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YouTube動画市場の拡大に伴い、動画広告で大きな成果が上がるケースも増えています。
今、リスティング広告やディスプレイ広告で成果が出ていない場合でも、YouTube動画広告によって成果を上げられる可能性があります。
今回は、YouTube動画広告の費用についてと、YouTube動画広告の効果を最大化させる方法を解説します。
目次
1.YouTube広告の費用が発生する仕組みは3種類
まず、YouTube広告の費用が発生する仕組みについて解説します。
YouTubeにおける動画広告・静止画広告は、Google広告にて管理・運用されます。
広告費用は入札(オークション)で発生します。
予算を広告主が決めることができるため、限られた予算内で運用が可能です。
入札金額と合わせて、広告の品質がGoogleに評価されたうえで配信が決定します。
広告費用を準備するのはもちろんのこと、クリエイティブの面にも力を入れるとよいでしょう。
課金形式はCPC、CPV、CPMの3種類があります。
・CPC(Cost Per Click)
広告リンクを1回クリックされるごとに課金される。
・CPV(Cost Per View)
動画広告を視聴されると課金される。
ユーザーが動画を30秒間(30秒未満の広告の場合は最後まで)視聴したか、30秒経つ前に動画を操作した場合。
・CPM(Cost Per Mille)
1000回表示されるごとに課金される
課金形態 | 広告配信型式 |
---|---|
CPC | インフィード動画広告 オーバーレイ広告 ディスプレイ広告 |
CPV | スキップ可能なインストリーム広告 |
CPM | アウトストリーム広告 バンパー広告 アウトストリーム広告 マストヘッド広告 オーバーレイ広告 ディスプレイ広告 |
広告の種類については、こちらの記事で詳しく解説をしています。
2.初めてYouTube広告に取り組む際の予算
広告費を自由に設定できる分、「広告費はどれくらいかけるべきだろう?」とお悩みになる方も多いと思います。
YouTube広告は目的や予算に応じて低予算から出稿することが可能です。
効果を出すには、最低でも月に10万円以上は費用をかけたほうがいいでしょう。
10万円未満になると、効果がでないことはもちろん効果測定もしにくくなると思われます。
しかし、商品・サービスの種類や、競合他社の有無によっても効果の出る金額が変わってきます。
まずは10万円以上を運用してみて、それから調整していきましょう。
3.YouTube広告の形式は8種類
YouTubeに掲載できる広告は、大きく分けると「動画広告」「静止画広告」の2種類です。
動画広告は6種類、静止画広告は2種類、計8種類の広告から選ぶことができます。
動画広告 | 静止画広告 |
---|---|
スキップ可能なインストリーム広告 スキップ不可のインストリーム広告 インフィード動画広告(旧 TrueViewディスカバリー広告) バンパー広告 アウトストリーム広告 マストヘッド広告 | オーバーレイ広告 ディスプレイ広告 |
先述したCPC、CPV、CPMと合わせて、どの広告が効果的か検証しながら選択することをお勧めします。
4.YouTube広告の効果
では次に、「YouTube広告の効果はどれくらいあるのか」という点を解説します。
Web広告でよく利用される「リスティング広告(検索連動型広告)」や「ディスプレイ広告」と比較します。
仮に30万円/月を広告費とした場合の比較を行います。
※数字は商材によって異なります。
【リスティング広告(検索連動型広告)】
比較のために、リスティング広告の平均CVR(コンバージョン率)を設定します。
CVRは業種によって変わりますが、ここではCVRを1%として計算します。
また、CPC(1クリックあたりの単価)の平均についても80円~1000円と幅がありますが、ここではCPCを200円とします。
30万円 ÷ CPC 200円= 1500 クリック
1500クリック × CVR 1% = 15(CV)
こちらの計算では、
月30万円の費用をかけてCV(コンバージョン)が15件となりました。
【ディスプレイ広告】
CVR 0.2%、CPC 60円 とします。
30万円 ÷ CPC 60円 = 5000クリック
5000クリック × CVR 0.2% = 10(CV)
こちらの計算では、
月30万円の費用をかけてCVが10件となりました。
【YouTube広告】
YouTube広告の平均CVRは2%程度と言われています。
CPCは50円~150円と言われているため、ここでは100円とします。
30万円 ÷ CPC 100円 =3000クリック
3000クリック × CVR 2% = 60(CV)
こちらの計算では、
月30万円の費用をかけてCVが60件となりました。
YouTube広告の効果が高い理由としては、他の広告よりもCVRが高い点が挙げられるでしょう。
また、動画内の訴求の方法によって商品やサービスの認知向上、比較、購買促進を狙うことができます。
動画のコンセプト作りの段階でこのような点も意識しておくと効果が高くなります。
5.YouTube広告用動画を作る手順
YouTube広告動画を制作する基本的な流れは、以下のようになります。
① 広告の目的・コンセプトを設定する
② 動画の構成を決める
③ 必要な人員を集める
④ 撮影環境を準備する
⑤ 撮影を行う
⑥ 動画の編集を行う
① 広告の目的・コンセプトを設定する
広告の目的(KPI)やコンセプトを設定しないまま制作に取り掛かってしまうと、最終的に思ったような効果が得られない恐れがあります。
この段階でしっかり計画を練って進めることが重要です。
② 動画の構成を決める
目的・コンセプトが設定できたら、次は動画の構成を決めます。
視聴するターゲットの心理を考えながら、「どのような構成にすれば長く視聴されるか」「どのような訴求方法にすれば商品やサービスの魅力が伝わるか」という点を重視して構成を決めましょう。
③ 必要な人員を集める
動画内に人物を登場させる場合はキャストが必要になります。
自社でまかなえる場合もあれば、外注したほうがよい場合もあるでしょう。
状況によって選択しましょう。
④ 撮影環境を準備する
基本的に必要となるのは、
・撮影場所
・撮影機材
・撮影スタッフ
このあたりでしょう。
自社に用意があるもの、無いものを確認し、必要に応じて外注しましょう。
⑤ 撮影を行う
環境が整ったら撮影を行ないます。
外で撮影する場合は許可が必要な施設もあるため注意しましょう。
また、素材は同じシーンでも数パターン撮っておくなど、多めに用意しておいたほうが動画のクオリティが上がります。
⑥動画の編集を行う
動画の素材が準備できたら、いよいよ編集となります。
現在はスマートフォン等でも簡単な動画の編集ができますが、広告用動画はしっかりとプロに編集していただくことをお勧めします。
コンセプト設計、動画の構成設計、撮影、編集、と様々な段階がありますが、できる限りすべてのスタッフがこれらの流れに参加できるとよいでしょう。
例えば、編集担当のスタッフがそれ以外の段階に関わらないでいると、「こんな撮影素材では、編集しろと言われてもどうにもならない。」という状況になりかねません。
コンセプト設計から編集まで携われる人材がいるとスムーズに運ぶと思われます。
6.YouTube広告の費用対効果を高める方法
次に、YouTube広告の費用対効果を高める方法を紹介します。
・目的に合わせた広告を選択する
・動画の冒頭5秒に力を入れる
・視聴者が体験をイメージできる動画にする
・適切なランディングページを設置する
・効果を検証しPDCAを回す
【目的に合わせた広告を選択する】
商品・サービスの認知を向上させたいのか、潜在層へリーチしたいのか、購買促進をしたいのか、目的によって広告を使い分ける必要があります。広告に使用する動画を制作する際に決定していると思いますが、その目的に合わせた広告配信手法を選択しましょう。
以下は、YouTube動画広告の目的と広告の種類を分類した表です。
目的 | 配信手法 |
---|---|
認知度の向上 | インストリーム広告 バンパー広告 アウトストリーム広告 マストヘッド広告 |
潜在層へのリーチ | インストリーム広告 バンパー広告 |
購買促進 | インフィード動画広告 |
【動画の冒頭5秒に力を入れる】
”スキップ可能なインストリーム広告”の場合は5秒経過するとユーザーにスキップされる可能性が高いため、特に冒頭の5秒が重要となります。
この5秒の間に、いかにユーザーを惹きつけ、商品やサービスの魅力を訴求するかが勝負となります。
また、”スキップ可能なインストリーム広告”以外の広告であっても、人間は冒頭の数秒で「この動画を見るべきか否か」を判断してしまいますので、どの種類の広告であっても重要だと言えるでしょう。
【視聴者が体験をイメージできる動画にする】
広告を視聴しているユーザーが実際に商品やサービスを使用している感覚を味わえるような動画を制作しておくと、ユーザーの共感を得られるでしょう。
ユーザーが「これで自分の悩みが解決されるかもしれない!」とイメージできる動画を制作することをお勧めします。
【適切なランディングページを設定する】
ユーザーが動画広告をクリックしたとき、遷移先のページが適切に設定されているかどうか、というのも重要です。
当然、遷移先のページでユーザーが離脱してしまうとCVに繋がりません。
ランディングページ等もしっかり設計されているか確認するとよいでしょう。
効果的なランディングページの制作方法については、別の記事で解説しています。
【効果を検証しPDCAを回す】
狙い通りの広告効果が出ているか効果測定を行い、PDCAを回しましょう。
パターンを複数用意して効果を図るA/Bテストなどを利用するのもお勧めです。
7.まとめ
以上、YouTube広告の費用と、効果を最大化する方法を解説しました。
おさらいをしておきます。
■YouTube広告の費用の発生条件
・CPC
広告リンクを1回クリックされるごとに課金される。
・CPV
動画広告を視聴されると課金される。
・CPM
1000回表示されるごとに課金される
■YouTube広告にかける予算
最低 月10万円以上
■YouTube広告の効果を最大化する方法
・目的に合わせた広告を選択する
・動画の冒頭5秒に力を入れる
・適切なランディングページを設置する
・視聴者が体験をイメージできる動画にする
・効果を検証しPDCAを回す
YouTube動画広告を検討している方や、現在リスティング広告とディスプレイ広告で成果が出ていない方は、ぜひ参考にしてみてください。