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HubSpotの広告管理機能とは?連携できる広告の種類と活用メリット、連携方法を詳しく解説【Google広告・Meta広告・Linkedin広告】

  • 更新日 : 2024-10-02

  • 公開日 : 2024-08-31

広告を活用したリード獲得手法では、事業成長とともに広告費や広告媒体が増えていきます。しかしながら、広告で獲得したリードが売上利益につながっているかを把握し、マーケティング戦略に活用できている企業は多くはありません。

また、広告媒体が増えることで、データの確認や集計、分析における工数が増加しています。

HubSpotの広告管理機能では、主要な広告プラットフォームと連携し、広告キャンペーンの作成から効果測定までを一元管理することで、上記のような課題の解決に利用することができます。

広告担当者の中には、HubSpotの広告管理機能の存在を知りつつも、その具体的な連携方法や活用方法については、よくわからないという方もいらっしゃるかと思います。

本記事では、HubSpotの広告管理機能の活用メリットや、効果的な運用方法を詳しく解説し、広告戦略を最大限に活かすためのヒントを提供します。

1.HubSpotの広告管理機能とは

1.1 HubSpotとは

出典:HubSpot

HubSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサービスの業務をつなぐための機能を網羅するカスタマープラットフォームです。
世界130ヶ国以上で22万社を超える企業に導入されている注目のツールです。

また、インバウンドマーケティングとアウトバウンドマーケティングの両方の機能を備えているツールでもあることから、近年シェア数を伸ばしています。

HubSpotの中でも「Marketing Hub」には、アウトバウンドマーケティングに活用できる「広告管理機能」が備わっています。この機能により、企業は複数の広告プラットフォームを一元的に管理し、広告効果を最大化することができます。

1.2 HubSpot Marketing Hubの広告管理機能

HubSpot Marketing Hub(以下、Marketing Hub)の広告管理機能を活用することで、これまで個別の広告アカウントで運用・分析をしていた広告キャンペーンを一元管理することが可能になります。
主には、Google広告、Meta広告、LinkedIn広告といった主要な広告プラットフォームと連携することができ、広告の作成から配信、効果測定までを一貫して行うことが可能です。

個別の広告アカウントを見に行かなくても、広告キャンペーンの進行状況をリアルタイムで把握でき、必要に応じた戦略の修正などもも迅速に行うことができるようになります。

また、HubSpot CRMを活用したターゲットオーディエンスの設定や、各広告キャンペーンのパフォーマンスを詳細に分析することも可能です。

これらの機能を活用することで、コンバージョン率の向上と広告運用における投資対効果(ROI)を最適化し、マーケティング効果を最大化することができます。

2.HubSpotが連携できる広告

HubSpotでは、主に以下の3つの広告プラットフォームとの連携が可能です。

・Google広告
・Meta広告
・LinkedIn広告

それぞれ詳細に説明します。

2.1 Google広告との連携

Google広告アカウントとHubSpotは連携が可能です。
Google広告のほとんどの広告キャンペーンタイプをトラッキングできますが、API制限のため、一部の広告キャンペーンタイプはサポートされていないものがあります。

自社が運用している広告キャンペーンと連携できることを事前に確認しましょう。

以下はGoogle広告で連携可能な広告キャンペーンタイプごとのトラッキング可否とレポートデータ使用可否の一覧です。

広告キャンペーンタイプトラッキング可否レポートデータ使用可否
Google検索広告(GSA)
Googleスマートキャンペーン広告×(できない)
特定の広告グループ、広告、キーワードを対象としたレポートデータは使用できない
Googleディスカバリーキャンペーン広告
キャンペーンの広告グループや広告のトラッキングを上書きしない限り、トラッキングが可能
Google Performance Max キャンペーン広告(P-Max)××
動画広告(YouTube広告)×
インプレッションやクリックなどのレポートデータを利用可能

▽参考資料
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ads-faq
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ad-tracking-in-hubspot

2.2 Meta広告との連携

Meta広告(旧Facebook広告)も、HubSpotとの連携が可能です。

連携することで、Metaプラットフォーム上での広告キャンペーンをHubSpotから直接作成、配信、管理、分析することができます。

Meta広告もほとんどの広告キャンペーンタイプをトラッキングできますが、一部AIを活用したキャンペーンタイプではHubSpotが通常使用するトラッキング手法が適用できない場合や、API制限のため、一部の広告キャンペーンタイプはサポートされていないものもやはりあります。

そのため自社が運用している広告キャンペーンと連携できることを事前に確認しましょう。

以下はMeta広告で連携可能な広告キャンペーンタイプごとのトラッキング可否とレポートデータ使用可否の一覧です。

広告キャンペーンタイプトラッキング可否レポートデータ使用可否
シングル画像広告
動画広告
標準的カルーセル広告
配置ごとのアセットカスタマイズ機能を利用したカルーセル広告(PACカルーセル広告)××
Advantage+タイプの広告××

▽参考資料
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ads-faq
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ad-tracking-in-hubspot

2.3 LinkedIn広告との連携

LinkedIn広告もHubSpotとの連携が可能です。

Google広告とMeta広告と同様、トラッキング手法が適用できない場合やAPI制限のため、一部の広告キャンペーンタイプはサポートされていないものがあります。

以下はLinkedin広告で連携可能な広告キャンペーンタイプごとのトラッキング可否とレポートデータ使用可否の一覧です。

広告キャンペーンタイプトラッキング可否レポートデータ使用可否
スポンサードコンテンツ
 シングル画像広告
 動画広告
 カルーセル広告
会話型広告
 会話型広告××
テキスト広告
 テキスト広告
ダイナミック広告
 ダイナミック広告

▽参考資料
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ads-faq
https://knowledge.hubspot.com/ja/ads/ad-tracking-in-hubspot

3.HubSpotが連携できない広告

HubSpotは、先ほど述べた主要な広告プラットフォームとの連携は可能ですが、それ以外の広告プラットフォームとの連携はサポートされていません。

以下に、連携ができない広告プラットフォームの一例を挙げます。

Google広告
 シングル画像広告
Yahoo!広告
 検索広告
 ディスプレイ広告(YDN)
SNS広告
 X広告(旧Twitter広告)
 TikTok広告
 LINE広告
 Pinterest広告

これらの広告プラットフォームを利用したい場合は、別途管理する必要があり、現段階ではHubSpotを通じた一元管理はできません。

4.HubSpot広告管理機能を活用するメリット

ここでは、HubSpotで広告管理をする場合のメリットについて解説していきます。

4.1 広告作成から効果測定まで可能

HubSpotの広告管理機能を活用するメリットのひとつに、広告のパフォーマンスをHubSpot内で一括して管理し、分析できることが挙げられます。

広告にかかるコストや、配信後のクリック率、コンバージョンの状況をリアルタイムで把握することができ、そのデータをもとに投資対効果(ROI)を分析することにも役立ちます。

また広告運用者は、個別の広告プラットフォームにログインする手間を省き、すべての広告活動の成果をHubSpot内で一目で確認できるため、無駄な時間を省き、広告戦略の立案や改善に集中することが可能になります。

4.2 広告経路別での識別が可能

HubSpotでは、広告経路別での効果を細かく識別することができます。
どの経路(例えば、Facebook広告やGoogle広告)からお客さんが来たのか、どの広告が一番効果的だったのかを確認することができるため、どの広告にお金をかけるべきか、逆にどの広告を停止すべきかなどの判断材料が得られます。

そのため、限られた広告予算のなかでコストの無駄を省き、効率よく広告費を使えるようになり、結果的に広告の効果が高くなることに繋がります。

4.3 ターゲティング精度向上とコンバージョンの最適化

HubSpotでは、広告アカウントを連携することで、HubSpot CRMに蓄積された自社のコンタクトリスト(顧客データ)を活用した広告配信が可能になり、ターゲティング精度の向上を期待することができます。

例えば、過去に自社の製品を購入したことがある人や、ウェブサイトに訪れたことがある人のデータを活用し、その人たちに向けた広告を配信するといった活用もでき、広告の効果を最大限に引き出すことに繋がります。
また、A/Bテスト機能を活用して、どの広告クリエイティブやメッセージが最も効果的かを比較し、その結果に基づいて新たに最適な広告を作り上げることも可能です。

HubSpotの広告連携機能がない場合、広告担当者がCRMからリード情報をエクセル形式でダウンロードし、データを成形して広告管理画面からアップロードするという手作業が発生するため、業務効率化の観点でも重宝できます。

4.4 アトリビューションレポートによる戦略的最適化

HubSpotの広告管理機能では、アトリビューションレポートを活用して広告の効果を詳細に分析することが可能です。
アトリビューションレポートとは、ユーザーがコンバージョンに至るまでの過程で接触したさまざまな広告の「貢献度」を分析したもののことを指します。

例えば、あるユーザーが新商品の発売を知らせる広告を目にしたとします。最初にYouTube広告でその商品に気づきますが、購入には至りません。
その後、Metaで再び同じ商品の広告を見ますが、やはりコンバージョン(購入や問い合わせ)には至りません。しばらくしてから、Google検索でその商品を調べ、検索結果に表示された広告をクリックして、最終的に購入することを決めたとしましょう。

このような場合、どの広告が最も影響力を持っているのかを把握するのは簡単ではありません。最初に見たYouTube広告や次に見たMeta広告のどの広告がユーザーの意識に商品を刻み、最終的なGoogle検索広告での購入の決め手となったかもしれません。
このような状況で役立つのが「アトリビューションレポート」であり、どの広告やチャネルが最も効果的だったのかを評価することができます。

5.HubSpot広告管理機能の無料・有料プランの詳細

5.1 【無料プラン】ベーシックなことはすべてできる

HubSpotの無料プランでも、基本的な広告管理機能を利用することができます。無料プランでは、Google広告やMeta広告、LinkedIn広告との連携が可能であり、簡単な広告キャンペーンの作成や効果測定が行えます。
また、HubSpot CRMに蓄積されたデータと連携して、ターゲティング精度を高めることも可能です。
ただし、高度な機能や詳細なレポート、より多くの広告アカウントとの連携を希望する場合は、有料プランの利用をおすすめします。

5.2 【有料プラン】無料プランより高度な広告運用ができる

有料プランには、Starterプラン、Professionalプラン、Enterpriseプランの3つのプランがあり、無料プランよりさらに高度な広告運用が可能となります。

例えば、詳細なアトリビューションレポートや、複数の広告アカウントの統合管理、さらに高度なターゲティングオプションが利用できるようになりますし、カスタムレポートの作成や、より高度なA/Bテスト機能も利用可能です。
広告施策に注力している企業や、複合的なマーケティング戦略を展開する企業様の場合は、Professionalプラン以上を推奨します。

導入を検討される場合、Marketing Hubの無料プラン、有料プランでそれぞれできることについて別途記事を書いていますので、下記の記事も併せて参考にしてみてください。

関連記事:【2024年最新版】HubSpot無料版でできること、有料版との違い

6.HubSpotと広告アカウントの連携方法

ここでは、Google広告アカウント、Meta(Facebook)広告アカウント、Linkedin広告アカウントそれぞれをHubSpotと連携させる手順について解説していきます。
基本的に流れはすべて同じですが、連携させる前に各広告アカウントの作成を済ませておくとスムーズです。

連携させようとしたが広告アカウントを作っていなかった、という場合は、HubSpot内から各広告アカウントを新規作成することも可能ですのでご安心ください。

6.1 Google広告アカウントと連携

下記の手順でHubSpotと連携していきます。

①HubSpotアカウントにログイン

②右上の上部のナビゲーションバーに表示される「設定アイコン」をクリック

③左のサイドバーメニューで、「マーケティング」>「広告」をクリック

④右上の「アカウントを接続」をクリック
(①~④までは基本的にどの広告連携でも同様)

⑤ダイアログボックスで、「Google 広告」を選択

⑥ポップアップウィンドウで、Google 広告アカウントに関連付けられたEメールアドレスを使用してGoogle アカウントにログインし、「許可」をクリック

⑦「Google広告アカウントを選択」で連携させたい広告アカウントのチェックボックスにチェックを入れ、自動トラッキングを「ON」にして選択

⑧「接続」をクリックし、連携完了

6.2 Meta広告アカウントと連携

下記の手順でHubSpotと連携していきます。

①HubSpotアカウントにログイン

②右上の上部のナビゲーションバーに表示される「設定アイコン」をクリック

③左のサイドバーメニューで、「マーケティング」>「広告」をクリック

④右上の「アカウントを接続」をクリック
(①~④までは基本的にどの広告連携でも同様)

⑤ダイアログボックスで、「Facebook」を選択

⑥ポップアップウィンドウで、Facebookアカウントにログイン
次に、表示される権限を確認(広告アカウントをHubSpotに連携するには、この全ての権限が必要です)
権限を確認したら、「続ける」をクリック

⑦「Facebook広告アカウントを選択」で連携させたい広告アカウントのチェックボックスにチェックを入れ、自動トラッキングを「ON」にして選択

⑧「接続」をクリックし、連携完了

6.3 LinkedIn広告アカウントと連携

下記の手順でHubSpotと連携していきます。

①HubSpotアカウントにログイン

②右上の上部のナビゲーションバーに表示される「設定アイコン」をクリック

③左のサイドバーメニューで、「マーケティング」>「広告」をクリック

④右上の「アカウントを接続」をクリック
(①~④までは基本的にどの広告連携でも同様)

⑤ダイアログボックスで、「Linkedin」を選択

⑥ポップアップウィンドウで、LinkedInアカウントにログイン
HubSpot Adsが求めるアクセスに対して「許可する」をクリック
権限を確認してから、[許可]をクリック

⑦「LINE広告アカウントを選択」で連携させたい広告アカウントのチェックボックスにチェックを入れ、自動トラッキングを「ON」にして選択

⑧「接続」をクリックし、連携完了

7.広告管理機能を活用する際の注意点

HubSpotと連携できない広告媒体やキャンペーンタイプがある

本記事でも前述しましたが、HubSpotとは連携ができない広告媒体やキャンペーンタイプがあるので、予め自社で運用したい広告が連携かのうかどうかを確認しておきましょう。

特に、Google広告では検索広告は連携できるがディスプレイ広告やスマートキャンペーンは連携ができないなど、同じ広告媒体のなかでも連携できるキャンペーンタイプが異なる場合があるので注意が必要です。

連携させる際は広告アカウントの管理者権限が必要

広告アカウントの接続を行うHubSpotユーザーは、各種広告アカウントの「管理者」として設定されている必要があります。広告アカウントの管理者になっていることを確かめるには、下記を参考にしてください。

Google広告アカウントの場合
 Google広告アカウントの「ツール」より「アクセス」を選択し、設定を確認してください。

Meta広告の場合
 Metaビジネスマネージャーより設定を確認してください。

Linkedin広告の場合
 Linkedinキャンペーンマネージャーの「アカウント設定」より「アクセス管理」を選択し、
 設定を確認してください。

広告のマネージャーアカウントは連携できない

HubSpotに接続できるのは、個々のGoogle広告アカウントのみです。Google広告マネージャーアカウントをHubSpotに接続することはできないので注意が必要です。マネージャーアカウントで管理している場合、Google広告アカウントをそれぞれ個別にHubSpotに接続する必要があることを理解しておきましょう。

自動トラッキングに対応していないキャンペーンタイプがある

HubSpotでは、Google広告、Meta広告、LinkedIn広告などの主要なプラットフォームと連携できますが、すべての広告タイプが自動トラッキングに対応しているわけではありません。特定の広告形式やキャンペーン(例:Facebook Messenger広告やGoogleのPerformance Maxキャンペーンなど)は、API制限によりトラッキングできない場合があります。このため、これらの広告のパフォーマンスデータがHubSpotに完全には反映されないことがあります。

8.広告配信の成果を高めるために

いかがでしたか?

広告配信の成果を高めるひとつの手段として、HubSpotを活用いただくメリットや実際の連携方法、注意点などを解説いたしました。

HubSpot Marketing Hubの広告管理機能を活用することで、HubSpot CRMのデータを利用してターゲティング精度を向上させることや、パーソナライズされた広告の配信で、コンバージョン率を向上させること、そしてレポート機能を活用して各広告キャンペーンの成果を分析することで、広告戦略を継続的に改善していくことが可能になります。

広告配信の成果を今よりもさらに上げていきたいという企業様やマーケティング担当者様は、まずは無料プランで使用感を試していただくことをおすすめします。