BLOG
ブログ
HubSpotは、世界130ヶ国以上で22万社を超える企業に導入されているマーケティング、営業、カスタマーサービスの業務をつなぐための機能を網羅するカスタマープラットフォームです。
中でもセールス領域を担う製品である「HubSpot Sales Hub」は、SFA機能として営業活動の効率化や生産性向上に役立てることができます。
本記事では、その機能や特徴、料金プランについて詳しく解説し、導入のメリットとデメリットについても触れています。
Sales Hubが自社にとって適切かどうかを判断するうえで、ぜひ参考にしてみてください。
▼こんな方におすすめ
・営業チームの活動を効率化したい方
・リード獲得後の受注率(成約率)を向上させたい方
・データに基づいた営業戦略の改善をしたい方
関連記事:HubSpot(ハブスポット)とは?特徴や機能、料金、注意点を解説
目次
1.HubSpot Sales Hubとは
HubSpot Sales Hub(以下、Sales Hub)は、企業が顧客とのやり取りを効率的に管理し、営業活動を一元的に運営するための営業担当者向けの製品です。
商談の進捗管理や顧客データの一元化、リードへのフォローアップの自動化、予実管理など、営業活動に必要な機能をすべて備えています。
また、日常的な営業の定型業務を自動化することで業務の無駄を省くことができるので、営業担当者はより重要な商談に集中でき、営業プロセスの効率化が図れます。
2.Sales Hubの特徴
Sales Hubには、主に下記3つの特徴があります。
・営業活動をサポートする充実した機能
・徹底したKGI、KPIの管理
・CRMとの統合
それぞれ詳しく見ていきましょう。
2.1 営業活動をサポートする充実した機能
Sales Hubでは、メールの自動追跡や会話履歴のトラッキングが標準機能として含まれており、営業担当者によるリードとのやり取りを把握しやすくなります。
また、取引パイプラインや営業資料の一元管理が可能なため、情報を整理し、効率的に活用することができます。さらに、定型業務の自動化やウェブチャットの機能なども含まれており、営業活動全体をデジタル化し、手作業の負担を軽減できます。
2.2 徹底したKGI、KPIの管理
Sales Hubには、「フォーキャスト」という目標管理機能が備わっています。
フォーキャストとは、直訳すると「予想」「予測」「見込み」などの意味をもっています。
企業の営業活動でフォーキャストという言葉をよく使いますが、「売上予測・受注見込み」などの意味で使われることが一般的です。
この機能を活用することで、営業活動全体の予実の管理や、KGI、KPIの管理をすることができるため、営業マン一人ひとりのKDI管理などを含め、目標達成に向けた営業活動の管理を徹底することができます。
2.3 CRMとのシームレスな統合
顧客情報管理システムであるCRMとの統合ができるという点も特徴です。
営業活動で得たリード情報や顧客情報を自動的にCRMに蓄積することがで、マーケティング活動やカスタマーサービスとも連携が可能になり、HubSpotのプラットフォーム全体で情報を統合できることも大きな強みです。
例えば、営業チームが商談中のリード情報を、マーケティングチームが行っているキャンペーンのデータと統合し、どのキャンペーンからの流入だったのかを把握し、部門間で連携を図りながら全社的に戦略を最適化することも可能です。
また、営業活動で得た顧客情報をカスタマーサポートに共有することで、サービスの満足度向上につなげることもできます。
3.Sales Hubのプラン別機能
ここでは、Sales Hubの無料プラン、有料プランごとに備わっている機能をそれぞれ見てみましょう。
以下の表は、Sales Hubのプラン別機能の一覧です。
▼Sales Hubのプラン別機能一覧
以下では、Sales Hubの主要機能7つについて解説していきます。
3.1 取引パイプライン
取引パイプラインとは、商談の進捗状況をステージごとに可視化する機能です。
例えば、「リード獲得→商談中→契約交渉中→受注→契約書締結」のような営業状況のステージを設定している場合、チーム全体や営業マン個人における営業進捗や受注確度、受注想定金額などを瞬時に把握することができます。
商談がどのステージにあるかを視覚的に把握できるため、営業チームは進捗を確認しやすく、次に取るべきアクションを迅速に判断できます。
また、ステージの進行に伴って自動的にタスクや通知、承認フローを発生させる機能もあり、作業漏れを防ぐことも可能です。営業チームはフォローアップのタイミングを逃さず、商談をスムーズに進めることができます。
関連記事:HubSpotのパイプラインとは?案件・商談管理に役立つパイプラインの設定方法を解説
3.2 Eメール
Sales Hubでは、HubSpotとGmailやOutlookのメールアカウントを接続することで、HubSpotから顧客に対してEメールを送受信することができます。
送信したEメールのログはCRMに保存されるため、どの顧客に対して、いつ、どのような内容のEメールを送ったのかをあとから確認することも可能です。
また、テンプレート機能も備わっており、テンプレートを活用してEメールを作成することで、繰り返し送信するメールを簡単に作ることができ作業効率を向上しつつ、顧客に対してのEメールの質のバラつきを防ぎ、高品質かつ同品質のメールを送信できるようになります。
例えば、商談の進行中や見込み客に対して、状況にあったメールの送付をしたい場合にこの機能を活用することができます。
3.3 Eメールの追跡および通知
Eメールの追跡および通知とは、送信したEメールが開封されたか、リンクがクリックされたかなどをリアルタイムで追跡できる機能です。
この機能を活用することで、営業担当者はリードの関心度を把握し、リードそれぞれにあった適切なフォローアップをすることが可能になります。
また、通知機能により、メールが開封された瞬間に営業担当者にアラートが届くようにすることもできるため、リードが興味を持ったタイミングを逃さずアクションを起こすことができます。
例えば、重要な商談に関連するメールが開封された通知を受けたら、すぐに電話をしてメール内容の補足説明を行うといったような活用の仕方があります。
シンプルに送付したメールが無事開封されたか心配する必要がなくなるため、業務に集中することができます。
営業チームがより効率的かつ効果的に商談を進めるためにも重要な機能と言えます。
3.4 Eメールテンプレート
Eメールテンプレートとは、メール文をテンプレートとして保存する機能です。
例えば、よく利用する挨拶文や効果の出た文章などを保存し、流用することができます。
営業担当者はゼロからメールを作る手間が省け、より迅速に顧客へアプローチすることができるようになります。
テンプレートはチーム全体で共有できるため、チーム全体で効果的なメッセージを統一して送信することもでき、対応スピードを上げ、対応品質の一貫性を保つことも可能です。
関連記事:メールテンプレートを活用しよう!業務効率化のための活用方法や注意点を解説
3.5 ミーティングのスケジュール設定
ミーティングのスケジュール設定とは、営業担当者と顧客の間のスケジュール調整を自動化するための機能です。
この機能は、GoogleカレンダーやOutlookカレンダーなどの普段営業担当者が使っているカレンダーとHubSpotを同期しておくことで使用可能です。
この機能を使用すると、営業担当者は自身の空き時間をカレンダーで公開し、顧客が希望する時間を直接選択してミーティングを予約できるため、従来の煩雑な調整作業が不要になります。
また、ミーティングの自動リマインドやリスケジュール対応も実施することができるため、
複数回のやり取りを繰り返す必要がなくなり、迅速かつ効率的なコミュニケーションが可能です。
特に顧客との商談やオンライン会議が多い営業チームにとっては、かなりの時間短縮と手間の軽減をすることができます。
関連記事:HubSpotの日程調整リンクが便利!機能や設定方法、注意点を解説
3.6 レポートダッシュボード
レポートダッシュボードは、営業活動のパフォーマンスをリアルタイムで可視化する機能です。
商談の進捗やチーム全体の成果をグラフで確認でき、意思決定に役立てることができます。
ダッシュボードを見れば、営業チームの商談進捗や成約率、リード獲得状況など、必要な指標をグラフ化できて一目で把握できるのが特徴です。
このダッシュボードはカスタマイズ可能で、自社のニーズに合わせたレポートを作成することができるため、営業戦略の精度を高めることができます。
例えば、特定の期間でのチーム全体の営業活動結果を分析し、どの商談が成約に至ったのかを細かく分析することで、次の施策に活かすことができるようになります。
また、営業領域に特化した分析機能「セールスアナリティクス」も利用可能となります。
3.7 セールスオートメーション
獲得したリードの割り当てや取引作成、タスク処理などの営業領域における定型業務を自動化することができます。単に自動化するだけでなく、リードそれぞれにパーソナライズされた内容を届けることが可能です。
シーケンス(一連のメール)を作成し、担当しているリードに対して送信することで、ナーチャリングやフォローアップすることもできますので、営業業務の効率化・効果最大化に不可欠な機能となります。
4.Sales Hubの4つの料金プラン
Sales Hubは、案件・商談管理や顧客とのコミュニケーション管理など、営業活動をサポートする機能が豊富に備わっており、企業の成長段階に合わせたさまざまなプランを提供しています。
ここでは、Sales Hubの各プランの料金と特徴について詳しく見ていきましょう。
4.1 無料プラン
無料プランは、営業プロセスのデジタル化に初めて取り組む企業や、HubSpotを試してみたいという方に最適なプランです。
基本的な営業支援機能が無料で利用できるため、コストをかけずに基本的な機能を試すことができます。
主な特徴:
・基本的なCRM機能:顧客データの一元管理ができ、顧客との関係をより効果的に管理できます
・Eメールの追跡: メールの開封状況やクリック率を追跡し、適切なタイミングでのフォローアップをサポートします
・パイプラインの視覚化: 商談の進捗をステージごとに可視化し、管理しやすくします
4.2 Starterプラン
Starterプランは、小規模な営業チームで営業活動の効率化を行いたい企業に適したプランです。
自動化機能やリード管理の強化により、より多くの商談を効率的に処理できるようになります。
主な特徴:
・営業業務の自動化機能:定型業務やタスクを自動化し、営業チームの作業負担を軽減します
・Eメールテンプレートのカスタマイズ: パーソナライズされたメールを簡単に作成でき、より効果的な営業活動が可能です
・通話の自動記録:顧客との通話内容を自動で記録し、後からレビューできるため、情報共有や営業メンバーの教育ができます
4.3 Professionalプラン
Professionalプランは、より高度な営業プロセス管理と自動化をしたい企業向けのプランです。
以下のような、チームのパフォーマンスを最大化するための高度なツールが備わっています。
主な特徴:
・高度な営業自動化機能:顧客の行動に基づいたトリガーを設定し、フォローアップや次のアクションを自動化します。
・通話の文字起こし機能:顧客との会話内容を自動でテキスト化し、簡単に議事録作成や確認をすることができます。
4.4 Enterpriseプラン
Enterpriseプランは、大規模な営業組織やグローバル展開を行う企業に適したプランです。
高度なカスタマイズ機能があり、エンタープライズ向けの管理機能が備わっています。
主な特徴:
・無制限のカスタマイズ:ワークフローやレポート、ダッシュボードのカスタマイズが無制限で行えるため、複雑な営業プロセスにも対応可能です
・エンタープライズ向けの統合機能:大規模なCRMやERPシステム(基幹系情報システムなど)と簡単に統合でき、全社的な営業データの一元管理が可能です
・高度なセキュリティと管理機能:グローバル展開や大規模な営業組織に対応するため、強固なセキュリティ対策やアクセス管理機能が含まれています
5.Sales Hubの導入で得られる効果
Sales Hubを導入することで得られる効果についてみていきましょう。
5.1 データの一元管理と他機能との統合
Sales Hubを活用することの大きな利点は、顧客データの一元管理と他のHubSpotツールとのシームレスな統合ができることです。
営業活動を効率化するためには、顧客情報が営業、マーケティング、カスタマーサポートの各部門で分散せず、一元的に管理されることが重要です。
Sales Hubは、HubSpot CRMを基盤にしているため、全ての顧客データを一箇所に集約することが可能なため、営業担当者は過去の顧客とのやり取り、取引の進行状況、問い合わせ履歴などをリアルタイムで把握でき、スムーズな対応が可能になります。
また、Marketing HubやService Hubなどの他のHubSpot製品ともデータを連携・統合させることができるため、マーケティング部門が獲得したリードをすぐに営業部門に引き渡すなど、部門間の連携を強化することにも役立ちます。
5.2 営業パフォーマンスの向上と最適化
2つ目の効果としては、営業プロセスの可視化と自動化により営業チームのパフォーマンスの向上が見込める点です。
Sales Hubのパイプライン機能では、商談の進捗状況をリアルタイムで追跡し、各ステージで必要なアクションを明確に把握できるため、営業担当者はフォローアップを逃すことなく、効果的な営業活動を進めることができるようになります。
また、Eメール追跡やスケジュール設定などの自動化機能により、定型業務を効率化し、重要な商談やその準備のための時間を増やすことにもつながります。
6.Sales Hub導入の際の注意点
Sales Hubは効果的なツールですが、導入する際にはいくつかの注意点があります。
6.1 データ移行の作業と整合性の維持
Sales Hubを導入する際、既存のCRMシステムや顧客データを移行する作業が発生します。このデータ移行は、その後の営業活動やマーケティング活動にとっても重要なステップのため、慎重に進める必要があります。
特に、大規模なデータ移行では、
・顧客情報の一部が正しく反映されない
・重複データが発生する
などのリスクがあるため、移行プロセスを事前に計画し、データの整合性を保つためのチェックを行うことが重要です。
HubSpotには、データインポート機能がありますが、他システムからのデータフォーマットの違いや、項目名の不一致などを解決するために、適切なマッピングが必要です。
マッピングについては、下記の記事を参考にしてみてください。
参考:HubSpotナレッジベース「データ同期のフィールドマッピングを理解する」
移行が完了した後も、データの定期的な見直しを行い、正確な情報が保持されているかをチェックしましょう。
6.2 豊富な機能を利用するための学習やトレーニング
HubSpotは定着率が高いことにも評判がありますが、Sales Hubは非常に多機能なツールであり、これを効果的に活用するには一定の学習やトレーニングが必要です。
特に、ProfessionalプランやEnterpriseプランでは、高度な自動化やカスタマイズ機能が含まれているため、初めて使う担当者には操作が難しく感じられることがあります。
HubSpotでは、さまざまなトレーニングプログラムを提供していますが、
Sales Hubの全機能を習得するには時間と労力がかかる場合があります。
企業全体(または営業チーム)での利用をスムーズに進めるためには、社内でのトレーニングを計画的に実施し、段階的にSales Hubの機能を習得していくことが大切です。HubSpotが無料で提供している学習プラットフォーム「HubSpotアカデミー」もご活用ください。
6.3 コスト追加の可能性
Sales Hubには4つのプランが用意されており、ビジネスの成長に応じて、機能追加のためのプランアップや利用人数が増加することで、追加料金が発生します。
まず、Sales Hubには無料プランも存在しますが、ビジネスが拡大し、より高度な機能が必要になった際には、Professionalプラン、Enterpriseプランのいずれかへのアップグレードが必要になります。
(例えば、自動化機能、詳細なレポート機能、通話の文字起こし機能などは、上位プランでのみ利用可能です。)
さらに、Salesシート(Sales Hubの一部機能を利用するための権限)にも注意が必要です。各プランにはもともと一定数のユーザー分の編集・使用権限が含まれていますが、追加のSalesシートが必要な場合にはその分のコストが発生します。
※Salesシートは、1人のユーザーがSales Hubの各種機能にアクセスできる権限であり、ユーザー数の増加に伴って追加の購入が必要となります。
したがって、導入時には長期的な視点で、必要となる機能やユーザー数を見極め、それに基づいて予算計画を立てておくことが重要です。
機能の拡張やユーザーの増加を見越した予算設定が、後々のコスト増加にスムーズに対応できるようにするためのポイントとなります。
7.Sales Hubで営業活動を効率化させるために
いかがでしたか?
Sales Hubを活用することで、営業活動を大幅に効率化し、効果の最大化を狙えるようになります。
業界を問わず、あらゆる規模の企業に適していますので、
この記事を参考に、自社に最適なSFAツールとしてぜひ Sales Hubを検討してみてください。