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デジタルマーケティングでは一般的にデジタル(Webや広告)上でのトラッキングに基づき、コンバージョンを計測します。
しかし、実際のビジネスではデジタル上でのコンバージョンに対して、オフライン上で価値が付くケースがあります。
オンラインだけで計測を行っている場合、オフラインでの価値が加味されておらず、デジタル上の戦略・運用に活かされていません。
そこでオフラインでのコンバージョン(オフラインコンバージョン)も加えて把握することで、効果的なWEB広告戦略を構築することができるようになります。
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本記事では、オフラインコンバージョンをこれから導入する方に向けて、オフラインコンバージョンの基本から導入ステップまでをご紹介します。
1.オフラインコンバージョンとは?
まずはじめに、オフラインコンバージョンとは何なのか。通常のコンバージョンと何が異なるのか、その重要性についても見ていきます。
1.1 オフラインコンバージョンとは?
オフラインコンバージョンとは、ユーザーのオフライン行動をコンバージョンとして設定し計測することです。
これは、ユーザーがWEB広告やキャンペーンに反応し、最終的に実店舗で商品を購入したり、サービスを利用したりするオフライン上での行為を指します。
1.2 オンラインコンバージョンとの違い
オンラインのコンバージョンは、主にウェブサイト上でのユーザー行動に焦点を当てています。例えば、WEB広告をクリックしてウェブサイトを訪れ、ECサイトで商品を購入する行為がオンラインコンバージョンです。
一方で、オフラインコンバージョンはオフラインでの実際の行動や購買に焦点を当てています。
店舗への来店や商品の実際の購入などが該当します。
1.3 オフラインコンバージョンの重要性
ECサイトのみで商品を販売しているなど、オンライン上で購入までのプロセスが完結している場合は、オフラインコンバージョンを意識する必要性はありません。
しかし、店舗を運営しているなどのオフラインでの成果が大切な場合、オフラインコンバージョンは、デジタルマーケティングの全体像を正確に把握し、効果的な戦略を構築する上で欠かせません。
なぜなら、オフラインでの成果とWEB広告などを紐づけることで、より精緻な広告戦略やターゲティングが可能となるからです。
オフラインコンバージョンのデータは、オンラインとオフラインの相互作用を理解し、マーケティング戦略をより戦略的かつ効果的に進化させる手助けとなります。
1.4 オフラインコンバージョンの主なコンバージョンポイント
来店コンバージョン
店舗への来店をコンバージョンポイントとします。
WEB上で予約を受け付けたとしても、その時点では来店することも確定しておらず、売上も発生していないためです。
美容室や宿泊施設などのWEB予約から来店という場合や飲食店や自動車ディーラーなどのローカル検索と相性がいい場合に有効になります。
ただし、スマホの位置情報機能を利用して計測するため、オフにしている場合計測漏れが発生してしまいます。
電話コンバージョン
電話で商品購入や申し込みを受けたところをコンバージョンポイントとします。
オンラインでの通販を行っていてWEBだけでなく、電話による商品購入を受け付けているケースです。特に高齢者を対象とする商品などで重要になることが多いです。
電話コンバージョンはWEB上でイベントトラッキングを設定するか、電話計測サービスを導入することで計測できます。
実店舗での購入コンバージョン
実店舗での商品購入やサービスの利用をコンバージョンポイントとします。
実店舗での購入とWEB広告は連携して活用できる情報を取得しづらいため、基本的には来店と電話の2つをコンバージョンポイントとすることが多いです。
2.オフラインコンバージョンを活用すべき事業
次にオフラインコンバージョンを効果的に活用できるのはどのような場合か、具体的に見ていきます。
2.1 実店舗がある場合(小売業、サービス業)
実店舗を有する小売業は、オフラインコンバージョンの計測が特に重要です。
ウェブ広告やオンラインプロモーションが顧客を引きつけ、最終的に店舗での購買に結びつくケースが多いからです。
また飲食、旅行、宿泊、美容院、人材紹介など、サービスを提供する業種では、事前予約からオフラインでのアクションが中心となります。オンラインでの広告がオフラインでの予約やサービス利用にどれだけ影響を与えているかを知り、マーケティング戦略を最適化することができます。
2.2 購入までの検討時間が長い場合(自動車、保険、不動産など)
特に高額で検討が必要な製品や、実物の特性や品質が購買の決定に影響を与える場合、オフラインコンバージョンの計測が有益です。ユーザーがオンラインで情報を収集した後、実店舗で商品を見て触れることで購買に至るケースが多いためです。
3.オフラインコンバージョンを計測するメリット
オフラインコンバージョンを計測することには多くのメリットがあります。
ここではメリットを把握することで、計測したデータの活かし方を理解します。
3.1 正確な広告ROIの把握
オフラインコンバージョンの計測により、オンライン広告やデジタルマーケティングの投資対効果(ROI)を正確に評価できます。どの広告がオフラインでの成果に直結しているかを把握することで、予算を最適化し、収益性の高い広告キャンペーンに資源を集中できます。
3.2 ターゲット広告の最適化
オフラインコンバージョンデータをWEB広告に紐づけることで、特定の広告やキーワードが実際の店舗訪問や商品購入にどれだけ寄与しているかを把握できます。これにより、ターゲティングをより精緻に調整し、効果的な広告キャンペーンを展開できます。具体的なデータに基づく最適化は、広告費の無駄を削減し、成果を最大化することにつながります。
3.3 顧客行動の把握による購買プロセスの最適化
オンライン、オフライン問わず顧客行動を把握し、それらを紐づけ、可視化することで、顧客理解が深まります。取得したデータを分析することでより顧客に寄り添った商品・サービス提供が可能になり、顧客満足度や売上の向上につながります。
4.オフラインコンバージョン計測の仕組み
ここではオフラインコンバージョン計測の仕組みを説明します。
まず、広告からサイトにアクセスしたとき、クリックIDと呼ばれる識別子を付与し、ユーザーの顧客情報と結び付けておきます。
そのあと、同一のユーザーがオフラインでコンバージョンしたとき種類や日時情報などの詳細情報を記録し、そのデータを広告にインポートすることで、付与されているクリックIDを見ることでオンライン上でどのような行動をしていたユーザーなのか確認できるというわけです。
5.オフラインコンバージョンの設定方法
オフラインコンバージョンデータは各広告媒体にインポートできますが、ここでは最も需要が高いと考えられるGoogle広告の場合について設定方法を説明します。
5.1 インポート用ファイルを用意してコンバージョンデータをインポートする場合
参考:ファイル(従来版)を使用して、広告のクリックを経由したコンバージョンのデータをGoogle広告にインポートする
- コンバージョンアクションの作成
1.Google広告で「ツールと設定」から測定の欄にある「コンバージョン」を選択
2.「新しいコンバージョンアクション」を選択
3.「インポート」を選択
4.「APIまたはアップロードを試用して手動でインポートする」
→クリック経由のコンバージョンをトラッキング
5.「目標とアクションの最適化」→アクションを選択
「コンバージョン名」→分かりやすい名前を入力
「値」→コンバージョンそれぞれに価値を割り当てます。
「クリックスルーコンバージョンの計測期間」→最大90日間
6.「作成して続行」を選択
7.「GoogleクリックIDで続行」を選択
GoogleクリックID(GCLID)を設定していない場合これは出てきません。
Google広告のヘルプページを参考に設定を行いましょう。
参考:GoogleクリックID(GCLID)を使用してオフラインコンバージョンのインポートを設定する
- オフラインコンバージョンデータをインポート
1.Google広告で「ツールと設定」から測定の欄にある「コンバージョン」を選択
2.「アップロード」を選択し、⊕ボタンを選択
3.アップロードするファイル形式とファイルを選択し適用
※定期インポートを行う場合は「スケジュール」から可能です。
※インポート用のファイル作成項目例
アドレスを入力する | |
Phone Number | 電話番号を入力する |
Google click ID | 顧客管理ツールに保存されたGCLIDを呼び出す |
Conversion Name | オフラインコンバージョンを測定したい コンバージョンアクションの名称 |
Conversion Time | yyyy-MM-dd HH:mm:ss+zの表記で記載する 例:2012-08-14 13:00:00+0900 |
Conversion Value | 通貨での値または 1~10 などの相対値を記載する。 |
Conversion Currency | 記載不要。 |
5.2 外部のCRMからコンバージョンデータをインポートする場合
Google広告アカウントを外部のツールと統合することで、CRMシステムからのコンバージョンのコンバージョンのインポートを自動化することができます。
使用できるツールはSalesforce、Hubspot、Zapierの3つです。
詳細は次のGoogle広告のヘルプページを参考にしてください。