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人材紹介事業を進めていく中で、
「自然流入から求職者を獲得したい。」
と、考えている方は少なくないのではないでしょうか。
自然流入からの求職者獲得を考えたときに、下記のような課題があるかと思います。
「うちは後発だから…」
「PVはある程度獲得したが登録に繋がらない」
「キーワード戦略が正しいのかわからない」
下図は当社がSEOをサポートしている、ある人材紹介会社様のアクセスグラフです。
いわゆる後発でしたが、しっかりアクセスを獲得することができています。
また、アクセスが伸びるだけでなく、登録者獲得や決定にもつなげられています。
競合がひしめく、人材紹介のデジタルマーケティングにおいて勝つための戦略やポイントが実は存在します。
正しい戦略のもと万全のSEO対策を行うことで、アクセス数や登録を獲得できるように、下記のような方に向けて人材紹介会社のSEO記事戦略やSEO対策について解説します。
▽こんな方におすすめ
・SEO記事施策を実施したい方
・記事を作っているけど、このまま進めていいのか不安な方
求人サイトを制作して求人軸で自然流入を獲得したい方は、下記の記事を参照くださいませ。
【人材紹介】求人サイト制作の費用とコツ11選
目次
1.コンテンツマーケに取り組む目的
まずコンテンツマーケティングに取り組む目的としては、「集客の柱をもう1つ作りたい」ということですが、背景としては下記のようなリクエストをいただくことがあります。
・スカウトやWeb広告以外の手法に取り組みたい
・将来的に広告費を抑制したい
・XやYouTubeと組み合わせてメディアミックスに取り組み、認知を獲得したい
スカウト媒体やindeedにおける規制がシビアになっている背景から、これまで以上にコンテンツマーケティングに対する注目は高まっています。
2.人材紹介でSEOに取り組む4つのメリット
人材紹介会社がコンテンツマーケティングやSEO対策をすることは、どのようなメリットがあるのでしょうか。
具体的には下記の4点が考えられます。
2.1 新規登録者を獲得できる
「転職を考え始めた方」や「転職を検討している方」に向けたコンテンツを見てもらうことで、サービスへ登録してくれる可能性が高くなります。
ただし、検索結果から流入を獲得するためには上位に表示される必要があります。
下記のように検索結果の順位別のクリック率をみると、順位が低下するごとにクリック率も低下しています。
検索順位 | クリック率 |
---|---|
1 | 13.94% |
2 | 7.52% |
3 | 4.68% |
4 | 3.91% |
5 | 2.98% |
6 | 2.42% |
7 | 2.06% |
8 | 1.78% |
9 | 1.46% |
10 | 1.32% |
必ずしも上記のようなクリック率になるとは限りませんので参考程度にとどめていただければと思いますが、上位からクリック率が低下する傾向はどのキーワードでも同様と考えられます。
クリックしてもらえるように、しっかりとSEO対策を施していきましょう。
2.2 求職者からの信頼性UPにつながる
コンテンツマーケティングに取り組むことで、信頼性がUPします。
理由は、広告で見たサービスを検索してWebサイトにたどり着いたときに、コンテンツが充実しているサイトとそうでないサイトでは、印象に大きな差が生まれるためです。
例えば、バックオフィスに特化した人材紹介サービスの広告を見て、サイトに訪れた際にバックオフィスの方に向けた「履歴書の書き方」「逆質問」などのコンテンツがある場合は、バックオフィス特化であることの裏付けができ信頼感が高まります。
広告とSEOのクロスメディアでマーケティング全体の効果を高めていくことができます。
2.3 資産性が高く中長期費用対が良い
3つ目のメリットは、資産性が高く、中長期的にコストパフォーマンスが良いことです。
広告の場合は、媒体に費用をかけることで、すぐに表示され登録を獲得することができますが、月額のランニングコストがかかります。
反対に、SEO記事などのコンテンツは制作時に費用がかかりますが、自社のサイトに蓄積することで、継続したトラフィックを生み出すことができます。
広告についての戦略や手法については下記の記事で解説しています。
【人材紹介の広告戦略】Web広告の種類と優先順位、重要なポイントを解説
2.4 求職者ナーチャリングに活用できる
一度、サービスに登録してもらったものの「面談につながらない」「承諾いただけなかった」といった方のナーチャリングに活用することができます。
登録者ごとの属性に合わせてお役立ちコンテンツをメルマガやLINEで配信することで、エンゲージメントが高まり、再度転職意欲が高まったタイミングなどで自社サービスを想起いただける可能性があります。
配信先の求職者とあまり関係のない内容を配信したり、配信頻度が多いと逆効果になるため、CRMでしっかりと求職者ごとの属性を管理しておくことが重要です。
下記の記事で、求職者ナーチャリングについて動画付きで詳しく解説しています。
人材紹介のLINEを使った求職者ナーチャリングを徹底解説【面談・成約・効率UP】
3.SEO記事コンテンツ作成の戦略
ここからは、これからSEO記事を作成し、コンテンツマーケティングに取り組もうとしている方向けの戦略を3つご紹介します。
3.1 大手が拾い損ねているキーワードを攻める
コンテンツマーケティングに取り組む最初の段階で、これから狙っていくキーワードを調査しましょう。
検索ボリュームの多い、誰もが思いつくようなキーワード(ビッグキーワード)では、なかなか上位表示させることは難しいです。
そこで、調査結果から大手が拾い損ねている、自社にとって重要なKWを洗い出す必要があります。
また、記事を公開するなどの施策を進める中で、コンテンツに流入しているキーワードを分析することで、新たな対策が必要なキーワードを発見できることもあります。
初期段階のキーワード調査がすべてではないので、柔軟に対応していきましょう。
3.2 独自性と専門性を兼ね備えた記事を執筆する
後ほど詳細をご説明しますが、コンテンツには独自性や専門性を盛り込む必要があります。
専門で特化しているサービスならではの知識や経験をコンテンツに入れることで、検索エンジンからの評価もユーザーからの評価も高まっていきます。
3.3 基本のSEO対策はもれなく実施する
大手は当然、SEO対策をきっちりしています。どれだけ品質の高いコンテンツであっても、SEO対策が不十分であれば上位表示されることはありません。
競合他社が実施しているSEO対策はもれなく実装しましょう。
また、テクニカルSEOはサイトが大規模になった後から実施すると複雑性が上がり、その分、難易度も高くなります。できる限り初期段階で設計を行うことを推奨します。
4.SEO対策のポイント
ここではコンテンツマーケティングの中でも記事で勝つために重要なポイントを3つ解説します。
求人を掲載する求人サイトのポイントについては下記の記事をご覧ください。
【人材紹介】求人サイト制作の費用とコツ11選
4.1 CVに近いキーワードから対策する
後述する記事制作の手順でも触れますが、検索ジャーニーに従って新規登録につながりやすいキーワードを優先度高く対策していく必要があります。
具体的には、「転職」や「エージェント」、「履歴書の作り方」などサービスを探しているようなキーワードが対象となります。
競合が対策している可能性が高いキーワードですが、転職関連のサイトにはあるべきコンテンツです。
ターゲット領域のキーワードと掛け合わせて対策を行いましょう。
4.2 他社にない独自性を盛り込む
そもそも他社と同じような記事では読者の心をつかむことは難しいので、読み物として読み応えがあるといった、記事としての本質を捉えておく必要があります。
また、SEOには下記のようなE-E-A-TといったGoogleによるウェブサイトの評価基準があります。
E:Experience(経験)
E:Expertise(専門性)
A:Authoritativeness(権威性)
T:Trustworthiness(信頼性)
1つ目の”E(経験)”をコンテンツ内に盛り込むために、自社や自身の経験・知見を記事内に記載することが重要となります。
記事の制作を外部のライターに丸投げしてしまうと、この独自性の部分が欠けてしまう可能性がありますので注意が必要です。
また、先ほど述べたインタビュー記事は、サービス利用者の声を記事にすることで、サイトの専門性や独自性を担保することにつながります。
読み応えがあり、SEO対策も網羅したよい記事を制作しましょう。
4.3 記事の内容に沿ったCTAを入れる
良い記事を作成し、順調にトラフィックを獲得できたとしても、適切な登録への導線を配置していない場合、記事経由の新規登録者を獲得することは難しくなります。
まずは、記事の冒頭・文末や記事内でポイントとなる箇所にCTAを設置しましょう。
CTAを設置したものの登録を獲得することができない場合は、ヒートマップツールなどでどこが熟読されているのかを分析し、CTAの設置する場所を変更したり、CTAの文言を変更してみましょう。
文中のCTA以外にも、画面固定のフローティングCTAも有効に働きます。
開発して実装することもできますが、開発コストや運用の手間を考えるとHubSpotなどのツールを活用して実装したほうが効率的です。
5.SEO記事コンテンツを作成する手順
ここでは記事を執筆するまでの重要なステップを3つご紹介します。
非常に細かい工程となりますので、できる限り詳細をお伝えいたします。
5.1 ターゲット像の整理
記事を読んで自社サービスを知ってもらいたい人や登録してもらいたい人の年齢層や性別、抱えている悩み等を整理します。
1パターンでは網羅することができず、反対に多すぎると管理が大変になりPDCAを運用できなくなります。
ターゲット像は関係者内で目線を合わせてコンテンツ施策を着実に進めるために利用します。
共通認識をもち、PDCAを運用できるよう、最大公約数的に必要最低限で整理を行いましょう。
具体的には、下図のような整理を行います。
領域 | 事業ドメインや職種 |
デモグラフィック情報 | 性別や年齢、資格など |
潜在層 | 転職をあまり検討していない |
準顕在層 | 転職しようか、悩んでいる |
顕在層 | 本格的に転職を、検討している |
ぜひ取り組んでみてください。
5.2 キーワードリストの作成
作成したターゲットが検索しそうなキーワードを網羅的に一覧化し、ターゲットフェーズ別に分類した表がアウトプットイメージです。
キーワード調査に利用されるツールは下記です。
・Google キーワードプランナー
・Mieruca
・ahrefs
・SimilarWeb
など
無料で利用できるキーワード調査ツールもありますが、利用回数の制限やアウトプットの量が少ないことや精度に欠けることがあります。
SEO業務を効率化するためのキーワード調査以外の機能もありますので、一度ご利用してみてください。
5.3 タイトルと構成案を作成する
記事のタイトルと構成案は、SEO記事の順位を決定づける非常に重要なものとなります。
タイトルや構成案を作成する前に、狙うキーワードごとに再度下記の情報を整理します。
①狙うキーワードの周辺キーワード
②この記事を読むペルソナ
③キーワードの検索意図
④この記事で解決したい内容
⑤競合状況
など
タイトルでは、「狙うキーワードと合わせて検索されている周辺キーワード」と「競合状況」を踏まえて、タイトルに入れるキーワードの選定、順番を決定しましょう。
構成案では、H2やH3といった中見出し、小見出しを定義していきます。
先ほど整理した①~⑤をベースに下記の情報を整理を行い、構成案を作成していきます。
その際、各見出し(トピック)を記載する理由として下記のような情報を持たせます。
・検索ニーズがあり、競合記事の中で語られているもの
・検索ニーズがあり、競合記事の中で語っていないもの
・検索ボリュームは少ないが、ニーズのあるもの
など
以上を行うことで、他社に勝つSEO記事を執筆することが可能になります。
6.SEO記事コンテンツは誰が作るのか
6.1 自社で作成する
インハウスで実施したい場合、社内で執筆まで行うケースや外部のライターを活用することが考えられます。
ここまで解説したポイントやアクションを抑えて、記事公開まで行うことができる体制があれば、社内でコンテンツマーケティングを行うことを推奨します。
執筆の部分はランサーズやクラウドワークスでフリーランスのライターさんに依頼する方法もありますので、是非ご検討ください。
当社では、マーケティング業務をインハウス化したいという企業向けに内製化支援を行う「インハウスラボ」というサービスを提供しています。ご興味のある方は一度ご連絡くださいませ。
6.2 外部へ委託する
社内にリソースやノウハウがない場合は、人材紹介事業のSEO記事作成ができる会社へアウトソースしましょう。
アウトソースするメリットとしては、委託会社が保有する実績や知見、SEOツールなどを活用できるため施策の成功確率が高まることです。
外部に委託した場合でも記事に独自性を盛り込むためのすり合わせや内容の確認など、一定の工数はかかります。
社内で確認する担当をしっかりと決めておきましょう。
7.SEO施策の事例
当社での人材紹介会社へのSEOサポート事例をいくつかご紹介します。
企業様の特定を防ぐために領域や具体的な内容は控えさせていただきますが、ご参考になりましたら幸いです。
7.1 2年目で月間セッション2万超&CV獲得。
後発の企業様で転職に関するお役立ち記事を当社で作成し、運用改善を行っている事例です。
初月からCVを獲得することができ、2年目で月間セッションが2万を超えているように右肩上がりで伸ばすことができています。
7.2 競合がひしめく中での順位上昇
以前からコンテンツマーケティングに取り組まれていましたが、なかなか競合に勝つことができず、記事経由のコンバージョンも見込めない状況でした。
当社のサポートでは、改めてキーワードの洗い出しから行い、優先順位を定め記事制作を進めていきました。
記事の中には、企業様独自の取り組みや知見、転職成功事例などを盛り込むことでコンテンツとしての独自性を高めていきました。
その結果、これまで上位を獲得できていなかった重要度の高いキーワードでの上位表示を数多く獲得し、トラフィック増加を実現しました。
7.3 記事経由の新規登録を300%増加
コンテンツマーケティングに取り組む中で、トラフィックは獲得できているがCVにつながらないといった課題を有していました。
CTAの設置場所やテキストの見直しを全面的に行った結果、月間で300%のCV数増加を実現することができました。
8.人材紹介のコンテンツマーケティングを成功させるために
コンテンツマーケティングを成功させるイメージがつきましたでしょうか。
下記が簡単なまとめとなります。
・独自性と専門性をアピールする
・登録に近いキーワードから執筆する
・SEO対策はもれなく実施する
コンテンツマーケティングは時間のかかる施策ですが、新規登録者獲得や登録者のナーチャリングにも活用できますので、非常におすすめの施策となります。
社内外のリソースを活用して、ぜひ取り組んでみてください。
SEOサポートに関しては、こちらからお気軽にお問い合わせくださいませ。
9.よくあるご質問
Q1 品質の高い記事を作れば上位表示できますか
上位表示に必要な要素の中で、品質の高さが占める割合は4~6割程度となるため、品質の高い記事を作成したからといって必ずしも上位表示されるとは言えません。
ただし、施策に取り組むメリットでも解説した通り、ナーチャリングとして活用することもできますので、大前提、品質の高さは重要となります。
Q2 記事は何本ぐらい作れば良いのでしょうか。
事業全体や施策におけるゴールによって作成する記事の本数は変わります。
ゴール設定といった全体感からご相談いただけますので、お気軽にお問い合わせください。
Q3 AIで執筆した記事は効果がありますか。
ライターが誰であれ、ユーザーが読みやすい、読み応えのある記事にするためには、独自性や専門性を盛り込むといったSEOの本質を抑えることが大切です。
AIを活用すれば、記事の執筆という工程においては効率化することができますが、本質を抑えられる記事の執筆は現状だと難しいため、どこかで人の手を加える必要があります。
自分とは異なる言い回しの確認や、漏れがないか確認するために利用することもできますので、工夫次第かと思います。
Q4 サイトの分析はどのようにすれば良いですか。
Webサイトの分析には、一般的にGoogle Search ConsoleやGoogle Analytics 4を利用することが多いです。少し専門的な知識が必要になるため、最初は慣れず、十分な分析を行うことが難しいかもしれません。
また、HubSpotなどのSEO分析機能付きのMAツールを活用するという手法もあります。わかりやすいUIで分析も実施しやすいためご検討ください。
他にもご質問が上がってきましたら随時追記させていただきます。