HubSpotで複数ブランドを効率的に管理するには?ブランド管理機能の使い方とメリットを徹底解説
- HubSpot
2026.08.27
2026.08.27
複数のブランドやビジネスユニットを展開する企業にとって、ブランドごとに独立したマーケティングを展開しつつ、全体の成果を正確に把握したいというニーズはよくあることです。
HubSpotには、「ブランド管理機能」というものがあり、この機能を活用することで、単一のHubSpotアカウント内で、各ブランドのロゴや配色のカスタマイズ・トラッキングコードの発行・レポート作成・Eメール配信設定などを一元管理できます。
本記事では、HubSpotで複数ブランドを管理する具体的な手法やメリット、設定手順について詳しく解説します。
▼この記事の要約
・HubSpotのブランド管理機能は、単一アカウントで複数ブランドの素材管理やカスタマイズ・レポートなどを管理できる
・2つの管理アプローチ「複数ブランド」「複数アカウント管理」がある
・活用メリットには、キャンペーンのシンプル化、ブランドイメージの維持、配信設定の一元管理などがある
こんな方におすすめ
- 複数のブランドを所有しており、ツールごとにデータ分散するのを防ぎたい方
- ブランドごとにデザインやEメールの配信設定を簡単に切り替えたい方
- 共通のビジネスモデルを持つ複数の事業を効率的に管理したい方
- HubSpotの導入や、既存の複数アカウントの統合を検討している方
HubSpotの運用についてお困りですか?
- ・ HubSpotのブランド管理機能について知りたい
- ・ ブランド管理機能をどう活用すればいいか分からない
- ・ 複数ブランドの管理に困っている
HubSpotの効果的な運用方法については、ナウビレッジへお気軽にご相談下さい。
HubSpot運用のプロフェッショナルが貴社の状況やニーズに応じてアドバイジングし、より効率的な運用を実現します。
目次
HubSpotの「ブランド管理機能」とは?

HubSpotの「ブランド管理機能(旧 ビジネスユニット)」は、共通のビジネスモデルを持つ複数のブランドを、単一のHubSpotアカウント内でまとめて管理するための機能です。
この機能を活用することで、各ブランドのオーディエンスセグメントへのリーチから、コンタクトとのやりとり、コミュニケーション設定の追跡、組織全体のパフォーマンスレポートの作成などを1か所で行えるようになります。
ブランドごとのデータやツールが分散し煩雑になりがちな複数ブランドの運用を、よりシンプルにし、業務効率を大幅に向上させることが可能です。
HubSpotで複数ブランドを管理する2つのアプローチ方法
HubSpotでは、組織の構造やデータの分離レベルに応じて、管理するためのアプローチ方法が異なります。
具体的には、貴社のビジネス構造が「ブランド間でシナジーを生みたい」のか、「完全に独立した事業として切り離したい」のかによって選択が変わります。
ここでは、主に2つの管理アプローチをご紹介します。
| 比較項目 | ①単一アカウント /複数ブランド | ②複数アカウントの管理 |
|---|---|---|
| データ管理 | 1つのデータベースを共有 | アカウントごとに完全分離 |
| 顧客の重複 | 同一人物が複数ブランドに存在可能 | 別の顧客として扱われる |
| 主なメリット | ブランドを跨いだ分析・クロスセル | 厳格なセキュリティ・独立性の維持 |
| 請求・契約 | HubSpotとの契約は1つ | ブランドごとに個別の請求が可能 |
| レポート | 全ブランドの横断分析が容易 | 全体の集計には工夫が必要 |
【方法1】単一のHubSpotアカウントで複数ブランドを管理する ※本記事のメイン機能
まず1つ目の方法は、単一のアカウントで複数のマーケティングプログラムを実行し、ブランドごとにアセット(素材)やレポートを整理する手法です。
「1つの家(アカウント)の中に、複数の部屋(ブランド)がある」イメージです。
- 対応可能なケース
- ブランド間で見込み客や顧客が重複する場合
- ブランド間でクロスセルやアップセルを行いたい場合
- 全ブランドのパフォーマンスを横断的に分析したい場合
- マーケティングキャンペーンやテンプレートを共有したい場合
- 対応不可のケース
- ブランド間でビジネスモデルやデータモデルが大きく異なる場合
- 厳格なデータ分離や、ブランドごとの個別請求が必要な場合
- 具体的なイメージ例(自動車メーカーの場合)
- 「高級車ブランド」と「ファミリーカーブランド」を展開している
- ファミリーカーを購入した顧客に、将来的に高級車を勧める(クロスセル)ことができる
- 全ブランド合計で今月何件のリードが獲得できたか、1つの画面で確認できる
- こんな企業におすすめ
- ブランド間で顧客を紹介し合いたい
- マーケティング担当者が共通で、同じ素材やテンプレートを使い回したい
このように、同じ会社の中で、ターゲットや商品名が異なる複数のサービスを展開している場合に最適です。
【方法2】複数のHubSpotアカウント間で連携して複数アカウントを管理する
アカウントを跨いで連携しつつ、各ブランドの独立性を最大限に維持する手法です。
「別々の家(アカウント)を建て、必要に応じて道(連携)をつなぐ」イメージです。
- 対応可能なケース
- 事業ごとに個別のCRMや連携機能が必要な場合
- データホスティングの場所を国や地域ごとに分ける必要がある場合
- ブランド間に法的な境界があり、厳密なデータ分離が求められる場合
- 対応不可のケース
- 同一コンタクトへのクロスセルやアップセルを行う場合
- 6件以上のブランドを所有している場合(上限は5アカウントまで)
- 具体的なイメージ例(多角経営のグループ企業の場合)
- 「飲食事業」と「不動産事業」のように、顧客層もビジネスモデルも全く異なる
- 飲食の顧客データが不動産の担当者に見えてはいけない(厳格なデータ分離)
- それぞれの事業部で、独自の外部ツールと連携させたい
- こんな企業におすすめ
- 事業部ごとに予算や請求を完全に分けたい
- 法的な理由などで、データの混在が許されない
このように、M&Aで買収した別会社や、国ごとに商習慣・個人情報保護法が全く異なる事業を管理する場合に適しています。
ここまでの解説をまとめると、どちらの方法を選択すべきか?については、
基本的には、「ブランド間で顧客データのやり取りが発生するか」が主な判断基準です。
・クロスセルやグループ全体での顧客分析を優先するなら → ①単一アカウント
・セキュリティや事業部ごとの独立性を最優先するなら → ②複数アカウント
自社の場合はどうなのか?と悩まれている方は、Diamondパートナーであるナウビレッジのコンサルタントが、貴社の現在の組織体制や、今後の展望に合わせて最適な方法をご提案することも可能です。
HubSpotのブランド管理機能を活用する4つのメリット
ブランド管理機能を導入することで、複数のビジネスラインを抱える組織の運用負荷は劇的に軽減されます。
具体的な4つのメリットを詳しく見ていきましょう。
メリット1:キャンペーン管理のシンプル化
ブランド管理ツールを導入する最大の利点は、膨大なデータの中から対象者を抽出するプロセスが圧倒的にスムーズになることです。
通常、複数ブランドを1つのアカウントで扱うとリストの条件指定が複雑になりがちですが、この機能があればブランドごとにコンタクトを自動でセグメント化できます。
標準搭載されているCRMプロパティーを活用することで、アセットやコンバージョン、レポートをブランド単位で容易に分離できるため、施策の準備にかかる工数を大幅に削減しながら精度の高いターゲティングが可能になります。
メリット2:ブランドイメージの維持
デザイン作業において、ブランドごとのレギュレーションを厳守し続けるのは意外と骨が折れる作業です。
ブランドキット機能を活用すれば、各ブランド固有のロゴやカラーコード、フォントといったデザインアセットを一元管理できるようになります。
制作のたびに過去の資料からカラーコードを探したり、最新のロゴファイルを確認したりする手間が削減されます。
どの担当者がコンテンツを作成しても常に統一されたブランドイメージを維持でき、顧客に対してプロフェッショナルな印象を与え続けることができます。
メリット3:複数ブランドにわたるEメール配信設定の一元管理
顧客体験を損なわないためには、ブランドごとに適切なコミュニケーション頻度や内容を制御することが不可欠です。
ブランド管理機能では、単一のポータル内にいながら、ブランドごとに独立したEメール配信設定を構築できます。
例えば、ある顧客が特定のブランドのニュースレターを購読解除したとしても、他のブランドの重要な通知は引き続き受け取れるといった細やかな制御が可能です。
顧客がどのブランドの情報を求めているかを正確に反映させることで、不快感を与えないパーソナライズされたコミュニケーションが実現します。
メリット3:複数ブランドにわたるEメール配信設定の一元管理
顧客体験を損なわないためには、ブランドごとに適切なコミュニケーション頻度や内容を制御することが不可欠です。
ブランド管理機能では、単一のポータル内にいながら、ブランドごとに独立したEメール配信設定を構築できます。
例えば、ある顧客が特定のブランドのニュースレターを購読解除したとしても、他のブランドの重要な通知は引き続き受け取れるといった細やかな制御が可能です。
顧客がどのブランドの情報を求めているかを正確に反映させることで、不快感を与えないパーソナライズされたコミュニケーションが実現します。
メリット4:マーケティングアセットの整理
ウェブページやランディングページ、Eメール、フォーム、ブログといったアセットの数が増えるほど、管理が難しくなります。
ブランド管理ツールを利用すれば、これらの素材(マーケティングアセット)をブランドごとに直感的にフィルタリングできるようになります。
ブランド名を含む複雑な命名ルールを厳格に運用しなくても、システム上で明確に分類されるため、必要な素材を瞬時に見つけ出すことが可能です。
マーケティング担当者が迷いなく最新のアセットにアクセスできる環境は、日々の公開作業のスピードを格段に向上させます。
ブランド管理機能の利用条件
HubSpotで複数ブランドの管理を開始するにあたっては、契約プランや操作権限、およびドメインの設定に関する仕様を正しく理解しておく必要があります。
特にドメインの扱いは、Webサイトの公開範囲に影響するため注意が必要です。
| 項目 | 内容・制限事項 |
|---|---|
| 対象プラン | ・Marketing Hub Enterprise ・または別途ブランド追加オプションの購入が必要 |
| 操作権限 | ブランドの作成および編集ができるのは、アカウントの「スーパー管理者」のみに限定されている |
| 追加可能なブランド数 | ・1つのブランド追加オプションにつき1ブランドの利用が可能 ・追加購入を繰り返すことで、最大100個までブランドを拡張することが可能 |
| ドメインの制約 | ・HubSpotアカウント内で設定できるプライマリードメインは1つのみ ・そのため、あとから追加するブランドはセカンダリードメインに割り当てて運用する必要あり |
ブランド管理機能の設定手順【3ステップ】
HubSpotで複数のブランドを効率的に運用するための、具体的なセットアップ手順を解説します。
各ステップを順番に進めることで、ブランドごとの独立した管理体制を整えることができます。
【ステップ1】新しいブランドを作成する
まずは、管理の母体となるブランドプロファイルを作成します。
①HubSpotアカウントの上部ナビゲーションバーにある「設定アイコン(歯車マーク)」をクリックし、左側のサイドバーメニューで「ブランド」と検索する

②「会社のブランドを設定」を選択する

※または、HubSpotの左サイドメニューで、[マーケティング] > [ブランド] からアクセスする
③「ブランドキット」と「ブランドボイス」を設定する
ブランドキット
・ロゴ
・ファビコン
・カラー
・テーマ
・フォント

ブランドボイス
・パーソナリティ
・デフォルトのトーン
・理念
・避けるべき語句
・置換ルール
・包摂性
④下記のイメージで設定完了

【ステップ2】トラッキングコードを設定する
ブランドごとに固有のトラッキングコードを設置することで、サイト訪問者に対してブランド別のCookieポリシーバナーを表示できるようになります。
①HubSpotアカウントの上部ナビゲーションバーにある「設定アイコン(歯車マーク)」.> 「トラッキングとアナリティクス」から [トラッキングコード] をクリックする

② [トラッキングコード] をクリックし、コードを [コピー] または [開発者にEメールを送信] をクリックする
![[トラッキングコード] をクリックし、コードを [コピー] または [開発者にEメールを送信] をクリックする](https://now-village.jp/marketing-spot/wp-content/uploads/2026/03/image5-1024x504.png)
③表示された固有のトラッキングコードをコピーし、対象となるブランドのウェブサイトに埋め込む
【ステップ3】各アセットをブランドに関連付ける
作成したマーケティングアセットや顧客データを、適切なブランドに紐付けます。
①「フォーム」を関連付ける
・右上のプロフィールメニューから対象のブランドビューに切り替えた状態でフォームを新規作成すると、そのブランドが自動的に設定される
・必要に応じて、作成したフォームを特定のキャンペーンアセットとして追加する
②「マーケティングEメール」を関連付ける
・ブランドビューを切り替えてからEメールを作成し、送信設定時にブランドを選択する。
・既存のEメールは後からブランド変更ができないため、別のブランドで流用したい場合は「複製」機能を使用して、複製時に新しいブランドを割り当てる
③「コンタクト」を関連付ける
・自動作成される「ブランド(ビジネスユニット)」プロパティーを使用して、対象のコンタクトを各ブランドに割り当てる
・1人のコンタクトを複数のブランドに含めることも可能であり、これによってブランドを跨いだセグメント作成やワークフローの実行が可能になる
各ブランドの成果を可視化するレポート機能
ブランド管理ツールでは、ブランドごとのパフォーマンスを詳細に分析できます。
- ブランドレポートの作成:レポート作成時にデータソースとして「ブランド」プロパティーを追加することで、ブランド別の集計が可能になります。
- ダッシュボードの絞り込み:ダッシュボード全体のフィルターで特定のブランドを選択し、表示されるデータを一括で切り替えられます。
- 既存レポートの関連付け:既に作成済みのレポートを後から特定のブランドに紐付けることも可能です。
ブランド管理機能の注意点
運用を開始した後に「想定と違った」という事態を防ぐため、ブランドの削除や無効化に関する仕様を確認しておきましょう。
ブランドの削除時、データ・アセットは消えない
作成したブランドを削除しても、そのブランドに関連付けられていたコンタクトデータや各種アセット(Eメールやフォームなど)、配信登録データがシステムから完全に消去されるわけではありません。
ブランドを削除すると、それまで紐付いていたデータは自動的に「アカウントブランド(HubSpotアカウント作成時に設定された既定のブランド)」へと一括で移動されます。
そのため、ブランド削除後にデータが混在してしまうリスクを考慮し、削除前にはデータの移行先や整理方針を明確にしておく必要があります。
ブランドの無効化は不可
HubSpotのブランド管理機能には、特定のブランドを一時的に「非アクティブ」や「無効」にするステータス設定は存在しません。一度作成したブランドは、削除するか使い続けるかの二択となります。
もし、ブランド追加オプションそのものの利用を停止し、月々のコストを削減したい場合は、単にブランドを削除するだけでは不十分です。HubSpotのカスタマーサクセスマネージャーに直接連絡し、オプションのキャンセル(解約)を正式に依頼する手順が必要になる点に注意してください。
HubSpotのブランド管理機能を活用して、複数ブランドのマーケティング業務を一元管理しよう
いかがでしたか?
HubSpotの「ブランド管理機能」を導入することで、データの分断を防ぎながら、ブランドごとの独自性を活かしたマーケティング活動が可能になります。
特に「顧客データは統合したいが、見せ方や配信設定はブランドごとに分けたい」という企業にとって、この機能は非常に有効なツールとなります。
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この記事を監修した人
髙山博樹
ナウビレッジ株式会社 取締役CMO
兵庫県出身。東京工業大学 修了。上場企業で勤務後に参画。広告・SEO・Webサイトといった多様な集客手法とCRM/SFA/MAに精通し、これまでマーケティングのコンサルタントとしてマーケティング戦略の策定から実行(サイト制作や広告運用、SEOなど)を経験。取締役CMOとして年間自社リード400件の体制構築やサービス戦略の策定などに従事。HubSpot導入・構築支援サービス責任者。
HubSpotの運用についてお困りですか?
- ・ HubSpotのブランド管理機能について知りたい
- ・ ブランド管理機能をどう活用すればいいか分からない
- ・ 複数ブランドの管理に困っている
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