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リスティング広告の運用において
商品やサービスの数が多過ぎて、キーワードの傾向をつかめない、
新しく広告出稿を始めたいけれど、ユーザーが検索する可能性のあるキーワードがわからない。
上記のような商品数が多いサイトやコンテンツの充実した大規模サイトの広告運用をするのは大変ですよね。加えて、検索語句のトレンドは、日々変化していくので全てを把握しコントロールすることは至難の業です。
そんな時に運用を助けてくれるのが、動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)です。
今回は、動的検索広告について、その仕組みやメリット、設定方法など詳しくご紹介します。
目次
1.動的検索広告(DSA)とは
動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)は、Google広告の検索連動型広告における機能の一つです。
検索キーワードを登録する代わりに、対象となるWEBページを登録します。
そのWebページと関連性の高いキーワードで検索しているユーザーに対して、GoogleがWebサイトの内容にあった広告を自動で生成し、出稿できる配信方法で、広告クリック後の遷移先URLも自動で選定されます。
通常「キーワード選定&登録」や「広告文の作成&登録」といった業務が発生しますが、これらをGoogle側が自動で行ってくれます。
Googleによると、リスティング広告において広告運用者が設定したキーワードのなんと70%が、ユーザーが検索する語句と一致しないそうです。
人間の力で7割取りこぼしている検索語句の選定を、動的検索広告(DSA)の力を借りることでカバーできる割合が増加します。
また、通常必要である「キーワード選定&登録」や「広告文の作成」といった、業務にかかるリソースを抑えることもできます。
2.動的検索広告(DSA)の仕組み
動的検索広告は以下に示す3つの流れで広告が表示されます。
①広告配信の対象となるURLを管理画面にて設定します。
②Googleが①のURLをクロールして情報を読み取り、各ページの内容をインデックスします。
③ユーザーが②のページと関連性の高いキーワードで検索した際に、広告見出しとURLをユーザーに合わせて自動生成し、広告を表示します。(※説明文は従来同様、手動で設定したものが表示されます。)
従来の広告配信手法と大きく異なる点は、ページのURLのみを設定する部分です。
②でクロールの対象となるURLは以下の5つです。
・すべてのWebページ
・カテゴリ指定
・現在使っているランディングページ
・ページフィード
・特定のWebページ
配信目的とページの構成によって柔軟に変更できます。
3.動的検索広告(DSA)のメリット
3.1 想定していないキーワードを発見できる
動的検索広告では、インデックスされたWEBページとユーザーの検索語句の関連性に基づいて広告が作成されます。
そのため、WEBページ内にある「商品番号」などの具体的なキーワードや、3語以上のロングテールキーワードに対して広告を表示できる可能性があります。
また先述した通り、リスティング広告において設定したキーワードの70%が、ユーザーが検索する語句と一致しません。
そういった、想定することが難しいキーワードを発見する事にも役立ちます。
3.2 広告設定の負担が軽減される
キーワードの選定や登録、そして見出文の作成などの広告設定の負担は、ECサイトなど情報量が膨大になるに伴って負担も膨大になります。動的検索広告を活用すれば、作業が自動化されるため運用者の手間を削減できます。
また、動的検索広告は対象のページをGoogleが常にクロールしているため、
市場ニーズをいち早く読み取り、素早く対策を打つことができますので、更新頻度が高いサイトにも向いていると言えます。
3.3 成果改善が見込まれる
これまでお伝えしてきた動的検索広告の仕組みをまとめると、下記のような特徴があります。
・ 競合性の低い(クリック単価の低い)キーワードに出稿できる
・特定の商品など具体的なキーワードで検索する層にアプローチできる
・ランディングページが検索キーワードとマッチしている
顕在層にクリック単価の低いキーワードで出稿でき、ランディングページとも親和性が高いため、コンバージョン単価を抑えることができます。
4.動的検索広告(DSA)のデメリット
キーワード毎の入札単価は調整できないため、入札したくないキーワードにも配信されてしまいます。
動的検索広告は自動で広告配信してくれるとても便利な機能ですが、放置していると想定外のキーワードに入札していたりする可能性もあります。
そのため、広告を表示させたくないキーワードは事前に「除外キーワード設定」を行うなど、定期的なメンテナンスは必要となります。また、リンク先URLとして設定されたら困るページも予め除外しておきましょう。
4.2 広告見出しをコントロールできない
動的検索広告(DSA)では、広告見出しの表現もコントロールできないため、広告主の狙っているイメージと異なる文言が表示される可能性があります。説明文は自分で設定できます。
時には日本語的に変な広告文が表示されるなど、表現したいイメージとは異なる文言が表示される可能性があります。
4.3 サイト内に誤字脱字がある場合もその文言が適用される
設定しているサイト内に誤字脱字など、ふさわしくない文言がある場合そのまま配信される可能性があるため、事前にサイト内をよく見直す必要があります。
5.動的検索広告(DSA)の導入をおすすめする業界
次に、動的検索広告を導入するにあたりおすすめの業界をご紹介します。
・型番など検索需要があるサイト
例えば、工具などサイズや名称が細かく、数も多い商品を扱うサイトでは、型番を一つ一つ登録し、入札するには運用コストが大きい上、登録漏れも発生します。動的検索広告であれば型番系のキーワードは網羅でき、取りこぼすことなくユーザーを誘導できる可能性が高まります。
・ECサイトなど商品の数が多いサイト、情報の更新頻度が高いサイト
ECサイトのような商品点数が膨大になりやすいサイトや、コンテンツが充実した大規模なサイトでは、キーワード選定や広告文作成に膨大な時間がかかります。しかし、動的検索広告なら、自動でページ指定と広告文の作成がなされるため、圧倒的に管理しやすくなります。また、市場ニーズをいち早く読み取り素早く対策を打つことができますので、情報の更新頻度が多いサイトに対しての相性も高いです。
・SEO対策がしっかりとされているサイト
動的検索広告は登録されたサイトの情報をSEOのルールに従って読み取ります。サイトのタイトルタグや見出しタグの情報も読み取る対象になります。そのため、SEO対策がしっかりとされているサイトにも最適と言えます。
自社サイトでSEO対策がしっかりと行われているかい一度確認してみましょう。
6.動的検索広告(DSA)の設定方法
では実際に設定方法を確認してみましょう。
大まかな流れは、以下のようになります。
・動的検索広告用キャンペーンを作成
・広告グループの設定
既存のキャンペーンに動的検索広告(DSA)を組み込む場合は、広告グループの作成から見てください。
STEP1 動的検索広告(DSA)用のキャンペーンを作成する。
※広告グループ内からでも作成することができます。
対象アカウントの「キャンペーン」→「+」→「新しいキャンペーン」にクリックします。
該当する達成目標を選択します。
「検索」のキャンペーンタイプを選択します。
該当する達成目標を選択し、「続行」をクリックます。(「ウェブサイトへのアクセス」を選択する場合はサイトのURLを入力)
STEP2 全般設定
キャンペーン名を入力し、「ディスプレイネットワーク」のチェックを外します。「詳細を全て表示」をクリックします。
使用するドメインを入力します。「WEBサイトのGoogleインデックスを使用する」にチェックが入っているか確認します。
地域を、該当する項目にチェックを入れます。言語を、該当する言語に設定します。
予算と、入札単価を入力します。
入札単価は、通常の検索広告キャンペーンに影響を及ぼさないよう、登録されているキーワードよりも低く設定しましょう。
必要に応じて広告表示オプションを設定し、「保存して次へ」をクリックします。
STEP3 広告グループの設定
広告グループの種類を「動的広告」に設定します。
「広告グループの種類を変更しますか?」と出たら「続行」をクリックします。
広告グループ名を設定し、Webサイト内のどのコンテンツに対して広告を表示するかを設定します。
ここでは「この商品カテゴリだけ」などと細かく設定できますが、
まずはターゲットを広くし広告を表示させるため、「すべてのウェブページ」を選択しましょう。
「保存して次へ」をクリックします。
STEP4 広告を作成する
動的検索広告(DSA)は説明文については自分で設定する必要があります。汎用性の高い文章を選びましょう。
説明文1と2に説明文を作成したら、「保存して次へ」をクリックします。
「キャンペーンに進む」をクリックすると、管理画面に戻ります。
この後、Googleによる審査があります。通常であれば1時間程度で終わります。
7.動的検索広告(DSA)の注意点
以下のような場合にも動的検索広告(DSA)は効果を発揮できないため推奨できません。
・ウェブサイトが頻繁に変更される場合(日替わりセールなど)
・Flashコンテンツや画像を主に含むサイト
・コンテンツの大半を閲覧するためにログインが必要なサイト
(引用:Googleヘルプ)
これまでお伝えしたように配信を開始する際に、Googleクローラーによる審査が行われます。その際にクロール出来ないページ(500エラーなど)があると、審査落ちしてしまいます。事前にサーチコンソールなどを用いて、エラーがないかチェックしておきましょう。
デメリットとも重複しますが、キーワードやURLに関しては定期的なメンテナンスが必要です。幅広いキーワードに入札されるため、除外キーワードの設定や表示させたくないURLの除外設定しておきましょう。
URLの除外設定は通常とは異なりますので注意が必要です。
設定の仕方は以下になります。
①除外動的広告ターゲット」を選択
②追加先を選択
③「URL を個別に指定する」か「対象とするウェブページのルールを設定する」を選択 (「対象とするウェブページのルールを設定する」を選択した場合、設定したURL以降は配信除外できます。)
④除外したいURLを入力
⑤追加を選択
⑥保存
8.まとめ
今回は動的検索広告(DSA:Dynamic Search Ads)の特徴や設定方法について紹介してきました。
動的検索広告は、GoogleがWebサイトの内容にあった広告を自動で生成し出稿できる機能で、規模の大きいECサイトの広告運用の負担を大幅に削減することができます。
人の力では網羅しきれないキーワードを捉えることもできますので、デメリットや注意点を把握してぜひ運用にしたい機能です。
動的検索広告をバランスよく上手に活用し、最大の成果が得られるよう改善していきましょう。