にとって最適化することができるため、顧客体験の改善が見込めます。
3.3 データ品質管理の自動化
Operations Hubのデータ品質管理機能は、入力ミスや重複データを自動で検出・修正します。
たとえば、複数のシステムから統合されたデータが不正確な場合でも、自動でエラーを修正し標準データ化してくれるため、データの一貫性を保つことができます。
主な機能:
・データの標準化
名前や住所などのデータを自動的に一貫したフォーマットに変換し、統一されたデータ管理を行います。
・エラーデータの検出
不正確なデータを自動的に検出し、修正提案を行うことで、クリーンで信頼性の高いデータを維持します。
3.4 データセット
Operations Hubのデータセット機能を使うと、複数のデータソースを統合し、さらにHubSpotプラットフォーム全体で使用できるように、特定の条件に基づいてデータを抽出・変換・整理・管理することができます。
この機能により、マーケティング活動や営業活動において、より精度の高いデータ分析が可能になります。
主な機能:
・データのカスタマイズ統合
さまざまなデータを、目的に応じて整理・組み合わせることで、必要な情報を効果的に分析できるようにします。たとえば、特定のマーケティングキャンペーン用に、顧客の購買履歴とマーケティングデータを統合して分析し、ターゲットを絞り込んだ戦略を立てる、などの使い方が可能です。
・レポート作成サポート
データセット機能を使って整理したデータをもとに、具体的なビジネスインサイトをレポート形式で簡単に作成できます。リアルタイムのデータに基づいているため、迅速で正確な意思決定をサポートしてくれます。
4.Operations Hubの導入で得られる効果
先にご紹介した機能が搭載されたOperations Hubを導入することで、
データの管理や業務プロセスが大幅に改善され、チームの生産性向上につながります。
ここでは、Operations Hubを導入することで得られる具体的な効果についてみていきましょう。
4.1 データの統合と整合性の向上
Operations Hubを使えば、複数のシステムやアプリケーションからのデータを一元化し、自動的に重複やエラーを修正することができるため、データの整理に時間を割く必要がなくなり、データの整合性が向上します。
例えば、マーケティングチームと営業チームが別々のシステムを使用していても、両者が同じ顧客データを使ってリード管理を行うことができ、顧客対応が一貫します。
その結果、顧客の問い合わせなどにも迅速に応えることができ、リードの質や転換率の向上が期待できます。
また、データが統合されることで、分析やレポート作成もスムーズになり、より的確な意思決定が可能になります。
4.2 自動化機能で業務効率化
自動化機能により、日々のルーティン業務やタスクを自動化することで、より重要かつ戦略的な業務に時間を割くことができ、業務の効率化につながります。
例えば、顧客の契約更新が近づいた際に自動でリマインドメールを送る設定ができるため、手作業の手間を削減し、業務進行がスムーズになります。
さらに、定期的な会議やタスクのスケジュール管理、フォローアップのメール送信なども自動化できるため、ルーティン業務に費やす時間を減らし、時間をかけるべき業務に集中できます。
このように自動化による時間削減と作業効率化は、チーム全体のパフォーマンス向上に大きく貢献します。
4.3 業務ニーズにこたえる高い拡張性
Operations Hubは、企業の成長に合わせて柔軟に拡張できるため、初期導入時にすべての機能を使いこなす必要はありません。
例えば、最初は無料プランから始め、基本的なデータ同期や自動化機能だけを利用し、業務が拡大するに従って上位プランにアップグレードすることができます。
そのため、企業の成長段階に応じて、業務自動化の範囲を広げていくことが可能です。
特に、チームやプロジェクトが増える際には、この拡張性が役立ち、スムーズなスケーラビリティを実現できます。
5.Operations Hub導入の際の注意点
Operations Hub導入時には、いくつかの注意点があります。特に、ツールやシステムとの正確な連携設定と、導入する機能の運用範囲を適切に把握することが、成功の鍵となります。
ここでは、Operations Hubを導入する際のいくつかの注意点についてみていきましょう。
5.1 正確な連携設定
Operations Hubは他のツールやシステムと連携させることで真価を発揮しますが、その際にデータの整合性を確保するためには正確な設定が不可欠です。
データが正しく同期されていないと、重複や欠損が発生する可能性があるため、事前にシステム間の連携を慎重に設定することが求められます。
例えば、SalesforceやGoogle Sheetsなど複数のプラットフォームとデータを同期する場合、設定ミスがあると、重複やデータ欠損が発生し、業務に混乱を招く恐れがあります。
このような問題を防ぐためには、まず導入前にどのシステムが必要かを明確にし、
それぞれのツール間でどのデータを同期するかを詳細に設計する必要があります。
さらに、初期設定時にはテストを行い、データが正しく反映されているかを確認することが重要です。
運用中も定期的にデータの同期状況をチェックし、問題が発生した場合は速やかに修正するプロセスを確立しておくと、リスクを最小限に抑えることができます。
5.2 運用範囲の把握
Operations Hubは多機能ですが、導入時にすべての機能を一度に使いこなすのは難しい場合があります。まずは、企業の業務プロセスや必要な機能を明確にし、最も重要な部分から導入を進めることが効果的です。運用範囲を明確にすることで、スムーズな導入が可能になります。
Operations Hubは非常に多機能なツールであるため、すべての機能を一度に活用しようとすると混乱を招く可能性があります。
特に、企業の業務プロセスに合致しない機能を導入すると、かえって効率が悪化することがあります。
そのため、まずは企業のビジネスプロセスやニーズを徹底的に調査・分析・整理し、どの業務を優先して自動化・効率化するべきかを決定することが大切です。
例えば、少ない予算で始めたいといった企業様の場合、最初にデータの同期機能や特定のタスクの自動化機能だけを導入し、その効果を見極めながら段階的に他の機能を追加する方法が効果的です。
また、各チームがどのような作業フローで仕事をしているかを把握し、導入する機能がどのように業務改善に役立つかを整理しておくことも重要です。
6.Operations Hub プラン別機能一覧
Operations Hubも他の製品同様、無料プランを含む4つのプランから構成され、それぞれのプランで利用できる機能が異なります。
以下の表に、それぞれのプランが提供する主な機能を一覧にまとめました。
▼Operations Hubのプラン別機能一覧
関連記事:【2024年最新版】HubSpot無料版でできること、有料版との違い
Operations Hubには、無料プラン、Starterプラン、Professionalプラン、Enterpriseプランと4つのプランがあります。
ここでは、各プランの特徴について詳しく見ていきましょう。
6.1 無料プラン
無料プランの主な特徴と、利用を推奨する企業は下記のとおりです。
◆主な特徴:
・データの同期
サードパーティーアプリとHubSpotの双方向でデータに変更があり次第、双方のデータが自動的に同期されます
・リストのセグメンテーション
無料版では動的リスト10件、静的リスト1,000件の作成が可能です
・チケット管理
顧客の問い合わせを「チケット」として記録します。チケット対応担当者への割り当てや優先順位の設定、その後の進捗の追跡までを1か所で管理できます
◆利用対象:
・アプリやシステム間でのデータの統合を図りたい企業
・Operations Hubの使用感を確かめたい企業
6.2 Starterプラン
Starterプランの主な特徴と、利用を推奨する企業は下記のとおりです。
◆主な特徴:
無料プランに搭載されている機能に加えて、
・必須フィールド
特定のアクションが実行されたときにチームが入力する必要があるフィールド(入力項目)を定義できます。組織内で一貫性のあるデータを作成・管理できます
・カスタムフィールドマッピング
データ同期の際に紐づける項目を、既定のもの以外に独自で作成することができます
・1対1のテクニカルサポート
不明点があった場合、HubSpotのカスタマーサポートチームへ直ちに問い合わせができるため、必要な回答を迅速に得ることができます。問い合わせは、チャット、Eメール、電話での問い合わせが可能です
・権限設定
署名、通知、CRMへのアクセスなどのユーザー権限を設定することができます
◆利用対象:
・データ統合を本格的に進めたい企業
6.3 Professionalプラン
Professionalプランの主な特徴と、利用を推奨する企業は下記のとおりです。
◆主な特徴:
無料プラン、Starterプランに搭載されている機能に加えて、
・データの健全性検知
データ同期した際のデータのエラーを監視し、エラーがあった際は通知します
・データの一括重複管理
コンタクトや会社の重複データを検出し、マージします
・コンタクトのスコアリング
ルールに基づいたスコアリング条件を作成できます。スコアを使用して、リストの絞り込みや自動化のトリガー設定などを行うことができます
・取引と会社のスコアリング
カスタム条件に基づいて取引と会社にスコアを付けます
・計算プロパティー
他のフィールドからのデータをまとめるフィールドを作成できます。コミッションなどを計算できます
・Webhookでの情報送受信
Webhookアクションを使用して、HubSpotと他の外部ツール間で情報を送信または取得します
・高度な自動化
多段階ワークフローを自動化することができます。たとえば、複雑なリードナーチャリングシナリオを構築すれば、最適なタイミングでフォローアップができるようになります
・カスタムレポートの作成
コンタクトデータベース内の全てのデータを活用したカスタムレポートを作成できます。ビジネス上の重要課題に対する答えを1か所で導き出すことができます
・プログラマブルオートメーション
特定のビジネスプロセスやニーズに対応できるように、JavaScriptまたはPythonベースのカスタム自動処理を作成することが可能です
◆利用対象:
・複数のアプリやシステムのデータを統合し整合性を図る必要のあるる企業
・組織全体でのデータ量が多く業務の複雑化が進んでいる企業
6.4 Enterpriseプラン
Enterpriseプランの主な特徴と、利用を推奨する企業は下記のとおりです。
◆主な特徴:
無料プラン、Starterプラン、Professionalプランに搭載されている機能に加えて、
・詳細な権限設定
カスタム ユーザー ロールを作成し、HubSpotアカウントの特定のツールやデータに対するきめ細かい権限を設定します
・センシティブデータ管理
行政ID、人口統計データ、限定的な財務データなどのセンシティブデータをHubSpotアカウント内で安全に保存します
・カスタムオブジェクト作成
契約、場所、配送状況、イベントなどを含めて、ほぼ全てのタイプのデータをHubSpotに保存できます
・シングルサインオン
SAMLベースのシングルサインオンを利用し、ユーザーが1つのIDとパスワードで複数のツールにアクセスできるようにすることで、ユーザーがより簡単にログインできると同時に、セキュリティーを強化し、アクセス権を持つユーザーを確実に管理できます
◆利用対象:
・大規模なグローバル企業や複雑なデータ管理を必要とする企業
・高度な自動化や拡張性の高いデータ統合が求められる企業
7.Operations Hubでチームの生産性UPを目指そう
いかがでしたか?
Operations Hubを導入することで、データの統合や自動化機能を活用し、業務効率の大幅な向上が期待できます。
各部門が一貫したデータをもとに業務を進めることで、顧客対応もスムーズになり、生産性が向上します。
さらに、成長に応じた拡張性があるため、ビジネスの成長に合わせて最適な環境を構築できます。
Operations Hubで、日々のルーチンタスクを自動化し、チームがより重要な業務に集中できる環境を整え、ぜひ生産性の向上を目指しましょう。