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【人材紹介会社のBtoBマーケティング】求人開拓手法12選

  • 更新日 : 2024-04-17

  • 公開日 : 2024-01-10

こんにちは、ナウビレッジの取締役CMOを務めている髙山です。
今回は、人材紹介事業の求人獲得手法(BtoBマーケティング)について解説します。

当社は求職者集客に関するご相談をいただくことが多いですが、BtoBマーケティングについてもご相談いただく機会が増えたため、記事にてご回答できればと思います。

人材紹介の求職者マーケティングについての記事はこちら(人材紹介マーケティング大全)
求職者集客を成功させるデジタル手法をまとめた資料はこちら

求人獲得の営業、マーケティング手法は主にアウトバウンドとインバウンドがあり、
両軸で進めていく必要がありますが、組織のフェーズによって実施するべき手法や内容が変わってきます。

そのため下記では、人材紹介事業のフェーズ別に実施する必要がある手法について記載しています。

<こんな方におすすめ>
・立上げ初期で自社開拓求人が少ない
・求人データベース依存から脱却したい
・営業活動の効率化を測りたい

1.BtoBマーケティングの全体感

BtoBマーケティングの全体感

上記は、BtoBマーケティングの全体感を示した図です。

ビジネスのフロー(認知~比較検討~受注~といったステップ)に対して、マーケティングとして取り組んでいくべき順番は受注の近辺からとなっています。

どれだけ良い施策を打っても受注できなければ、施策の意味がないということを示しています。

以降はこの一般論を踏まえて、人材紹介会社のフェーズごとのおすすめの手法をご案内します。

2.【立上げ初期】独自求人を獲得する手法5選

社長が求人開拓営業を実施していたり、営業担当者が一人などの場合。

求人獲得手法は下記の5つです。
・会食
・テレアポ
・コンタクトフォームへのDM
・Webサイト(ToC向け)
・顧客の声の実装
それぞれ解説します。

2.1 会食

「最初が会食かよ」と思われるかもしれませんが、最も手堅い手法のため記載いたします。

会食には

A:4~6名の知人紹介の会食
B:経営者団体
の2パターンがあります。

A:4~6名の知人紹介の会食
2~3名の経営者でお互い繋げたい経営者を数名呼び合って開催される会食となります。

B:経営者団体
経営者団体は「総合団体」「業界団体」があります。

Ex)総合団体の例
・EO
・アスティーダサロン
・JC

Ex)業界団体の例
・飲食商業協会
・宮城県中小企業家同友会
・公益社団法人 新宿法人会

会食時のトークは

「弊社は〇〇に特化しています。月間登録人数は〇〇人です。YouTubeで再生回数〇〇回です。スカウトを月間10,000通配信しています。リクルートエージェントランキングで昨年〇〇を受賞しました。」

といった、【特化領域】と【集客力】を話すことが望ましいです。

「うちの人事繋げるから、一度メールしてよ~」

といったご返答を頂けます。

2.2 テレアポ

求人を獲得したい企業のアポイントを獲得するために、誰でも取り組みやすい手法です。
ただ、架電リストが手元にないとアプローチできません。
架電リストは購入するなどの方法もありますが、自社と親和性の高い企業の求人を獲得することが重要です。
おすすめのリスト取得方法は2つあり、優先して取り組んでいただきたい方法は、下記2つのうちAとなります。

A 対面した候補者が競合から推薦されている求人をリストアップ
B 求人広告を出している企業をリストアップ

Aの企業群は求人広告を出稿していないため、候補者から聞かないと発見しようがありません。
かつ、競合他社が推薦しているということは、「その方の希望に沿っている&受かる可能性がある」という意味を持っています。
Aのリスト収集にはキャリアアドバイザーの協力が不可欠ですが、必ず実施しましょう。

2.3 コンタクトフォームへのDM

テレアポのために用意したリストを活用して、テレアポでコンタクトが取れない企業に対してDM送信しましょう。
DMには「候補者の年齢・職歴」といった候補者の解像度が高い情報を記載する必要があります。
過去決定者の写真・動画含めた事例*を紹介できるとより良いでしょう。
※個人情報を守った範囲で掲載する必要があります。
『初回面談時に、貴社にあう具体的な候補者のマスキングレジュメをお見せします』
といった文言を入れることで、商談の時間が無駄にならないだろうという期待が持てるため反応率を高めることができます。

2.4 Webサイト(ToC向け)

求人の開拓率をあげるために、意外と重要なのがToC向けのWebサイトです。
無料ツールやノーコードで作成したものではなく、デザインされたUSPを表現したコーポレートサイトを制作する必要があります。
テレアポやDM、会食などで知った会社名を調べたときに、「よくある。特徴のない。」Webサイトだった場合、他の情報で埋もれてしまい頭には残らないでしょう。
また、広報やインバウンド施策などを行い、手法を織り交ぜていく際にHPは重要な役割を持つため、しっかりしたものを用意することを推奨します。

自社の領域を尖らせた訴求の好事例としてKOTORA様・LEGAL JOB BOARD様・MITSUKARU様を記載します。

BtoC向けサイトの好事例

Webサイト制作について相談する

2.5 顧客の声の実装

サービスを利用していただいている企業の導入事例を掲載しましょう。
まずは質より数という考え方が重要です。
なぜならユーザー目線で考えると、事例があるかないかで不安が払しょくされるためです。
ただ、できる限り大きな企業様やその業界で有名な企業様を中心に事例掲載を進めていきましょう。
転職エージェントサービスの差別化は難しいため、導入事例の中身でサービスの特徴をアピールする必要があります。

下記は実際に事例を掲載する際のイメージです。

事例の掲載イメージ

【サービス資料】人材紹介事業のマーケティング支援

3.【小規模】独自求人を獲得する手法4選

営業チームが存在し、RAが3人程度いらっしゃる会社様向けです。

求人開拓手法は下記の4つです。
・リファラル
・Webサイト(LP/サービスサイト)
・広報
・広告
それぞれ解説します。

3.1 リファラル

人材紹介は後払いの成果報酬であるため、派遣ビジネスや求人広告と比較すると、リファラルからの求人開拓は一定数発生します。

リファラルで紹介決定までつながった際に、ご紹介料金や、贈答品を紹介主にはお渡しすることで好印象を持ってもらいましょう。

【絶対に取引したい企業様】はバイネームでスマホに保存しておくことをお勧めします。

ピンポイントの求人であるほど、リファラルでしか繋がれないためです。

3.2 Webサイト(LP/サービスサイト)

ToB向けのLPを制作しても申し込みが多数見込まれるわけではありませんが、必ず制作しましょう。Google上で「サービス名を指名検索された」という行為は非常に価値があります。

・会食で貴社の名前を知った
・SNSで貴社代表者やサービス名を目にした

という瞬間的に貴社に興味が高まった瞬間に、見込み顧客は検索しています。
その際の信頼の受け皿となるLPおよびサービスサイトが安っぽいと、印象はグッと下がり、問合せしません。
サービスの特徴などの基本情報に加えて、月間登録者の数と、候補者の解像度が上がる写真/大学/経歴を記載してWebでも与信を高めましょう。

▽BtoBサービスサイトの例

BtoBサービスサイトの例

成果のでるLP制作のポイントをまとめた資料をダウンロードする

3.3 広報

広報とは様々なステークホルダーや社会と良好な関係を築く重要な活動です。
広報活動を進めていくことで、社会的認知を獲得しターゲット企業からの認知を得られるようになります。
広報ネタとしては下記のようなコンテンツがあります。

・表彰受賞(ex.ホワイト大賞受賞・Good Action)
・書籍出版(ex.リスナーズ様の共著出版_若手が活躍できる会社)
・ベストベンチャー100
・社長チップス
・企画物(ex.「直筆ノート」というWebサイトを構築。⇒先輩が就活で取り組んだアクションをA4に手書きで書いてもらい、サイトに掲載し注目を集める)

HPのお知らせ欄に掲載するだけでなく、プレスリリース媒体を活用して配信しましょう。
プレスリリース媒体には、PR TIMES@PRESSなどがあります。
毎月1本配信するなどを決めて取り組んでいきましょう。
1つ1つは即効性はないですが、「聞いたことがある」という方が着実に増えていきます。
また自社の採用目的にもシナジーがあることも副次的なメリットです。

3.4 広告

「飲食業界」「ものづくりエンジニア」など領域特化の場合、広告の活用もお勧めします。
求人企業からすると、「ターゲット転職希望者を沢山集めている会社とはなるべく取引をしておきたい」
と考えているため、問合せハードルは決して高くないです。

まずは、サイト訪問者をターゲットとするリマーケティングなどの手法で配信するところから開始することを推奨します。

新規リードをオンラインで獲得する方法を資料にまとめました。
ダウンロードはこちら

4.【中規模以上】独自求人を獲得する手法3選

求人開拓手法は下記の3つです。
・ホワイトペーパー
・記事コンテンツ
・セミナー
それぞれ解説します。

4.1 ホワイトペーパー

求人獲得マーケティングのターゲットは人事や採用担当者となります。
ダウンロード資料(ホワイトペーパー)には、サービス資料はもちろん、サービスを展開している領域の採用活動に関するノウハウを掲載しましょう。

採用活動に関するノウハウ/情報のイメージは下記です。

対象者内容
新卒新卒向け説明会運営マニュアルなど
中途反応率が高いダイレクトスカウトメール文面集
業界動向データ
採用ピッチ資料のひな形
など

毎月制作する必要はなく、「専門性をもっているんだな」と感じてもらえる最小限の数(9枚程度)で良いので準備し、半年に一度更新をしましょう。

4.2 記事コンテンツ

ホワイトペーパーと同様に採用担当者や人事部のお困りごとを解決するような記事コンテンツを作成しましょう。

例えば、中途採用全般の場合、下記のようなコンテンツを作成するイメージです。

・中途採用に注力する時期
・中途採用基準の作り方
・中途採用のノウハウ

上記のような記事コンテンツからホワイトペーパーに誘導したり、サービス認知を獲得するような設計にすることが重要です。

求人獲得のためのホワイトペーパー・記事コンテンツの制作を相談する

4.3 セミナー

基本的には効果を発揮しません。
ここでいう効果とは、セミナー参加から商談に直接つながることを指します。
理由は、各エージェントのサービスに差がないと採用担当者が考えていることが多いためです。
ただ、「サービスの認知が高い(業界No.1~3)」「リード獲得からナーチャリングを目的としている」場合は、有効な施策となります。

記事コンテンツと同様に、採用担当者の課題や悩みを解消するような内容でセミナーを行い、Webサイト上にアーカイブを残しましょう。
当日の参加者が少ない場合でも、Webサイト上にアーカイブを残すことで、採用担当者の方がいつでも閲覧することができます。
その際、必ず氏名、メールアドレス、電話番号を取得できる仕様にしましょう。

5.求人獲得営業を加速させるCRMの活用

ここからは、CRMを活用して求人獲得のためのマーケティングを最大化する方法について解説します。

<こんな方におすすめ>
・規模 :小~大
・ニーズ:効率的に求人獲得営業を行いたい
・課題 :「営業チームを新規で立ち上げる」「既存チームでCRMを上手く活用しきれていない」

5.1 CRMとは

CRM(Customer Relationship Management)とは顧客関係管理を行うツールのことを指し、既存顧客(企業や人物)を管理・分析・効率的なアプローチを行う機能を持ったツールです。
近年はツールの多機能化によって、マーケティング(MA)や営業(SFA)領域をカバーする機能を兼ね備えるCRMツールも出現し、言葉の定義が状況によって変わる場合があるので気を付けましょう。

人材紹介会社では、企業・求人・求職者を一元管理できるツールであることが理想となります。
場合によっては求人・求職者管理と求人獲得営業ツールが分かれることもあります。
さらに下記の項目を管理・把握し、運用できるツールが理想です。

人材紹介を行う上で計測すべき指標一覧が下記となります。

人材紹介を行う上で計測すべき指標一覧

今回は企業側への営業管理という目的で、オレンジ色の項目が計測指標となります。

・流入別(リファラル・広告・自社HP・テレアポ・営業代行)
・時期別

の【問合せ ⇒ 商談 ⇒ 紹介契約の締結 ⇒ 推薦 ⇒ 内定 ⇒ 内定承諾】を計測しましょう。
また人事評価という観点では、営業マン別の歩留りについても計測する必要があります。

上記指標を計測するために利用される人材業界の代表的なツールと比較表は下記となります。

ツール名ジャンル機能初期費用ランニング
費用
運用工数
HRBCCRM
キャリアプラスCRM
Sales ForceMA/SFA/CRM
HubSpotMA/SFA/CRM

人材紹介向けCRMといえば、やはりポーターズが2,000社の導入実績を誇り圧倒しております。
人材紹介に必要な機能は最初から組み込まれているメリットがあります。
HubSpotは、世界で200,000社以上が導入しているNo.1ツールでありながら、費用を抑えて実装できるメリットや、MA/SFAといった、求職者/求人管理ではなく、集客のための広告効果や、営業状況なども管理も一元で管理したい方に向いています。

→合わせて読みたい「人材紹介のCRMにHubSpotは使えるか

→検討したい「HubSpotとPORTERSのAPI連携サービス

5.2 CRMを導入するメリットと注意点

まずメリットですが、
・営業のタスク、進捗の管理がスムーズに
・インバウンドマーケティングでより良い顧客関係を築くことができる
・レポート機能で状況把握が迅速に正確に
などがあげられます。

インバウンドマーケティングでCRM導入により、問い合わせ数が昨対500%になったという事例もあります。
中規模以上の企業は実装を検討しましょう。

CRMツールを入れる際の注意点は主に下記の2点です。
①ツールを使う癖をつけ、徹底する
②人力で実施した時の工数と比較する

①:誰でも初めてのツールは使いづらいものです。根気よく使い、慣れましょう。
  それでもという場合は、ツール選定に誤りがある可能性があります。
②:CRMには多数の機能があります。「何かのアラートを出したり、ログを管理したり」といった作業を人力で実施する際にかかる時間と工数と比較し、正しく評価しましょう。

5.3 CRMで行う求人開拓営業の最大化

CRMを活用して顧客管理とインバウンドマーケティングを最大化することができます。
下図のような体制を構築することが理想です。

求人開拓のためのCRM設計

上記の図について詳細に説明します。

リード獲得~CRM入力
会食やテレアポ、DMなどで獲得したリードをCRMへ入力します。
すぐに商談化するリード(ホットリード)とそうでないリード(コールドリード)があります。

CRMで計測
すぐに商談化しないリードについては、捨ててしまうのではなくナーチャリング(ホットリードにするための育成)対象としましょう。
そして獲得したリードが自社のWebサイトやメルマガなどを閲覧したことをCRMで計測します。
どのようなコンテンツがユーザーに刺さったのかを把握することができるので、
コンテンツ制作のPDCAも運用することができます。
理想としては、ユーザーのWebサイト上でのアクションをスコアリングし把握することです。
スコアが積みあがったユーザーに対してアクションを行うことでより一層効率化することができます。

接触
Webサイト上にあるお役立ち記事やダウンロード資料、事例などのコンテンツに対して何かしらのアクション(閲覧、ダウンロード、フォーム送信)をしたユーザーに対して、架電やメールでアプローチする方法となります。
Web上でアクションをするということは、自社についてある程度興味のあるユーザーであることが考えられるため、サービスを導入する可能性の高いユーザーにアプローチすることができます。(コールドからホットリードへの転換)

人力ではWeb上のアクションを把握することはできないですし、把握できたとしても通知を出すために社員が監視するわけにもいきません。
CRMから営業担当者に自動で通知を出すように設定しましょう。
また、架電やメールのログが残るため、営業状況を効率的に把握することができます。
これまでメールの検索にかけていた時間を大幅に短縮できます。

商談~受注
CRMには営業マンの営業活動を助ける機能も豊富に備わっています。
営業の進捗(先ほど述べた計測指標)や議事録の共有、タスクの管理だけでなく、営業成績をビジュアル化するレポート機能もあります。
営業マンの間での情報共有がしやすく、タスク漏れなども減らすことができます。

共有/連携
受注した後、求人をCRMに入力し、スムーズにCAに連携することができます。
また、CRMと求人サイトを連携させている場合は、同時に求人サイトに公開できるようにしましょう。

【サービス資料】人材紹介事業のマーケティング支援

5.4 CRMの導入方法

人材紹介事業のマーケティング支援を行っているナウビレッジでは、CRM(SFA、MA)の導入サポートも実施しています。
HRBCやHubSpot、Kintoneなど様々なツールに対応しておりますので、どのCRMを導入すれば良いか分からない、導入・活用方法が分からない方はご相談くださいませ。