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[GA4]コホート分析とは?顧客行動を把握する分析方法を解説

  • 更新日 : 2023-11-25

  • 公開日 : 2022-10-12

Webマーケティングの現場には、現状を把握するためのたくさんの指標があります。では、指標となる数値を分析・活用するためにはどのような方法があるのでしょうか。

今回の記事では、「コホート分析」という手法について解説しています。より効果的な施策を実施するための手段として、コホート分析を理解し、マーケティングに活かす方法を解説します。

1.コホート分析

そもそもコホートとは、「仲間グループ」という意味です。
コホート分析とは、年齢や社会的な属性によってユーザーを分類し、「それぞれのグループがどのような行動を取るのか」を把握するための分析方法です。ユーザーを分類する条件は自分で設定することができます。

サイト・アプリのユーザーや、製品・サービスの顧客の維持、継続率向上を改善する手法として活用されています。

コホートの分類方法は、年齢や性別といった属性だけでなく、「初めて訪問したユーザー」「このDMからサイトにアクセスしたユーザー」など、さまざまな条件でコホートに分類することができます。

ただし、Googleアナリティクスにおけるコホート分析は、「ユーザーを初獲得した日」をグループ化して定着率やコンバージョン数などを分析する手法です。
一般的なコホート分析のようにいろいろなグループ分けができるわけではないため、注意が必要です。

2.コホート分析はなぜ重要なのか

コホート分析では、見込み客の「定着率」(=ユーザー維持率)を把握することができます。

一般的に、新規顧客を獲得するよりも既存顧客の売上を向上させたほうが、コストを抑えて利益を向上させることができると言われていますが、コホート分析で定着率を把握しデータを活用することで既存顧客の売上向上に繋げることができるため、重要とされています。

また、以下のような効果やメリットがあります。

①維持率を向上させる施策のひとつの指標

コホート分析は、おもに顧客維持率を分析する際に活用されます。
「新規獲得した会員」や「初めてサイトに訪問したユーザー」を時期別に分けておくことで、どれほど顧客を維持できているのかを分析することができます。

時期ごとに分けたコホートを比較し、「以前会員登録したコホート」よりも「最近会員登録したコホート」のほうが解約率が低ければ、顧客維持率を向上できていることが分かります。

②サブスクリプションサービスの売上向上

定額制で利用できる「サブスクリプションサービス」や、インターネットを経由してアプリケーションをレンタルする「SaaS型サービス」が近年増加しています。
サブスクリプションサービスが利益を上げるためには、いかに解約率を下げ継続してもらえるかが重要です。

コホート分析は、新規ユーザーの解約率を把握したり、維持率を向上させたりする施策に役立たせることができます。

③マーケティング施策に役立つ

コホート分析では、ユーザーが離脱するタイミングがわかるので、マーケティング施策を考える際の参考になります。

たとえば、「ユーザーを獲得した日から◯日後に維持率が低下する」ということがわかれば、そのタイミングに合わせてクーポンを配布したりリマーケティング広告を配信したりすることが可能です。

ほかにも、性別や年齢、社会的な属性ごとの行動傾向が分かれば、新しい施策のヒントを得ることができます。

3.GA4でコホート分析の設定をする方法

コホート分析は、GA4(Google Analytics 4)で行うことが可能です。GA4のコホート分析では、「ユーザを初獲得した日」をグループ化したうえで、定着率やコンバージョン数などの分析が行えます。

コホート分析をするときは事前に設定をする必要がありますので、GA4におけるコホート分析の設定方法について説明します。

難しい作業はなく2分くらいで設定は完了するので、ぜひ活用してみてください。

コホート分析の設定方法

基本の設定方法

① Google アナリティクスにログインする
② 左側にある [探索] を選択
③ データ探索ワークスペースが表示される
④ 画面上部の [テンプレート ギャラリー] をクリックし、[コホートデータ探索] テンプレートを選択
⑤ [登録条件] を定義: コホートにユーザーを追加する条件を選択
⑥ [リピートの条件] を設定: 追加したユーザーが引き続きコホートに残るために必要な条件を選択
⑦ 異なる日付のコホートを分析し、時間の経過に伴うユーザー行動の変化を確認する

4.GA4でコホート分析する方法

コホート分析の画面

次に、コホート分析の画面の見方についてみてみましょう。

コホート分析の画面では、一番左の列には日付、一番上の行にはユーザーを獲得してから経過した日数が表示されています。

なお、リピーターが多いほど、数値記載欄の色が濃くなります。
「訪問から○日後にメルマガを配信すると再訪率の低下が抑えられる」など、施策の効果を測定するひとつの指標として活用できます。

5.コホート分析の活用方法

最後に、コホート分析をWebマーケティングや集客に活用する方法について紹介します。

①ユーザー数・PV数が減るタイミングで施策を打つ

先述した通り、コホート分析を行えば、ユーザーがサイトを再訪しなくなるタイミングや、PV数が減少するタイミングを分析できます。

②新規顧客の獲得数を把握する

ユーザーが減少するタイミングがわかっていれば、「新しいユーザーをいつまでに・どれくらい集めればいいのか」を分析できます。
ユーザーの増加・減少の傾向を正確に把握することで、計画的に新しい施策を考案したり収益の予測を立てたりすることができます。

③キャンペーンの効果測定ができる

コホート分析では、キャンペーンごとの成果を把握できます。
キャンペーン別にユーザーあたりの行動や収益が分析できれば、次回のキャンペーンに活かすことができます。どのキャンペーンにどれほど力を入れればいいかがわかるので、予算や人員の配分を最適化をしましょう。

6.まとめ

自社サイトの集客率や売上アップには、継続してサイトを訪問してくれる人を増やすことが必要です。会社やWebサイトへの認知度を維持させるためにも、コホート分析を活用していきましょう。

コホート分析などのユーザーの動向分析は人手や時間がかかりますが、安定的にサイトを成長させていくには欠かせない作業です。成果の伸び悩みや、サイト運営の不安がある方々は試してみてはいかがでしょうか。