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ステマとは?類似手法との違いを解説!

  • 更新日 : 2023-05-23

  • 公開日 : 2022-01-26

SNSを利用したマーケティングが活発になっている昨今、「ステマ」という言葉をよく耳にするマーケティング担当者の方も多いのではないでしょうか?

「ステマ」が発覚した際に発生するリスクには、短期的なSNSでの炎上だけでなく、長期的な企業や製品のブランドイメージを損なってしまうことが考えられます。

今回はステマについてや、ステマに間違われやすいマーケティング手法についてもご説明していきます。

1.ステマ(ステルスマーケティング)とは

1.1 ステマとは

ステマとは「ステルスマーケティング(Stealth Marketing)」の略称であり、
消費者に広告であることを明らかにしないでサービスや商品を宣伝するマーケティング手法のことです。

ステマは、消費者の適切な判断・選択を妨害し、評価をコントロールするという点で消費者を欺く行為であり、その態様は、報酬の有無に関係なく、企業から頼まれた宣伝であることを明らかにしないでサービスや商品を宣伝する行為自体がステマに該当します。

1.2 ステマの種類

ステマは大きく2つの種類に分けられます。
どちらも宣伝であることを伏せた状態で行われる点が共通しています。

①なりすまし型
「なりすまし型」のステマは、業者やサービス・製品の関係企業が、一般消費者になりすましてサービスや商品の口コミや評価をインターネットに投稿する場合です。

利用者を装って競合他社の悪評をインターネットに投稿するのも、「なりすまし型」のステマに該当します。

②利益提供型
「利益提供型」のステマは、芸能人、インフルエンサー、ブロガーなどの影響力や拡散力のある人に依頼し、報酬を支払って実際には使用していないサービスや商品の高評価を感想として拡散してもらう場合です。

2.ステマの事例

実際に、日本で問題になったステマの事例を3つご紹介します。

①食べログ
2012年に発覚した、グルメサイト「食べログ」のレビューで行われた「なりすまし型」のステマ事例です。
サイトに掲載されている飲食店がやらせ業者に依頼し、高評価や良い口コミによってサイト内の評価を上げてもらう見返りに金銭を支払っていました。

②ペニーオークション
2012年に発覚した、オークションサービス「ペニーオークション」で行われた「利益提供型」のステマ事例です。
多くの芸能人が「ペニオクで商品を安く落札できた」という内容のブログ投稿をしていたにも関わらず実際には落札していなかったことや、芸能人に数万円の報酬が渡されていたこと、運営の入札手数料をだまし取る詐欺の一端に加担してしまったことから「ステマ」という言葉が広く知れ渡るきっかけとなる社会問題となりました。

③ディズニー
2019年に発覚した、映画「アナと雪の女王2」公開に際して行われた「利益提供型」のステマ事例です。
映画公開後に同時刻に、同ハッシュタグで、漫画家やイラストレーターが映画の感想をSNSに投稿していたことから発覚しました。
投稿には、PR表記がされておらず、ステマであると消費者が気づき大きな問題になりました。

3.ステマの違法性

アメリカやイギリスなど「ステマ」は明確に違法と定められている国々に対して、
現在の日本では「ステマ」自体を直接違法とする法律はありません。
しかし、「景品表示法(景表法)」に該当すると判断された場合は、違反となり処罰の対象になる可能性があります。

3.1 景品表示法(景表法)とは

景品表示法は、
商品やサービスの品質、内容、価格等を偽って表示を行うことを厳しく規制するとともに、過大な景品類の提供を防ぐために景品類の最高額を制限することなどにより、消費者のみなさんがより良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります。

引用:消費者庁

景表法とは、消費者が正しい判断で商品やサービスを選択するために、商品やサービスを選ぶ際に表示内容を実際のものよりも良く見せる行為を規制する法律です。

景表法では、主に以下の2つを禁止しています。

①優良誤認表示
「優良誤認表示」とは、商品やサービスの性能・品質などを実際のものや他社製品よりも著しく優良と誤認させる表示のことです。

②有利誤認表示
「有利誤認表示」とは、価格などの取引条件について、実際よりも有利なものに見せかけて誤認させる表示のことです。

「ステマ」として、一般消費者のふりをした事業者や、依頼された芸能人・インフルエンサーなどが、サービスや商品に関して実際より著しく優良であるように見せかけた広告宣伝を行った場合には、の規制に抵触し、違法となる可能性があります。

4.ステマとその他のマーケティングの違い

ステマと間違われやすいマーケティング手法として、アフィリエイト広告やインフルエンサーマーケティングがあげられます。

ここからは、ステマとの違いをご紹介していきます。

・アフィリエイト広告
アフィリエイト広告とは、ブログなどのホームページ内の記事で商品の魅力を宣伝し、そのページを見た消費者が購入や契約に至った場合に、成果報酬が支払われるインターネット広告です。

ステマとの違いは、宣伝広告であることを投稿に明記しているかという部分です。
アフィリエイトプログラムに参加するためには、ホームページ内の「プライバシーポリシー」や「利用規約」に記載が定められています。

・インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、インフルエンサーに対して、サービスや商品の宣伝を依頼し、影響力の強い口コミを投稿することで、消費者の行動を促すマーケティング手法です。

ステマとの最も大きな違いは宣伝広告であることを投稿に明記しているかという部分です。
SNSでの投稿の場合「#PR」「#宣伝」というハッシュタグや、「提供:〇〇」という記載がされています。

5.まとめ

いかがだったでしょうか。
今回は、ステマについてご紹介しました。
広告宣伝を行う際は、ステマに該当しブランドイメージを傷つけることのない様、
ステマに該当する行為や消費者に誤解を与えない表現を意識してみてください。