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今回の記事では、BtoBマーケティングについて解説をします。
BtoCとの違いや、BtoBマーケティングの具体的な流れについても解説しています。
目次
1.BtoBマーケティングとは?
BtoBとは
BtoBは「Business to Business」の略で、企業が企業に向けて商品・サービスを提供するビジネスモデルです。
<BtoBの例>
・法人向けの融資
・自動車部品の納品
・企業の経営コンサルティング
・業務用加工食品の卸し
一方で「BtoC」と呼ばれるビジネスモデルが存在します。
こちらは「Business to Customer」の略で、企業が一般の消費者に向けて商品・サービスを提供するビジネスモデルです。
BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
・単価
BtoCのような個人の消費とは違い、BtoBでは高単価な商品やサービスが多く存在します。
・決定者
BtoCの場合は、購入する本人、もしくはその家族が承諾すれば購入が決まります。
しかしBtoBの場合、複数の担当者や役職者の理解を得て、最終決定の権利を握っている人物に承諾してもらう必要があります。
BtoCと比べ、非常に複雑です。
・顧客の数
BtoCの場合は個人が対象となるため、顧客の数は多くなります。
BtoBの場合は企業が対象となるため、顧客数が非常に限られていきます。
・購入の理由
BtoCの場合は個人が購入するため、「使いやすい」「かっこいい」などの理由でも購入されますが、BtoBでは基本的に“企業の利益になるか”という視点で商品やサービスが選ばれます。
・検討期間
BtoCの場合は基本的に個人が意思決定をするため、購入までの決定を早くすることが可能です。
しかしBtoBの場合は、社内の様々なスタッフに確認を取り決定しなければいけないケースが多いため、BtoCと比べると検討期間が長くなりやすいです。
2.マーケティングの4Pと4C
マーケティングでは「4P分析」「4C分析」と呼ばれる手法があります。
それぞれ解説していきます。
売り手側の視点「4P」
Product(製品)戦略
機能・品質・デザインなどを検討し、製品を開発します。
Price(価格)戦略
利益を確保しながら、消費者に選ばれる価格帯を設定します。
Promotion(プロモーション)戦略
CM、Web広告、チラシ、紹介など、様々な方法を検討しプロモーション戦略を練ります。
Place(流通≒チャネル)戦略
製品・サービスを消費者へ届ける方法を検討します。
買い手側の視点「4C」
Customer Value(顧客価値)
商品名・サービス名、パッケージデザイン、ブランド、品質 などをもとに、購入するか否か判断を下します。
Customer Cost(顧客が負担するコスト)
価格、支払方法、商品の買い替え時期 などをもとに判断します。
Communication(顧客とのコミュニケーション)
イベント、Webサイト、SNS、展示会 などで接触し、商品やブランドについて認知します。
Convenience(顧客の利便性)
商品が届くまでの時間、店頭販売かオンラインか、コンタクトが取りやすいか、決済方法 などから利便性を判断します。
3.BtoBマーケティングの流れ
BtoBマーケティングの基本的な流れは、以下のようになります。
USP調査(自社の強みの明確化)
ペルソナの決定(顧客像理解)
リードジェネレーション(リード獲得)
リードナーチャリング(リード育成)
リードクオリフィケーション(リード選別)
インサイドセールス(商談設定)
フィールドセールス(営業)
カスタマーサクセス(顧客満足)
リピート/アップセル/クロスセル(ファン化)
4.3C分析によるUSP調査
3Cとは、Customer(市場・顧客)、Competitor(競合)、Company(自社)のこと。
USPとは「Unique Selling Proposition」の略で、「独自の強み」という意味です。
3Cを分析し自社サービスの強みを知ることがBtoBマーケティングにおいても重要となります。
市場調査
市場をマクロの視点とミクロの視点、両方で捉えることが必要です。
競合調査
競合の売り上げ、市場シェア、製品の強み・弱みなどを分析します。
自社分析
自社の売り上げ、市場シェア、販路、技術力など様々なポイントを分析し、自社の強み・弱みを導き出します。
5.ターゲットペルソナの決定
ペルソナとは、商品やサービスを利用するユーザー像のことです。
「ターゲット」と違う点は、「ペルソナ」のほうがより深く詳細な人物像を設定する点です。
ペルソナの設定では、次のような点に注意する必要があります。
・1人設定すべきか、複数人設定すべきか考える
・先入観をできる限り取り除く
・ほかの人とイメージを共有できるようにする
・定期的に見直す
BtoBのペルソナ設定の例は以下の通りです。
<組織のペルソナ設定>
・従業員100名の住宅リフォーム会社
・オフラインでの営業に力を入れていて、Web集客が上手くいっていない
・Web経由の集客を増やしたい
<担当者のペルソナ設定>
・広告担当
・オフラインでの集客は上手くいっていたが徐々に集客率が減っており、Web集客の戦略を練っているがなかなか結果が出ない
・情報を収集し戦略を考え、上司からの許可をもらう立場
<担当者のペルソナ設定>
・35歳 男性
・家族構成:妻、息子1人の3人家族
・年収:800万円
・役職:マーケティング部署 主任
・勤務先:世田谷区 三軒茶屋駅 近辺
・業務内容:マーケティング全般。
・業務上のゴール:Web経由での集客数(MQL)を増やす。SQLについては営業部署担当の比重が高い。
・ゴールへの課題:オフラインでの集客は上手くいっていたが徐々に集客率が減っており、Web集客の戦略を練っている。顧客の年齢層が40~80代と比較的高いため、その年齢層に対してどのようにオンラインのアプローチをするべきか、最適な手段を検討している。
・社内での立場:情報を収集し戦略を考え、部長からの許可をもらい実行する立場。
・趣味:キャンプ、ドライブ
・パーソナリティ:落ち着いた性格。コミュニケーションを積極的に取ることに対して苦手意識があるため、他部署間とのやり取りが少なくなりがち。現場の意見も取り入れるために営業部署とのコミュニケーションを図らなければいけないと感じている。感情に振り回されずデータに基づいて意思決定することが多く、上司からも信頼されている。
6.リードジェネレーション(リード獲得)
リードジェネレーションとは、自社商品・サービスの見込み顧客(=リード)を獲得することです。
リードジェネレーションには、以下のような手段が挙げられます。
テレアポ
WEB広告
└リスティング広告
└ディスプレイ広告
展示会出展
└展示会
└オンライン展示会
コンテンツマーケティング
ホワイトペーパー
ウェビナー
SNS
└BtoBで利用するべきSNS
└Facebook
└Linkedin
└YOUTRUST
└アカウント運用
└広告
ホワイトペーパー
異業種交流会
テレビ / ラジオCM
交通広告
これらの手段を用いて、リードを獲得します。
リード獲得手法については下記の記事にて詳細に解説しています。合わせてご覧ください。
7.リードナーチャリング(リード育成)
リードナーチャリングとは、獲得した見込み顧客(=リード)の購入意欲を高め、将来的な受注につなげていくマーケティング方法です。
リードナーチャリングには以下のような手段が挙げられます。
メールマーケティング
セミナー開催
ebookなどの読み物
リターゲティング広告
MA(マーケティングオートメーション)の活用
代表的なMAの種類
パードット
ハブスポット
シャノン
マルケト
カイロス
バウナウ
SATORI
KARTE
Zoho
ABM
(ABMとは「Account Based Marketing」の略で、BtoBマーケティング戦略の一種。
自社にとって高い価値を持つ顧客をターゲット・アカウントとし、そのアカウントからの売り上げの最大化を目指すこと。)
これらの手段を利用し、リードの購買意欲を高めていきます。
8.リードクオリフィケーション(リード選別)
リードクオリフィケーションとは、顕在化した見込み顧客(=リード)から、購入の可能性が高い見込み顧客を選別することです。
MQL(Marketing Qualified Lead)とSQL(Sales Qualified Lead)を選別する必要があります。
MQL
企業のマーケティング活動によって生み出された見込み客
SQL
日々の営業活動によって生み出された見込み客
MQLはマーケティング部門が担当し、SQLは営業部門が担当している場合が多いでしょう。
また、一般的にMQLよりもSQLの方が、商談がスムーズとされています。
MQLは高度な営業が必要となる場合もあるため、ついSQLを優先して目標数字を達成しようとしてしまいます。
しかし長期的に見るとMQLも重要となるため、両方の部門の協力体制が必要です。
9.インサイドセールス(商談設定)
インサイドセールスとは、顧客のもとに訪問せず、メールや電話等でやり取りをすることです。
インサイドセールスの中でも、「BDR」と「SDR」が存在します。
BDR
「Business Development Representative」の略。
新規顧客を見つけるためにアプローチをする組織のことです。
担当者が自らアポを取ったりメールを送ったりして新規顧客との接点を作り、売上を作るのがBDRの主な仕事です。
SDR
「Sales Development Representative」の略。
顧客からの問い合わせを受けて対応する組織のことです。
「反響型」とも呼ばれます。資料請求や展示会などさまざまな経路で問い合わせを獲得します。Webサイトの管理やSNSの投稿もSDRの仕事となります。
10.フィールドセールス(商談)
フィールドセールスとは、顧客のもとへ訪問して商談を行うことを指します。
インサイドセールスとは対義となるセールスです。
対面することが重視される場面もあるため、インサイドセールスとフィールドセールスのどちらが優れている とは言い切れません。
インサイドセールスを進めたうえで、その中の見込みが高い顧客に対してフィールドセールスを行うと良いでしょう。
11.カスタマーサクセス(顧客満足)
カスタマーサクセスとは、企業のサービスを利用している顧客に対し能動的に関わっていき、「顧客の成功体験の実現」をする職種です。
「カスタマーサポート」は受動的な“お問い合わせ窓口”というイメージですが、カスタマーサクセスは能動的であることが大きな違いです。
顧客からの問い合わせが来たときだけでなく、企業自ら顧客の課題解決のために関わっていく接し方です。
特に近年増加しているサブスクリプション型のサービスを展開する企業に、このカスタマーサクセスの職種が設けられます。
顧客との関係を良好に保つことで顧客がファンとなり、さらに上位のサービスを利用したり、追加購入をすることなどが期待できます。
12.カスタマーサクセス(顧客満足)
カスタマーサクセスとは、企業のサービスを利用している顧客に対し能動的に関わっていき、「顧客の成功体験の実現」をする職種です。
「カスタマーサポート」は受動的な“お問い合わせ窓口”というイメージですが、カスタマーサクセスは能動的であることが大きな違いです。
顧客からの問い合わせが来たときだけでなく、企業自ら顧客の課題解決のために関わっていく接し方です。
特に近年増加しているサブスクリプション型のサービスを展開する企業に、このカスタマーサクセスの職種が設けられます。
顧客との関係を良好に保つことで顧客がファンとなり、さらに上位のサービスを利用したり、追加購入をすることなどが期待できます。
13.リピート/アップセル/クロスセル(ファン化)
アップセル
購入を検討している製品・サービスより、上位の製品・サービスを勧めて購入を促す手法です。
クロスセル
購入を検討している製品・サービスに関連しているものを一緒に勧める手法です。
飲食店でハンバーガーを注文された時に「ドリンクもいかがですか?」と勧めるのもクロスセルにあたります。
アップセル・クロスセルを行なうメリットの1つとして、「企業のファンになりリピートする確率を上げられる」ということがあります。
顧客の役に立つようなサポートサービスを一緒に勧めたり、上位サービスを勧めて満足度を上げたりすることで、信頼感が上がりファン化する可能性が期待できます。
14.まとめ
解説は以上です。
簡単にまとめると次のようになります。
・BtoBマーケティングとBtoCマーケティングの違い
単価、決定者、顧客の数、購入の理由、検討期間などが異なる
・BtoBマーケティングの流れ
USP調査(自社の強みの明確化)
↓
ペルソナの決定(顧客像理解)
↓
リードジェネレーション(リード獲得)
↓
リードナーチャリング(リード育成)
↓
リードクオリフィケーション(リード選別)
↓
インサイドセールス(商談設定)
↓
フィールドセールス(営業)
↓
カスタマーサクセス(顧客満足)
↓
リピート/アップセル/クロスセル(ファン化)
BtoCマーケティングとの違いに注意しながら、マーケティング部門・営業部門双方で協力し合い戦略を練っていきましょう。
戦略の設計方法については下記の記事を参照ください。