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【入札戦略虎の巻】Googleリスティング広告の入札戦略について徹底解説!

  • 更新日 : 2022-05-18

  • 公開日 : 2021-10-26

Googleリスティング広告の入札戦略は、広告を運用していく上でとても大切です。
それぞれの目的にあった入札戦略を選ぶことで、より広告の効果を最大化できます。

本記事ではGoogleリスティング広告における入札戦略の概要や推奨する入札戦略などをご紹介します。

1.Googleリスティング広告の入札戦略とは?

Googleリスティング広告の入札戦略とは?

Googleリスティング広告の入札戦略とは、
広告を出稿するためのオークション(入札)に参加するための入札単価を決定する方法です。
広告を出稿する目的に合わせて適切な入札戦略を選ぶことで、その効果を最大化することが出来ます。間違った入札戦略を選ぶと、期待した成果が得られませんので、しっかり吟味していきましょう。

入札単価を決める方法として、手動で入札単価を調節する「手動入札」と、Googleの学習機能で得たデータから自動で入札単価を調節してくれる「自動入札」の2種類があります。またその中でも、どの指標(コンバージョンやクリックなど)を重要視するのかといった入札戦略をそれぞれ選択することもできます。

2.入札戦略の種類

入札戦略の種類

効果的な入札戦略を選択するために、まずは広告を掲載する目標を設定しましょう。
例えば、「自社サイトへのアクセス数を増やしたい」、「コンバーション数を獲得したい」など、
目標が明確になっていないと、最適な入札戦略を設定できません。
目標が決まっていない場合はまず、目指すべき目標を見極めましょう。

■目標の種類
・販売促進
・見込み顧客の獲得
・ウェブサイトのトラフィック
・商品やブランドの比較検討
・ブランド認知度とリーチ
・アプリのプロモーション
・来店数と店舗売上の向上
・目標を指定しない
参考:Google公式ヘルプ


目標を設定した上で、クリック、インプレッション、コンバージョンなど、獲得したい要素について最適な入札戦略を設定します。

入札戦略の種類は以下のものがあります。

■自動入札
 ・クリック数の最大化
 ・目標インプレッションシェア
■スマート自動入札
 ・目標コンバージョン単価(CPA)
 ・目標広告費用対効果(ROAS)
 ・コンバージョン数の最大化
 ・コンバージョン値の最大化
■手動入札
 ・個別のクリック単価
 ・拡張クリック単価(eCPC)

3.入札戦略それぞれの特徴

入札戦略それぞれの特徴

それでは、入札戦略について詳しく解説していきます。

3.1 自動入札

自動入札は、目標に応じて自動で入札単価が設定される方法です。
自動で調整してくれるため、入札単価を設定する際の工数を大幅に短縮できます。
自動入札は定めた戦略ごとに3種類に分かれています。

クリック数の最大化
キャンペーンに設定した予算内でクリック数を最大化できるように単価を自動で調整する入札戦略です。運用初期段階でクリックデータを集めたい時、ウェブサイトへのアクセス数を増やしたい時、認知を拡大させたい場合などに向いています。

目標インプレッションシェア
目標インプレッションシェアは、ブランド認知度の向上などが目標の場合に効果的です。
Google 検索結果ページの最上部、上部、または任意の場所に広告が表示されるように、自動的に入札単価が設定されます。

3.2 スマート自動入札

スマート自動入札は、自動入札機能の一種です。
特にコンバージョンを重視する場合は、入札単価を設定する際の手間のかかる作業と推測に頼った作業の大部分を排除するために、スマート自動入札を活用することをおすすめします。
機械学習を使用し、オークションごとのコンバージョン数やコンバージョン値の最適化を行ってくれます。
この機能は、「オークションごとの自動入札機能」と呼ばれます。
また、デバイスや地域、時間帯、言語、オペレーティングシステムなど、オークション時のさまざまなシグナルも考慮され、すべての検索で状況に応じた処理が可能となります。

目標コンバージョン単価(目標CPA)
キャンペーンに設定した目標とするコンバージョン単価で、最大限にコンバージョンを獲得できるように入札単価を自動的に設定します。たとえば、目標コンバージョン単価を 1,000 円に設定すれば、平均 1,000 円でできるだけ多くのコンバージョンを獲得できるように、入札単価が自動的に調整されます。コンバーション単価を維持しつつコンバージョンを増やしていくので、予算の無駄な消化を防ぐことができます。

目標広告費用対効果(ROAS)
目標広告費用対効果とは、投下した広告費で獲得したいと考えるコンバージョンの価値の平均です。コンバージョン値を最大化できるように最適化する場合は、目標広告費用対効果を使用して、特定の広告費用対効果を目指しながらコンバージョン値を引き上げることができます。ECサイトなど、色々な価格帯のある場合などに有効的な入札戦略になります。※ROAS(Return On Advertising Spend)は投下した広告費の回収率を表す指標で、広告から得た収益を広告費で割れば求められます。

コンバージョン数の最大化
目標コンバージョン単価を維持しながら、指定した予算内でコンバージョン数が最大化されるようになります。
目標コンバージョン単価が設定されていない場合は、できるだけ多くのコンバージョンを獲得するために予算が消化されるようになります。目標のコンバージョン単価が決まっていない時や、コンバージョンをとにかく増加させたい場合に有効的です。「目標コンバージョン単価」と似ていますが、実際に同様の機械学習を行います。そのため、2021年より任意でコンバージョン単価を設定できるようになりました。

コンバージョン値の最大化
コンバージョン値の最大化では、特定の広告費用対効果をターゲティングする代わりに、予算を過不足なく使いながらコンバージョン値を最大化できるように最適化できます。
これにより、コンバージョン値が大きいオークションでは、コンバージョン値が小さいオークションよりも入札単価が高くなる場合があります。

3.3 手動入札

個別のクリック単価
クリックの獲得に重点を置く場合に設定する方法です。個別クリック単価制では、広告のクリックに対し、支払う上限金額を自分で設定することができます。広告に興味を持ったユーザーが実際に広告をクリックした場合にのみ料金が発生するため、単価を合理的に設定することができます。
たとえば、広告が表示された 200 人のユーザーのうち 10 人が広告をクリックした場合は、
10 回分のクリックに対してのみ料金が発生し、残りの 190 回分の広告表示には料金が発生しません。
各広告のグループ、キーワード、プレースメントに異なる入札単価を設定することが可能です。

拡張クリック単価(eCPC)
拡張クリック単価(eCPC) は、半自動入札の入札戦略で、個別単価設定とスマート自動入札戦略が統合されたものです。手動で設定したクリック単価を、過去のデータより状況に応じて入札単価を引き上げ、引き下げ調整する入札戦略です。
手動入札から自動入札に切り替える前や入札管理をなるべくご自身で行いたい場合に活用しましょう。

4.Googleが推奨する入札戦略

Googleが推奨する入札戦略

次に、Googleが推奨している入札戦略について解説していきます。
大きな流れは次の通りです。

①キャンペーン開始時に入札戦略を「コンバージョン数の最大化」にする
②コンバージョンが30件前後取得できたら「目標コンバージョン単価」に切り替える

スマート自動入札を入札戦略として選べば、
入札価格の自動で調整してくれるため、設定する際の工数を大幅に短縮できます。

最初から「コンバーション数の最大化」を使用しない方が良い場合もあります。

理由としては、下記があげられます。
■配信されない可能性がある
 配信を始めたばかりで実績がない場合などは、想定より配信されない可能性があります。
■クリック単価が高騰しやすい
 情報が何もない場合、設定したキーワードが検索クエリとマッチングするように入札を
高く見積もる傾向が強く、クリック単価が高騰する可能性があります。
■設定した日予算を突き抜けやすい
 Google広告の仕様上、設定した日予算の倍の予算を使用することがあります。

それでは、最初に配信を始める時にはどのような設定がよいのでしょうか。
準備段階からデータが蓄積されるまでは以下の設定がおすすめです。

1.コンバージョン数の最大化でスタート
まずは、コンバージョン数の最大化を設定し、予算内でどのキーワードでどれだけコンバージョンが取れるか確認します。このフェーズでは、市場の相場感を把握してCPAの目安を知ることが目的となります。
個別クリック単価制などの手動設定による調整が推奨されるケースもありますが、最初からGoogleの機械学習を抑制してしまうと、実際の市場での予算の消化具合を把握できません。

2.マッチタイプを「フレーズ一致にする」
予算が少ない、キーワードがある程度限定されているなどの場合は「フレーズ一致」を使用することを推奨します。
予算にある程度余裕がある場合は、機会損失をふせぐため極力「部分一致」で検索クエリの拡張をしていき、情報を集めやすくしましょう。

3.マイクロコンバーションを取り入れる
月に数件しかお問い合わせが見込めなさそうな場合は、最終的なコンバージョンよりも手前、「お問い合わせフォームに到達したタイミング」などにマイクロコンバージョンを設定することで今後の施策ごとの判断に役立てられるデータ量が多くなります。

つぎに、コンバージョンデータが30件前後取得できて来たら、
入札戦略を「コンバージョン数の最大化」から「目標コンバージョン単価」に切り替えましょう。

4.目標コンバーション単価に切り替える
目標コンバーション単価は、設定したコンバージョン単価でコンバージョンを最大限に獲得できるように入札単価を自動的に設定してくれる入札戦略です。
そのため、入札戦略のコンバージョンの最大化のようにクリック単価を高騰させず、適正なクリック単価でCPA内に収めるようにクリックを予算内で集めてくれます。

広告を配信する業界やサービスなどによって様々ですが、以上が入札戦略の基本的な流れです。

5.まとめ

入札戦略を正しく設定しないと成果をあげることはできません。
そのため目標をしっかりと見極めた上で、それに応じた入札方法を選びましょう。
特に自動入札を利用すれば、目標に応じて自動で入札単価が設定されるため、
工数を大幅に短縮でき、その時間を本来の業務に割くことができます。

近年、Googleでは広告運用の機械学習による自動化への移行が強まってきています。しかし現状では自動化機能も完璧ではないため、ケースに応じて手動入札を取り入れてみるなど、機械学習に一任でできない部分は適宜手動でフォローをしていくことが必要かもしれません。

目的にあった入札戦略を活用して、臨機応変に、より広告効果の高い広告運用を目指していきましょう。