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HubSpotの「パイプライン機能」は、営業チームが案件や商談を効率的に管理するためのツールです。各案件の進行状況を見える化し、効率的に管理体制を促すことで、成約率向上につなげます。
パイプラインを正しく設定することで、営業フェーズのボトルネックや進捗の遅れを早期に発見できるため、適切なタイミングでアクションを取ることが可能です。
この記事では、HubSpotのパイプライン機能の特徴や具体的な設定方法を解説します。
さらに、取引パイプラインの設計・カスタマイズ方法、パイプラインの活用ポイントについても詳しく説明していきます。
▼こんな方におすすめ
・営業プロセスの可視化をしたい企業
・営業活動を徹底して管理し、成果を上げたい企業企業
・マーケティングと営業の連携を強化したい企業
目次
1.HubSpotのパイプライン機能とは
HubSpotのパイプライン機能は、Sales Hubに搭載されている機能のひとつです。商談・案件の進捗状況やタスク、営業履歴等を一元管理をすることができます。
パイプラインを活用することで、営業活動の進捗(ステ―ジ)を可視化し、各案件がいまどのステージにあるのかを一目で確認できるようになります。
また、営業チームの全員で商談・案件の進捗を把握し、戦略的に営業のアクションをすることが可能になります。
以下はHubSpotのパイプライン機能の主な特徴です。
◆HubSpotのパイプライン機能の主な特徴
・取引のステージを可視化できる:各取引がどのステージにあるかをカンバン形式で表示
・カスタマイズができる:ステージ名や進捗条件をビジネスに合わせて自由に設定可能
・営業チームの業績管理ができる:チームごとの業績をモニタリングすることができる。
・新規取引がカンタンに作成できる:HubSpot内の会社やコンタクトからも作成することで
自動で情報を連携
2.取引パイプラインの設定方法
ここでは実際の画面を用いて、パイプラインの設定方法を紹介します。
以下は新規でパイプラインを作成する手順です。
①右上の「設定」をクリックする
②左のサイドメニューより「オブジェクト」を選択する
③オブジェクトの中の「取引」を選択する
④「パイプライン」をクリックする
⑤「パイプラインを選択する」の右横のプルダウンをクリックし、「パイプラインを作成」をクリックする
⑥任意の「パイプライン名」を設定し、「パイプラインを作成」をクリックする
※ここでは【[デモ用]営業パイプライン】として設定しています
⑦つづいて「設定」をクリックし、ステージ名や取引確度を設定する
下記は、BtoB領域での営業活動におけるステージ名と取引確度の参考例です。
自社の定義がまだ定まっていない企業様は、参考にしてみてください。
ステージ名 | 取引確度(推奨) |
---|---|
アポイントメント済 | 15% |
初回商談 | 20% |
提案 | 40% |
口頭受注 | 80% |
成約 | 100%(成立) |
不成立 | 0%(不成立) |
3.パイプラインの追加機能
3.1 権限付与が可能
HubSpotのパイプラインには、権限を制限する機能があります。
特定のユーザーにはパイプラインや取引ステージの編集を制限し、データの一貫性を保つことで、重要な取引情報やステージが意図せず変更されるリスクを減らすことが可能です。
例えば、チーム別で表示するパイプラインを分けたり、営業活動において承認フローが必要になるステージがある場合、管理者のみに承認権限を付与することができます。
3.2 取引カードの作成・移動の制御が可能
パイプラインに設定したステージの順序通りに取引カードを作成し、移動させるために、
取引カードを作成するステージを限定したり、取引カードの進行を制御(後退をNG、ステージをスキップさせない設定)することができます。
パイプラインを正しく活用し、予実管理を徹底するために必要に応じて設定してみてください。
3.3 承認プロセスの設定が可能
多くの企業の営業活動には承認プロセスが発生します。
特に契約書や請求書などを作成、送付する際には承認が必要になるケースが多くなります。HubSpotのパイプラインでは、取引が承認ステージに到達すると承認作業を行わないとステージを移動できないようにする設定があります。
3.4 パイプラインの自動化設定が可能
HubSpotのパイプラインには、営業プロセスを効率化するための自動化機能も備わっています。
この機能を活用することで、営業担当者が手動で行う作業を大幅に減らし、
戦略的なタスクに集中することができます。
例えば、リードが特定のステージに移動した際に、自動でフォローアップメールを送信したり、次のアクションに必要なタスクを自動作成することが可能です。
フォローアップが漏れるリスクを防ぎ、迅速で一貫した対応をすることが可能になります。
◆自動化機能の例
・フォローアップメールの自動送信:
取引が特定のステージに進んだとき、設定したテンプレートに基づいて自動で
フォローアップメールを送信する
・タスクの自動作成:
例えば、取引が「商談中」ステージに移行すると、
次のアクション(提案書の作成や打ち合わせの設定)を自動でタスクとして作成する
これらの機能を活用することで、チーム全体の生産性が向上し、成約率の最大化に繋がります。
4.取引パイプラインを設定する際の注意点
4.1 適切なステージの数や内容の設定
取引パイプラインを設定する際は、ステージ数と内容が過不足なく設定されていることが重要です。
過度に細かいステージは管理が煩雑になり、
逆に少なすぎるステージは営業プロセスの追跡が困難になります。
◆適切なステージ数の目安
一般的に5〜7つのステージ設定を推奨
例:「リード獲得」「商談中」「契約締結」など
4.2 適切なパイプラインの定期的な見直し
パイプラインの設計において、ステージの見直しはとても重要です。
ビジネスの成長や顧客行動の変化に伴って、営業プロセスも常に進化していくため、
一度定めたら永久的に変えないというスタンスではなく、
定期的にステージと設定しているパイプラインを見直して最適化していくことが大切です。
最初に設定したステージのなかでも、時間が経つにつれ新しいタッチポイントが生まれることがあるため、見直しを行わないと、パイプラインが実態と合わなくなる可能性があり、営業活動の状況判断を行う材料を見落とすリスクがあります。
パイプラインのステージ内容を定期的に見直すことで、より現実に即したプロセスを構築できるようになります。
以下は、ステージを見直す際のポイントです。
◆ステージ見直しのポイント
・営業プロセスの変化を反映できているか:
新しい販売戦略や顧客行動に基づき、パイプラインの各ステージを再設計する
・ボトルネックの特定と改善ができているか:
特定のステージで取引が停滞していないか分析し、必要に応じてステージを追加、削除、
または名称を変更する
・現場のフィードバックを反映できているか:
営業メンバーからの意見を取り入れ、実際の現場のニーズに合ったパイプラインを設計する
このような点に注意しながら定期的な見直しを行うことで、常に最適化されたパイプラインが維持され、営業活動の効率と成果を最大化することができます。
5.料金プランと作成できるパイプライン数
HubSpotのプランに応じて、作成できるパイプラインの数は異なります。
以下の表は、各プランで作成可能なパイプライン数です。自社のニーズに併せてどのプランを導入するか検討しましょう。
プラン | 詳細 |
---|---|
無料 | 1件 |
Starter | 2件 |
Professional | 15件 |
Enterprise | 100件 |
6.パイプラインの活用で効率的な営業活動をするために
いかがでしたか?
HubSpotのパイプライン機能は、営業活動を効率化し、上手に活用すれば成約率の向上にも役立てられるツールです。
案件や商談の進行状況を見える化し、ボトルネックの早期発見や、最適なタイミングでのアクションを取ることができるようにするなど、営業チームの成果を最大化するためにも、ぜひ活用してみてください。