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人材紹介事業を営んでいる皆様。
求職者ナーチャリングしてますか?
LINEを活用した求職者ナーチャリングは「返信率が20%から80%に向上した」という例があるぐらいインパクトを与える取り組みとなります。
ナーチャリングは求職者獲得競争が激しくなりつつある今、必須と言っても過言ではないほど重要な施策です。
この記事では、下記のような方に向けて人材紹介事業におけるナーチャリングを解説します。
・登録→面談の歩留まりが悪い
・面談キャンセルが多い
・LINEと求職者管理データベースが一致しない
動画でも解説していますので、ぜひご覧下さい。
目次
1.リードナーチャリングとは?
リードナーチャリング(見込み顧客の育成)は、マーケティング活動によって獲得したリード(見込み顧客)の関心や購買意欲を高めていくことです。
ビジネスの場では「ナーチャリング」と略して呼称されることが多いです。
たとえば、あるサービスに登録したら定期的にメルマガが届くようになったといった体験は誰もが経験したことがあるのではないでしょうか。
登録したサービスをもっと利用してほしい、他のサービスも購入してほしいといった狙いのもと、メルマガという手法を活用してナーチャリングを行っています。
この記事では、人材紹介における「獲得したリード=求職者」に対するナーチャリングについて、必要な理由やナーチャリングを行うことで得られる効果などを解説します。
2.人材紹介でナーチャリングが必要な理由
2.1 人材紹介事業を取り巻く環境
・ダイレクトリクルーティングの活発化
ダイレクトリクルーティングとは、企業が直接求職者へアプローチする採用手法のことで、代表的な採用手法にはスカウトがあります。
このダイレクトリクルーティングサービスの市場規模が年々拡大していることから、ダイレクトリクルーティングが活発化していることが伺えます。
引用元:矢野経済研究所 https://www.yano.co.jp/press-release/show/press_id/3323
ダイレクトリクルーティングが注目される背景には、少子高齢化にともなう労働人口減少によって有効求人倍率が高まっていることが要因として考えられます。
2024年4月に発表された2023年度平均の有効求人倍率は1.29倍となり、3年ぶりの低下となりましたが、依然1倍以上の売り手市場となっています。
上記から、企業が採用活動を進めるにあたり、採用コストを抑えて、自社に合った優秀な人材を獲得するためにダイレクトリクルーティングが注目を集めています。
・一人当たりのエージェント登録社数の増加&転職活動期間の長期化
一人当たりの転職エージェント利用社数は、全体で2.1社、転職成功者は4.2社となっています。
また、転職活動期間はおよそ半数の割合の方が3ヶ月~半年間となっています。
そのため、長期的なキープインタッチで成約につなげていく必要があります。
引用元:タイズ
・人材紹介会社の増加
下図は、人材紹介会社数の年次推移です。人材紹介事業を営む企業が2013年度以降、右肩上がりで増加し、2023年には28,000社を超える数となっています。
引用元:https://jinzai-tenshokuroot.jp/column/1615
以上3点から求職者の獲得競争は、人材紹介会社と採用企業との間でより一層激しくなっていることが見て取れます。
・スカウト媒体規制
そして追い打ちをかけるように、スカウト媒体で規制がかけられています。
2.2 人材紹介における課題
人材紹介事業では求職者を獲得するために広告費や人件費をかけて様々な手法を展開しています。
しかし、コストをかけて獲得した求職者への対応において下記のような状態・課題があり、サンクコストになってしまっている状況が散見されます。
・登録→面談の歩留まりが悪い
・つながらない求職者を放置している
・メールを見てくれない
・面談キャンセルが多い
・LINEと求職者管理データベースが一致しないので管理ができていない
・業務負担を軽減して効率化できていない
従来までは、上記のような課題を持っていても次々と求職者を獲得することができたため、あまり課題として顕在化していませんでした。
ただ現在は、前述したような激しい競争環境となっており、従来のような事業運営をしていてはいつまで生き残れるか分からない状況となっています。
2.3 人材紹介の重要指標
人材紹介のマーケティングにおける重要指標は「面談単価」「決定単価」「広告費率」の3つとなります。
求職者を獲得するリスティング広告やMeta広告などのチャネルの有用性を面談単価や決定単価で判断し、全体を広告費率でコントロールします。
後程、ご説明しますが、LINEを活用したナーチャリングでは面談単価を低減することができるため、最終的には広告費率を下げることにつなげることができます。
3.求職者獲得が困難な時代を乗り切る方法
3.1 獲得した求職者を取りこぼさない
先ほどお伝えした人材紹介事業を取り巻く環境を乗り越えるために、獲得した求職者を漏らすことなく重要指標につなげるためには、ナーチャリングを行う必要があります。
3.2 ナーチャリングにはLINEが必須
そして求職者ナーチャリングにはLINEが必須となります。
「メルマガはやってるよ」という方はいらっしゃるかと思いますが、LINEの利用率や開封率の観点からLINEによるナーチャリングを実施したほうが良いです。
LINEは9,500万人が利用し、1日に1回以上利用するユーザーは86%と高い利用率となっています。
(参照: https://campus.line.biz/line-official-account/courses/oa-user/lessons/oada-1-2-2)
また、一般的にメルマガは開封率 20~30%、クリック率 5~10%に対して、
LINEでは開封率 60%、クリック率 25%となっています。
LINEの方がユーザーにメッセージを届かせることができ、興味関心を持ってもらうことができます。
LINE | メルマガ | |
---|---|---|
開封率 | 60%~ | 20%~30% |
クリック率 | 25%~ | 5~10% |
メルマガを送信していたとしても、「誰が開封して、誰がどのリンクをクリックしたのか」というところまでは計測できていないケースが多いです。
これでは十分なナーチャリングができているとは言い難いです。
ではどのようにLINEを活用して求職者をナーチャリングすればよいでしょうか。
下記の章で解説します。
4.人材紹介に使えるLINEツールの機能と種類
まずはLINEナーチャリングを実装するためのツールについてご紹介します。
LINEを活用した求職者ナーチャリングにはLINE公式アカウントとサードパーティーツールを組み合わせる必要があります。
そのため、ランニングコストにはLINE公式アカウントの費用とLINEツールの費用を考慮する必要があります。
LINE公式アカウントの費用は下記です。
参照: https://www.lycbiz.com/jp/service/line-official-account/plan
ここからはLINEナーチャリングツールの種類や機能についてご紹介します。
4.1 種類と価格帯
人材紹介事業で良く利用されるLINEナーチャリングツールは下記の4つです。
・HubSpot
・Lステップ
・Mico Cloud
・KUZEN
価格帯は非公開のツールもあるため明示しませんが、月額数万円のサービスが大半となっています。
4.2 機能・できること
LINEナーチャリングツールには、上記のようにいくつか種類があります。
ただ、活用できる機能にほとんど差はあまりありません。
一般的に下記の機能が利用でき、これらで十分な求職者ナーチャリングを実施することができます。
・セグメント配信
・シナリオ(ステップ)配信
・1:1チャット
・アンケート配信
・リッチメニュー
・予約管理
・経路分析
基本的に機能の差はありませんが、HubSpot唯一の機能があります。
それは、LINEの情報とCRMの情報を一致させることができる機能です。
データベースが一致していないと「LINEの〇〇さんがどの登録者なのか分からない」といった事象が発生します。
例えば、LINEのアカウント名は”Taka”で、PORTERSに入っている登録情報が「髙山博樹」となっている。といったケースです。
誰が誰か分からなくなるため、普段のコミュニケーションや集計の際に探す工数がかかってしまいます。
この事象を解決できるツールがHubSpotとLINEの組み合わせです。
5.人材紹介にはLINE×HubSpotが有効
5.1 LINE×HubSpotの全体像
LINEとHubSpotを連携して求職者ナーチャリングを行う際のシステムの座組を下記の2つに分けて説明します。
①CRMがHubSpot
②CRMがHubSpot以外
①CRMがHubSpot
LINE公式アカウントをHubSpotと連携することで求職者ナーチャリングを実現できます。
LINEとHubSpotの連携には、HubSpotアプリケーションのLittle Help Connectを利用します。
このLittle Help Connectを利用することで、LINEの情報とHubSpotの情報を一致させることができるようになります。
②CRMがHubSpot以外
すでに利用されているCRM(顧客管理システム)がある場合は、HubSpotをコネクターのような役割で利用します。HubSpotと既存CRMをAPI連携することでデータの途切れを解消することができます。
実際に既存システムとHubSpot、LINEを連携している例もあります。
※HubSpotと既存システムの連携に関しては当社またはシステム会社へのご確認をお願いします。
PORTERSとHubSpotの連携についてはこちら
5.2 LINE×HubSpotの特徴
改めてLittle Help Connectを活用したLINEとHubSpotの連携において、できることや特徴をご紹介します。
▽機能
・LINE友だちをHubSpot内で管理
・セグメント配信
・ABテスト
・メッセージ配信の自動化
・リマインド配信
・チャットボット構築
・1:1チャット
・モバイル版アプリ
・流入経路の特定
・リッチメニューのだし分け
・SMS連携
5.3 その他
LINE連携以外にもHubSpotを活用して求職者獲得や求人開拓における業務効率化やデータの見える化を行うこともできます。
下記の記事をご覧ください。
記事)「人材紹介のCRMにHubSpotは使えるか。実装イメージをもとに徹底解説。」
記事)「【人材紹介会社のBtoBマーケティング】求人開拓手法12選」
6.LINEナーチャリングの活用イメージ
LINE×HubSpotで行う求職者ナーチャリングのイメージをご紹介します。
6.1 LINE登録へ誘導する方法
LINEを活用するので事前にLINE登録に誘導する必要があります。
LINE登録への誘導方法は主に3つあります。
①広告用LPのCVポイントがLINE登録にする
②広告用LPのサンクスページにLINE登録CTAを設置する
③メールでLINE登録を案内する
①は一見合理的に思えますが、推奨できません。
人生の重要な意思決定である転職・就職に関する登録がLINEとなると、さすがにライトすぎるといったことから、LINEに誘導しても面談への誘導率はとても低くなります。
第一段階ではしっかりフォームに情報を入力をしてもらうことで、転職サービスに登録したという意識を持ってもらいます。
ということで、推奨は②と③となり、両者とも実施することがベストです。
フォーム送信後、②サンクスページでLINE公式アカウントへの誘導を促します。サンクスページでもLINE登録してもらえない場合もありますので、③登録完了メールにもLINE公式アカウントへのCTAを設置します。
6.2 判断不可者の追いかけ
登録後、架電やメールをしても反応を得られないといった判断不可者に対してのアプローチをご紹介します。
先ほどご紹介したLINE登録への誘導方法②③を実施してもLINE登録してくれない求職者は一定数います。
定期的な追いかけメッセージを送れるようシナリオを組んでおきましょう。
また、追いかけ過多にならないように、
判断不可者のリッチメニューには、面談予約ではなく電話予約の項目を用意しておきましょう。
6.3 面談キャンセル防止
面談前に気を付けなければいけないことは、面談キャンセルです。
せっかくCSがつないでくれたパスをここで落としたくはないですよね。
面談キャンセルを防止するために、メールとLINEの両方で3日前と前日に面談の案内を送付するようシナリオを組んでおきましょう。
あらかじめシナリオを組んでおくことで、CSやCAさんによるリマインド案内の送付漏れといった人的ミスを防ぐこともできます。
6.4 診断コンテンツの配信
通常、診断コンテンツの制作には非常にコストがかかりますが、
LINE×HubSpotでは、柔軟なシナリオ作成機能を活用して容易に診断コンテンツを作ることができます。
診断コンテンツの活用によって登録者の興味関心を引き付けることができます。
6.5 情報コンテンツの配信
HPや求人サイトなどで転職ノウハウや応募先企業に関する情報を発信している企業も多いかと思います。
これらのコンテンツは蓄積することでSEOとしての効果を発揮しますが、反対にコンテンツ量が多くなり、見てほしいユーザーに見てもらえなくなる可能性が高くなります。
そこで、LINEを活用し、見てもらいたいユーザーに適切なコンテンツを届けます。
コンテンツ配信の際はセグメントが重要となります。
下記のような軸でセグメントを行い、ユーザーに併せて配信できるよう設計することが理想です。
・職種別
・年代、経験未経験別
・転職フェーズ別
など
このようにセグメントされたユーザーに適切に情報発信を行うことで、エンゲージメントも高まることでしょう。
6.6 面談日程調整
HubSpotの日程調整リンクをLINEで配信することで、面談の日程調整を自動で行うことができます。
特に、有効ステータスにもかかわらず面談の日程調整が組めなかった方や、2,3回目の面談の日程調整の際に利用できます。
面談日程調整の必要があるステータスの登録者のリッチメニューに面談の調整ブロックを作成しておくことを推奨します。
6.7 リッチメニューのだし分け
リッチメニューから自社HPや求人サイトへ誘導することができるだけでなく、
ユーザーのセグメント情報や面談フェーズにあわせてリッチメニューを出し分けることができます。
LINE登録のみで個人情報を獲得できていない方や通電していない方に向けては、「電話予約」のメニューを表示し、面談調整済みの登録者に対しては「日程確認」のメニューを表示します。
また、採用イベントなどを開催している期間は「採用イベントへ申込み」のメニューを表示することもできます。
フェーズやセグメントを定義して運用していくことが重要ですね。
6.8 問い合わせ対応
LINEを活用することで、メールより求職者からの問い合わせも得られやすく、回答もしやすくなります。
事業運営やCS/CAの対応にとって重要な問い合わせは、チケット化(蓄積)して情報を共有、サービスの改善に務めることができます。
6.9 1対1コミュニケーション
求職者とCAの1対1のコミュニケーションも行うことができます。
1対1コミュニケーションの際は、返信アカウント名を任意の名前に変更することができます。
登録者側には担当のアイコンと名前を表示されるため、登録者も安心してコミュニケーションをとることができます。
7.LINE×HubSpotの費用対効果
LINEとHubSpotを活用した求職者ナーチャリングの費用対効果について説明します。
まずは得られるメリットをご紹介します。
・求職者からの返信率が改善される
・シナリオ配信により業務を効率化できる
・セグメント配信によりパーソナライズされたコンテンツを届けることができる
・LINEの求職者情報とデータベースの登録情報が一致する
・全員がLINE公式アカウントを利用するため、コミュニケーションルールの策定や品質改善などを行うことができる
そして皆さんが気になるのは、重要指標である面談単価、決定単価にどのような影響があるのかという点かと思います。
下記はLINE×HubSpotによる求職者ナーチャリングを実施した際の費用対効果のイメージです。
面談キャンセルなどの理由で面談できなかった有効ステータスの登録者100人をLINEナーチャリングを活用して15人面談に引き上げられたとします。
LINEの月額コストを10万円とした場合に、LINEナーチャリングによる面談単価は7,000円を切ります。
人材紹介事業における面談単価は通常5万円~20万円といったレンジで動きますので、
LINEナーチャリングで引き上げられることができれば面談単価の低下につながることがわかります。
最終的にはHubSpotのLINEナーチャリングの実装により、広告費率(広告費÷売上)を低減することが可能となります。
8.LINE×HubSpotの事例
LINEとHubSpotを活用してナーチャリングを行っている企業様の例をご紹介します。
■ランスタッド株式会社
ランスタッド株式会社では、LINEとHubSpot、既存CRMを連携し、求職者からの返信率を20%→80%に向上させることができました。
詳細はこちらから確認いただけます。
https://www.hubspot.jp/case-studies/randstad
9.人材紹介のナーチャリングを徹底サポート
いかがでしたか。
求職者ナーチャリングの重要性と実装方法、費用対効果について説明させていただきました。
▽まとめ
・LINEによる求職者ナーチャリングは必須
・獲得した求職者をこぼさずに面談単価を下げることができる
・LINEの情報とCRMの情報を突合できるシステムが有用
→「LINE × HubSpot」
LINE×HubSpotは、獲得した求職者を逃さない仕組みづくりに欠かせません。
また、普段のコミュニケーションの効率化等のメリットもありますので、ぜひ検討テーブルにあげていただければと思います。
当社では、LINE×HubSpotの実装サポートを行っています。
実際にどのようなシナリオを組むべきなのか、送る文章のコツ等のナーチャリングにおけるすべてを徹底サポート致します。