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CRMとは?機能や導入時の注意点

  • 更新日 : 2024-03-27

  • 公開日 : 2024-03-20

顧客理解が叫ばれる現代において、社内で顧客に対して共通理解をすることや各顧客に合わせたアプローチをすることの重要性が高まっています。
顧客との繋がりを深めるための鍵になるのが「CRM(Customer Relationship Management)」です。CRMは企業が顧客との関係を構築し、育てていくために不可欠なツールとなっています。
本記事ではCRMの基礎的な知識から始め、機能や導入時の注意点、そして成功に導く活用法まで、徹底的に解説していきます。

下記のような課題をお持ちの方はぜひご覧ください。
・顧客データを管理したいが方法が分からない
・CRMについて知ってはいるが有効活用できていない
・CRMを利用してより一層事業を伸ばしたい

1.CRMとは?

CRM(Customer Relationship Management)とは、「顧客関係管理」または「顧客関係性マネジメント」などと訳され、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進すること、またはそれを実現するツールやシステムを指します。

CRMの目的は顧客満足度を高めてLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)の最大化を図り、その結果として自社の売上を高めることにあります。

顧客視点でみると、自身の状況を理解した上でそれに応じた対応やコミュニケーションをとってくれる企業は頼もしく信頼できる存在に感じるはずです。顧客から与信があがることで、状況に合わせたアップセルやクロスセルがかけやすくなり、結果LTVの向上につながります。

2.CRMが必要とされる背景

昨今CRMが必要とされている背景として、顧客との関係を深化させるために企業が直面している課題を解決できることがあります。従来の手法では解決が難しかった顧客管理の課題を、CRMを導入することでどのように解決できるかを説明します。

2.1 顧客管理工数の増大

企業が成長し、取引先や顧客の数が増加すると、それに伴って顧客情報の管理にかかる工数も増大してきます。手作業での情報入力や更新は限界があり、ヒューマンエラーのリスクも高まります。
増大する顧客管理工数に対処するために、効率的で正確な顧客データの管理が求められるようになりました。顧客情報を適切に蓄積し、必要な時に素早く取り出せる仕組みが必要とされ、これがCRMの基本コンセプトとなっています。

2.2 顧客情報の断片化

企業内の様々な部署やプラットフォームで情報が分散していたため、全体像が不透明でした。CRM導入により、統一されたデータベースが構築され、 営業、マーケティング、カスタマーサービスなどの部門間での情報共有を円滑にすることが可能になりました。

2.3 顧客のニーズの正確な把握の難しさ

顧客ニーズの多様化によりニーズを正確に把握することが難しく、顧客理解に基づく効果的なサービス提供が難しい状況が増えています。CRMはデータ駆動型のアプローチを提供し、顧客のニーズを的確に把握する手助けをしてくれます。

3.CRMの機能と導入メリット

CRMの機能と導入メリット

CRMには多種多様な機能が含まれています。これらの機能を活かすことで、企業は効果的なマーケティング活動を展開できます。
すべてを使う必要はありませんが、自社にとって重要な機能が何なのかを把握しておきましょう。

3.1 顧客情報管理

リアルタイムで更新されるデータベースが、顧客情報を一元管理します。
顧客名、会社名、連絡先といった基本的な顧客情報に加えて、流入経路や購買履歴などの情報を管理・蓄積することで顧客全体の傾向や特性が把握しやすくなります。
BtoCでは顧客の嗜好などを把握することでパーソナライズしたサービスを提供することが可能になり、顧客がより自身に適した商品やサービスに出会う確率が高まり、顧客満足度の向上につながります。
またコンバージョン率の高い顧客の特性を分析することでターゲティング精度の向上につなげられる可能性もあります。
BtoBでは新たな取引やインタラクションがあるたびにデータが更新され、営業やマーケティングの意思決定をサポートしてくれます。

3.2 商談管理

商談の内容や進捗状況、確度などの情報を管理することができます。
関係者で情報を共有することで営業担当者はターゲットに具体的かつ効果的なアクションをとれるようになるでしょう。
これにより商談の成功率アップを見込めます。

3.3 営業活動管理

CRMでは電話やメールはもちろん、訪問や資料の送付、顧客側からの要望などのコミュニケーション履歴を一元的に蓄積することができます。
リード情報を元に優良な見込み客を優先度付けすることで、営業担当者は有望なリードに集中でき、成約率の向上を見込めます。

また、タスクやスケジュール管理についても可能なので、重要なイベントやフォローアップを見落とさずに行うことを促してくれます。

3.4 データ分析

CRMは顧客データを分析し、カスタマイズ可能なレポートやダッシュボードを生成する機能があります。これにより、企業は迅速に業績や成果を可視化し、ビジネスにおける戦略の策定やリソースの最適化において重要な情報を得られる可能性があります。
メール配信
CRMでは特定の顧客セグメントに向けてメールを送信する機能があります。個々の受信者に合わせたメッセージ内容を送信することで、より顧客にささるコミュニケーションが可能になるでしょう。

3.5 問い合せ管理

カスタマーサポート領域における問い合わせを管理する機能も備わっています。
顧客からの問い合わせに対して、素早く適切な対応をすることは顧客満足度を向上させます。
CRMでは過去の問い合わせや対応履歴を参照することができるため、同様の問題に対して一貫性のある対応を可能にしてくれ、結果として信頼関係を気づく一助となります。

4.CRMの機能と導入デメリット

4.1 導入コスト

CRMの導入には初期投資が必要です。
クラウド型とオンプレミス型(自社でソフトを保有・運用する)では、導入に必要なコストが異なります。
またトレーニングのための人件費などが発生します。
ただし、これは長期的な視点で見れば、業務の効率向上や収益の増大に繋がるものです。

4.2 現状からの変化

新しいシステムの導入には社内の文化やプロセスの変更が伴います。
従業員が新しいツールに適応するためのトレーニングやコミュニケーションが必要です。

5.CRMとMA・SFAの違い

CRMとMA・SFAの違い

CRM(顧客管理システム)の話が出るとよく比較されるのがMA(Marketing Automation)およびSFA(Sales Force Automation)です。
これらは顧客管理をサポートするという点で共通していますが、それぞれ顧客情報へのアプローチ方法が異なります。
CRMは企業全体における顧客や案件などの情報を記録・管理すること、顧客との良好な関係を構築することを主眼においています。
営業、マーケティング、カスタマーサービスなど、様々な部門でのデータを一元化することで総合的な観点を提供してくれます。
また、一度顧客になってくれた方との関係維持によってLTVの向上を目指します。

一方で、MAはCRMに記録されたデータを元にリード獲得やリードナーチャリングなどのマーケティング活動の自動化をすることに主眼をおいています。
リード獲得のために見込み顧客に対して、求められている情報を、欲しいタイミングで、最適な方法で提供することに貢献するため、商談数の増加を見込めます。

SFAは見込み顧客の情報を元に営業活動の効率化・成果向上に貢献することに主眼をおいています。
これまでにどのような接触があったか、その際の反応はどうだったかなどの情報を活かすことで、商談からの成約率の向上を見込めます。

CRMツールにはSFAの機能を含むものが増えてきているため、自社の求める機能を有しているかどうか見極める必要があります。

6.CRMの効果的な活用方法

CRMを効果的に活用するためには、正しいアプローチが必要です。
顧客データの質の向上、営業やマーケティングとの連携、定期的なトレーニングなど、成功のためのポイントを紹介します。

6.1 顧客データの正確性を確保する

データの入力ミスや重複を防ぐために、入力時の注意事項やデータの検証プロセスを確立します。このためにはデータのフォーマットや入力規則を標準化し、それらを社内向けのマニュアルに落とし込む必要があります。
また、定期的なデータ更新やクリーンアップも行いましょう。

6.2 営業・マーケティングの連携を強化する

定期的なミーティングや情報共有の仕組みを設け、営業とマーケティングの連携を促進します。共通の目標やKPIを共有し、そのために必要なCRMの活用方法をお互いが理解できるようにしましょう。

6.3 定期的なトレーニングや教育の実施

CRMを使用する従業員に対してデータ品質の重要性を教育し、正確なデータ入力の重要性を強調します。
データ品質の維持が全体の業務の一環であることを繰り返し伝えることで、意識向上を図ります。
また従業員が新機能やベストプラクティスを把握できるようなトレーニングプログラムの導入も効果的です。新しい機能の習得やシステムの最適な利用法を理解してもらうための取り組みを行います。
これらのポイントを押さえることで、CRMの効果的な運用が可能となるでしょう。

7.CRMの導入方法と注意点

CRMは導入で終わりではなく、活用される環境を作らなければ意味がありません。
導入の際によくある失敗例とともに気を付けるべきポイントを以下で解説します。

7.1 CRM導入の目的が不明確

CRMの導入は計画的に進めることが不可欠です。
ステークホルダーと密にコミュニケーションをとり、目標の明確化やスケジュールの設定を行うことで、導入することで何を改善したいのかを意識することで、活用が進むでしょう。
またそれに伴って企業独自のニーズに合わせたカスタマイズの必要性が出てくる場合もあるでしょう。導入前に具体的な要件を洗い出し、最適に活用できる環境を整えます。

7.2 CRMを導入したが社内で浸透しない

新しい管理方法に慣れるまでには時間がかかるため、従業員が面倒に感じてしまい、データ入力を怠ってしまうことで、思ったように活用できないということはよく起こります。
現場が何を重視しているのか把握するとともに、操作方法に関するマニュアル作成やそもそもなぜCRMを導入する必要があるのかを理解してもらうことが大切です。
また一度に多くの機能を使おうとせず、スモールスタートから展開することで徐々に慣れてもらうのも一案でしょう。
これらのポイントを考慮しながら、スムーズな導入プロセスを実現しましょう。

8.CRMを活用してグロースするために

CRMは、現代のビジネスにおいて顧客との関係を深め、ビジネスプロセスを効率化するための強力なツールです。
自社の用途に合わせて活用することで、顧客中心・顧客目線のビジネスを支えてくれる存在になります。顧客の信頼を得つつ、企業の競争力を向上させるためにもCRMの導入を検討してみるのはいかがでしょうか。
弊社では代表的なクラウド型のCRMであるHubSpotとの間で、「HubSpot Solutions Partnerプログラム」の認定パートナーを取得しています。
既存のマーケティング支援サービスの拡大と品質向上を目指し、マーケティングおよびセールス領域のプラットフォーム導入&運営支援サービスの提供をしております。