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リスティング広告では商標権侵害に注意!法律と広告ポリシーを解説。

2021-11-22


進藤 真世

リスティング広告では、「競合他社の社名」や「競合のサービス名」「競合の商品名」を使って、広告出稿されているケースがよく見られます。

しかし、他社が商標登録をしている単語を使って広告を出稿している場合には、商標権侵害に該当し、罰則を受ける可能性があります。

そこで今回は、以下のような2つの立場で、リスティング広告における商標権の注意点と広告ポリシーについて解説します。

  • ・他社商標を使ってリスティング広告の出稿を検討している方
  • ・自社商標が他社のリスティング広告に出稿されている方

1.商標権とは

そもそも商標権とは、どのような法律なのかをご紹介します。

商標権とは、

商品又はサービスについて使用する商標に対して与えられる独占排他権で、その効力は同一の商標・指定商品等だけでなく、類似する範囲にも及びます。商標として保護されるのは、文字、図形、記号の他、立体的形状や音等も含まれます。権利の存続期間は10年ですが、存続期間は申請により更新することができます。

引用:商標権とは

つまり、商品やサービスについた目印である「商標」を保護することを目的とする権利です。そして、特許庁に出願、登録を認められてはじめて主張することが可能です。

登録商標を使用する正当な権利や理由のない者が、業として、登録商標を登録されている指定商品や指定役務について使用する行為を指します。

引用:商標権侵害とは

「業として」つまり、事業での使用が商標権侵害の対象となっています。

もし、商標権侵害に該当してしまった場合には、商標法には下記のような罰則が規定されています。

(侵害の罪)
第七十八条 商標権又は専用使用権を侵害した者(第三十七条又は第六十七条の規定により商標権又は専用使用権を侵害する行為とみなされる行為を行つた者を除く。)は、十年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。

引用:商標法

このように、リスティング広告で商標登録されている商標を使って広告を出稿した場合にも、商標権侵害に該当してしまえば、罰則を受けてしまう可能性があるため注意が必要です。

2.リスティング広告で他社の商標を出稿したい場合

商標をキーワードで広告出稿している場合

まず一つ目は商標をキーワードで広告出稿している場合です。例えば、下記の例のような場合です。

A社が「Aドリンク」という商品名を商標登録しているとします。
B社が、同じような効果で売り出している「Bドリンク」のリスティング広告を出稿する際に「Aドリンク」というキーワードで出稿しました。
すると、消費者が「Aドリンク」というキーワードで検索すると、競合のB社の広告も表示されます。

これが、「商標をキーワードで広告出稿している場合」です。

結論から言うと、法的には問題ありません。
また、GoogleやYahoo!の広告ポリシー上でも制限の対象外であるため、問題なく出稿が可能です。

Google広告ポリシー

Google広告ポリシー

Yahoo!ガイドライン・規約

Yahoo!ガイドライン・規約

商標を広告文や説明文で使用している場合

二つ目は、商標を広告文や説明文に含んでいる場合です。
例えば、下記の例のような場合です。

競合であるB社が、出稿しているリスティング広告の広告本文で「Aドリンクに比べて安くて効果をだせる」といったように「Aドリンク」の単語を使用しました。

これが、「商標を広告文や説明文で使用している場合」です。

結論から言うと、商標を無断で使用していた場合は、商標権侵害に抵触する可能性が高いです。

GoogleやYahoo!を通して当該キーワードの使用制限の申し立てをされれば、「Aドリンク」という単語は広告文で使用することができません。

3.自社商標が、他社で広告出稿されている場合

この章では、自社で商標登録している単語が、他社で広告出稿されている方に向けて下記二つの場合をご説明します。

商標をキーワードで広告出稿されている場合

商標キーワードでリスティング広告出稿を行うこと自体に違法性がないことと、Google・Yahoo!の広告ポリシー違反にも当たらないため、企業間での解決が必要になります。

この場合は、広告出稿主に直接連絡を取り、該当しているキーワードで出稿してもらうのを止めてもらう交渉を行いましょう。

交渉する際の注意点としては、下記三点です。

  • ・リスティング広告の場合は、「意図せずして広告が表示されている」という可能性も高く、故意でない相手が読んでも不快感を与えないようなな配慮をする
  • ・相手の企業になるべく手間がかからないような依頼文を作成する
  • ・あくまで法的拘束力はなく、対応しなくてもよいことを善意で対応してもらう紳士協定である事を忘れない

今回は、実際に弊社が交渉の際に使用している依頼文をご紹介します。今後交渉を行おうと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

株式会社●●
リスティング広告 ご担当者 様

突然のご連絡失礼致します。
××株式会社の(名前)と申します。

貴社がGoogle及びYahoo! に出稿されているリスティング広告につきまして、一部キーワードでの除外設定をお願いしたくご連絡いたしました。

現在、「〇〇」と検索しますと、 貴社の広告が掲載されております。
サービスURL:http://www.〇×△.co.jp/

意図しない広告出稿かと存じますが、現在の状況が続きますとご利用者様に混乱を招いてしまう可能性がございます。 そのため大変恐れ入りますが、下記のキーワードを”フレーズ一致”にて除外設定して頂けないでしょうか。

<除外登録いただきたいキーワード>
〇〇
〇〇
〇〇
〇〇
(Google・Yahoo!ともにお願いいたします)

また、貴社のブランドキーワードについても、弊社側で除外設定をいたしますので、キーワードリストをお知らせいただきたく存じます。

突然のご連絡、失礼いたしました。
メールでのご依頼となり恐縮ではございますが、ご検討のほどよろしくお願いいたします。

商標を広告文や説明文で使用されている場合

他社の広告文に自社の商標ワードが使用されている場合はGoogle・Yahoo!に申し立てを行う事で、他社による広告文内での商標登録キーワードの使用を制限することができます。

下記のリンクから商標侵害を申し立てられるのでぜひ活用してみてください。

ただし、申立を受け付ける対象が限られていたり、書類・情報が必要になりますので、
事前に申し立て要件を満たしているのかチェックしましょう。

■Googleで申し立てを行う場合

▼申し立てフォーム

https://services.google.com/inquiry/aw_tmcomplaint

▼申し立てを行うことができる人

  • ・商標権所有者
  • ・商標登録に記載されている登録弁護士
  • ・商標権を持つ親会社の本社の代理人
  • ・商標権所有者様からの明示的な許諾がある他の事業体または個人(子会社、支店、商標登録に記載されていない弁護士、メディア代理店、ディーラー、フランチャイズなど)

▼事前に準備が必要なもの

  • ・使用制限または、許諾する広告主の情報
  • ・商標の登録番号

■Yahoo!で申し立てを行う場合

▼申し立てフォーム

https://form-business.yahoo.co.jp/claris/enqueteForm?inquiry_type=brand_term_limit

▼申し立てを行うことができる人

  • ・当該商標の商標権者、もしくは商標権者が認めた代理人

▼事前に準備が必要なもの

  • ・申請者の名刺を電子ファイル化したもの
  • ・商標登録証、もしくは商標原簿を電子ファイル化したもの
  • ・使用制限または、許諾する広告主の情報

4.まとめ

本記事では、リスティング広告で商標権侵害の注意点と広告ポリシーについて解説をしてきました。

他社の商標権侵害や、Google、Yahoo!の広告ポリシー違反がないかを確認してみてください。

また、リスティング広告に他社の商標を使う際は、商標登録している競合企業とのトラブルや、自社のブランドのイメージ低下にもつながってしまう可能性もありますので、慎重に判断してくださいね。